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最高だ、、、
【閲覧注意⚠︎】この小説はnmmnです。
nmmnが苦手な方やタグの意味が分からない方は一度ご確認の上、再度閲覧をするかのご検討をお願いします。
又、
この小説は作者の妄想・フィクションです。
ご本人様(キャラクター等)には一切の関係・関連はありません。ご迷惑がかからぬよう皆で自衛をしていきましょう!
閲覧は自己責任です。
※その他BL・微改変オメガバース (🕶×🏺)
今一度ご確認の上、ご理解ご了承頂ける方のみ本文へお進みください🙌
ご確認ありがとうございます!!!
それではどうぞ〜🫶✨
🏺『』その他「」無線「”○○○”」
この世界には不思議と差別が生まれていて、アルファ・ベータ・オメガという特性を持つ人間が仲良く暮らそうと長年努めてきた。
一番優秀なのがアルファで、一般人がベータで、それじゃあオメガは一体何なのかと言われれば…まぁこの世界では極小数の劣等者だ。
なりたくてなった訳じゃない。
生まれた時から性別のように備わっているもので、物心がついた頃には不便な身体の特性を理解する。
混濁とした社会に揉まれて、自分がどれだけ弱い存在なのかを理解する。
『はッ…、はッ…、ッ、っ、』
だから俺は自分の事が嫌いだった。
ずっとずっと、昔から思っていた。
もし、ヒートを抑える制御剤が効かぬほどの…いわゆる運命とやらのアルファに出会ってしまったら。
そこで俺の人生が、警察官になるという夢が、…全てが、終わるのだと思っていた。
俺は人以下の畜生で、目の前のコイツは優秀な獣だ。
「おいおい…てめぇまさか、…オメガか?」
訝しげな表情でつぼ浦を見下ろすヴァンダーマーは、今まで散々遠目から茶々を入れてきたうるさい男…つぼ浦匠という存在を一瞬で理解した。
普段の強気な態度とは正反対の弱々しい姿に、ヴァンダーマーは驚きを隠せない。
いや、驚きというよりかは…放たれる匂いに誘惑されて、生理的な興奮が抑えきれない。
『くっそ…、ッ、最悪だ、っ、さいあく…、』
ぎゅっと握りしめた上着はヴァンダーマーから剥ぎ取ったもので、当の本人は手錠を両手にはめられて、それはそれは怪訝そうに突っ立っていた。
しばらく荒い呼吸を繰り返すつぼ浦のことを静かに見つめて、それから長々と息を吐いて、しゃがみ込んでいるつぼ浦に一歩近づく。
細くて暗い裏路地、凶悪犯を追い込んだかと思えば途端に覆っていたマスクを取り外し、一か八かで銃撃戦へと発展する前につぼ浦の膝が崩れ落ちたのだ。
途端に香るオメガ独特の匂いに硬直し、混乱している合間につぼ浦が無理やり身体を動かしてヴァンダーマーを捕らえたが…もちろん一件落着とはならずにこのカオス状態である。
「…てめぇ、捕まえるのは百歩譲って理解出来るが、…服剥ぎ取ったら、もうそれにしか見えねぇぞ?」
いわゆるオメガが行うネスティング、無意識に好きな相手や運命の相手…アルファの私物を集める習性だ。
バカ高いスーツの上着を胸に抱いて、つぼ浦は火照った顔をそれに埋める。
『スゥ…、はぁ…、ッ、(泣)、゙っ、』
鼻腔をくすぐるアルファの匂いに抗えず、ぐしゃぐしゃに握りしめた衣服から肺いっぱいに空気を取り込んで涙ぐむオメガ。
「っ、また匂いが強くなりやがった…。…チッ、」
ヴァンダーマーが仕方なしにしゃがみ込んでつぼ浦の顔を覗き込めば、つぼ浦はこれでもかと身体を跳ねらせてぎゅっと縮こまる。
両手の枷がジャラリと手元で鳴って、ヴァンダーマーはその両手を差し出しながらつぼ浦にそっと呟いた。
「…はぁ…、、まぁなんだ…、。…儂の理性が残っているうちに、やることさっさと済ませた方がいいんじゃねぇか?」
『、っ…。…アンタは、それでいいのか、』
「良いも何もないだろう。テメェの匂いにあてられて頭ブチ切れそうだ。…譲歩はしてやる。今ならな」
両膝を折って縮こまったつぼ浦を挟み込めば、つぼ浦はポロポロと涙を流してカチャリとその手錠を震えた手つきで解錠する。
欲情よりも色濃く浮き出ている恐怖の瞳に、ヴァンダーマーは小さなため息を漏らしてその身体を抱き上げる。
逃げ込むはずだった路地裏の小さな隠れ家に入り込んで、キツく香っていたオメガの匂いは次第にその場からは薄れていった。
至るところに衣服が散りばめられた自室を見て、ヴァンダーマーは引き攣った笑みを浮かべた。
オメガが制御剤を飲むように、アルファにもオメガの匂いにあてられる事を防ぐ為の薬が存在する。
苦い錠剤を無理やり噛み砕いて、ミリの理性を繋ぎ止めたヴァンダーマーは壁に背を預けて息を吐く。
「なぁつぼ浦、オメガっつーのはみんなこうなのか?。こんなに服かき集めて、どこぞの鳥の巣作りだな」
腕を組んで見つめる先にはつぼ浦が居て、つぼ浦はヴァンダーマーの言葉にチラリと視線を向けつつも、その手はいそいそと服を集めて、抱きしめて、またひくりと喉を鳴らして泣いている。
「…俺はガキの頃から教育っつーもんを真っ当に受けられる環境なんざ無かったが、…その行為は、本来であれば喜んでするもんなんじゃねぇのか?」
惚れた腫れたの話など、治安が悪ければ自ずと直ぐに出回る情報だ。
大体の話がやれ”うちの恋人が巣作りを始めて…、帰ったら嬉しそうに出迎えてくれる”だなんて惚けた実体験を恥ずかしげもなく公表する…そんな馬鹿がこの世にはごまんと存在する。
『…、てめぇは、こんなもの見飽きてるだろ』
「……。正直に言えば、俺は出来た人間じゃねぇからな。若い時は随分と酔わされて、子種が欲しいと引きずり込まれた事がある」
同意の上の性行為など、指で数える程しかない。
『あぁ、アンタはモテるだろうな。どう見たって優秀なアルファだ。…俺も、身体が疼いて…、仕方がねぇ』
疼きと共に、身体の震えが止まらない。
「…。てめぇも、一筋縄じゃいかねぇ人生だったみたいだな」
薄まりつつある社会の差別的な目の色も、数十年前までは当たり前のように誰もが抱いていた感情だ。
オメガは劣等種で、種を繁栄させることでしか社会に貢献が出来ない人間。
「同情はしないが、随分と苦労しただろう」
だからアルファに媚びを売るオメガも居たし、逆にアルファから無理やり性行為を強いられることだって容易に想像がつく。
『……俺は、媚びなんざ売ったことは一度もねぇ』
「だろうな」
カチャンッとジッポの火を灯して、ヴァンダーマーは静かに煙草を吹かす。
部屋に充満するタールの重いその香りが、またつぼ浦の胸を締め付けて離さなかった。
『ッ、っ…、…なぁ、ヴァンダーマー…、』
「…あぁ。準備できたか?」
消失していく煙草を置き去りに、ヴァンダーマーは衣服が散りばめられているそのベッドに身体を乗り上げる。
ギシリとベッドが軋んで、つぼ浦の表情には発情期独特の性的欲求と…それとはまた違う、恐怖に満ちた強ばりがちらちらと垣間見えた。
『、ッ…、す、すぐに、入れるか?、っ、俺、えっと…、慣らす、ぜ…』
「はぁ…。無理をするな。譲歩してやると言っただろう?」
褐色で筋肉質なその身体を抱き寄せて、ヴァンダーマーはつぼ浦の目元を荒く手で拭う。
「まずは泣き止め。…あぁそれから、てめぇに突っ込むのはなァ、(笑)…お前の身体が、グズグズに溶けきったその後だ」
仕方なさげにそう宣言してから、ちゅ…ッとつぼ浦の口元に熱を押し付けて、そのまま軽いキスを何度も繰り返す。
『ンッ、っ、ン…ッ、、ン…っ、ン、…んぇ、』
控えめに開かれた口元からつぼ浦の舌がちろりと現れれば、ヴァンダーマーは何を言われずともその意図を汲み取ってきゅこりと熱い口内をまさぐった。
『んぅっ、ンッ…、ンっ、♡、っふ、ン、ン、』
鼻から甘い声が抜けて、途端にまたぶわりとオメガの雄の匂いが強くなる。
「すぅ…、…はぁ…。こいつはどうも薬が効かねぇ訳だ。…。災難な事があるもんだな。…お前、巷で言うところの運命の番っつーもんだぞ」
『はっ、はっ♡、っ、俺たちが?、ッ、つがい?、っ、っは(笑)、いや、ッ…♡、ンな訳、ねぇだろ、』
混濁とした意識をフル回転して、つぼ浦は無理やり笑みを浮かべる。
どうか気がついてくれるなと懇願するかのようなその声色に、ヴァンダーマーは素っ気なく言葉を返した。
「…まぁそうか。だがもし運命の番だったら、首の所…、ここか。テメェは本能的に噛まれたくて噛まれたくて、仕方なくなっちまうもんなァ…」
遺伝子レベルで身体の相性が良くて、尚且つ突発的なヒートの状態で、お相手さんはギャングのボスときた。
街のお巡りさんであるつぼ浦匠にとって、これ程までに災難な事はないだろう。
『ッ♡、っ、そこ、ッ…、さわんな、ン♡、っ、』
首の後ろを撫でるだけでガクガクと声が震え、抗いきれない本能が嬉しそうに顔を出す。
「……はぁ…。お前は危機感っつーもんが足りないな」
どサリとベッドに押し倒せば、つぼ浦は目を丸くしてひ弱な声を漏らす。
『゙っ、ッ…、なぁ、ヴァンダーマー、ッ、噛まねぇ、よな、?、』
「…てめぇが欲にまみれて懇願しなければ。噛まねぇでやるさ」
あまりにも無理難題な条件を押し付けて、ヴァンダーマーはつぼ浦の下半身に手を伸ばす。
手荒く脱がしたその下着にはもうじわりとシミができていて、ヴァンダーマーの身体を巡るアルファとしての血がグツグツと静かにたぎった。
『゙ぅぅ♡、っ、ッ♡、ッふ、゙ッ♡、ぁっ、やだ、やだやだやだ゙っ、゙やッ、ッ〜〜〜゙っ♡♡ッ、』
肉壁をぐちゃぐちゃと掻き乱す音が小さく響き、つぼ浦は何度目かの絶頂を迎える。
まだ挿入すらしていないのにも関わらず、ヴァンダーマーは有言実行とでも言うかのようにつぼ浦の身体をグズグズに溶かして、快楽に蝕まれ続けるその様子を楽しげに眺める。
『はぁッ♡、はぁッ♡、ッ、゙ぁ〜もうやだ、゙ぃッ、やだって、おく、♡ッ、寂しいのに、゙っ、またイ゙クっ♡♡ッ、〜〜〜ッ♡、っ、っ(泣)、』
こぷりと半透明な液が溢れて、つぼ浦の身体がカクカクと震えた。
『はーっ♡、はーッ♡、っ、なか、ッ(泣)、中に欲しい、っ、ヴァンダーマー、なか入れて、ッ頼むから、』
初めてヒートになった時、初めて無理やり犯された時は…こんなにも丁寧に解されなかったし、こんなにも焦らされる事はなかった。
全てが棒に振られるかのような絶望的な状況の中で、ただただ快楽を求めることしか出来ない自分が怖かった。
『入れるだけ、中、出さないで、♡っ、セックス、するだけ、っ、たのむ、』
「はぁ…それはそれはご丁寧に。そんなもの当たり前だろう。それともなんだ?、てめぇの許可無しに出された事があるのか?」
丁寧にコンドームを取り付けたその姿を見届けて、つぼ浦はコクリと静かに頷く。
「……は〜…絶句だな。その様子じゃあ随分と手荒く抱かれた記憶が残っているんだろう?」
アルファを求める欲と恐怖が織り交ざって、つぼ浦はまた小さく身体を震わせる。
「はは(笑)…、小動物みたいに震えて…まぁ心配するな。オメガの身体はなァ、こうしてグズグズに解しちまえば、、ン゙ッ、ッほら(笑)…痛くはねぇだろう?」
太ももの裏をしっかりと押さえつけて、丸まったその身体にズプリッ♡♡と一気に竿を押し入れる。
最大限に密着したその身体はガクガクと震えて、つぼ浦の喉元からは“かひゅっ♡”という異音が溢れ出た。
『ッ〜〜〜゙ッ♡♡♡っ、っは♡ッ…?、はっ、はっ、ッ♡、?、』
バチバチと流れてきた快楽に頭の処理が追いつかず、つぼ浦はぎゅーっとシーツを握りしめてあまりにも熱い息を吐く。
「あーあー…、失禁までしやがって…。そんなに気持ちが良いか?」
ヴァンダーマーが面白げにゆっくりと肉棒を抜いて…またばちゅり♡ッと奥に押し付ければ、その目はカクンッと白目を向いて、また二人の視線は交わった。
「あぁ、良さそうだな」
『゙ン゙ぁっ♡、゙ぁ、ぁ、♡♡ッ、゙おッ、ぉっ♡、゙ぉぉ♡♡、ッぉ…♡、ぉは、゙ぁ〜♡…ッ〜〜〜♡♡、』
どちゅどちゅ♡♡と叩きつけられる熱が思考を歪ませて、無意識に言葉が溢れ出る。
『゙っ、すき、゙ぁ♡♡っ、゙ン、ッすき、すきすきッ、すきッ、っ(泣)、すき、すきだ、っ、すき、』
「っは(笑)、馬鹿言え。テメェが好きなのは儂の身体だ。そうなるように出来てんだ。…だがまぁ、それをまた他のクズに囁くと思うと、、気分は悪い」
激しかったストロークをゆっくりとして、ヴァンダーマーはつぼ浦の手首をぎゅっと握りしめる。
そのまま崩れるように手のひらを恋人繋ぎで拘束し、全体重をつぼ浦に押し付けた。
「はー…♡、っ、あぁ。好きか?、つぼ浦」
奥の奥にごちゅり…♡♡と亀頭が当たり、つぼ浦は目元をチカチカとさせながらその言葉に反応して頷く。
「だろうなァ。運命の番っつーもんは、どれをとっても相性がすこぶる良い。だから、てめぇがどんなに嫌がっても、否定をしても、番になる準備が整っちまえば…、全てが一瞬にして崩れる」
“さぁ、はじめようか”
ヴァンダーマーの酷く熱を持ったその声が、つぼ浦の耳元でうっとりと放たれた。
グズグズに溶かしたその身体を抱き上げて、つぼ浦の顔はぼすりと枕に押し付けられる。
うつ伏せになった身体を撫でればへこへこと腰が浮いて、ぷはりと顔を上げたその口元からは悲痛な声が漏れていた。
『っは、はっ♡、はっ♡、ッ、すき…、すき、?、♡、ッ♡♡、ヴァンダーマー、っ、おれ、こわい、これ、怖い、』
自分の意志とは異なる思考が優先され、ぐちゃぐちゃな頭の中で否定的な言葉が押し潰されている。
「…可哀想になぁ。入れるぞ」
ぴったりと張り付いたゴムを確認して、そのままもう一度つぼ浦の身体にずぷずぷ♡と肉棒を押し入れるヴァンダーマー。
熱く息を吐いてから覆い被さるようにつぼ浦を抱きしめて、その褐色な肌に赤い花を何度も咲かせる。
『゙ぁ、ぁ〜…、っ、ぁ、はいって、きた、♡、っ、(泣)、こわい、ッ♡、゙ん♡、ン、きもち、゙ぃ♡、』
「そいつは良かったなァ。…あぁ、ここにも俺の証を付けたら、もっと気持ちがよくなるぞ?」
汗ばんだうなじにちゅっと軽く吸い付いて、つぼ浦の様子を静かに伺う。
『っ、はっ…♡、はっ…♡、ッ、か、噛んで、ほしい、ッ、゙ぅ(泣)、ちがう、噛まないで、かまないでくれ(泣)、たのむ、噛まないで(泣)、やだ、嫌だ、』
身体と心が分離して、つぼ浦はポロポロと涙を流しながら懇願する。
「…何が嫌なのか、はっきりと口で言え」
低い声とは裏腹に柄にもなくクシャりと頭を撫でれば、つぼ浦は震えた声で言葉を紡いだ。
『っ、(泣)、ぜんぶ、ぜんぶ奪われちまう、からだも、心も、ッ♡、ぜんぶ、奪われて、ゴミみてぇに、捨てられるんだ、』
身体の関係を持ってしまえば、人権なんてあったもんじゃない。
自由を掲げる特殊刑事課の定位置も、番になったら相手の気分次第でガラリと人生が変わる。
昔のたった一度の出来事…強制的にぶち犯されて、やることやったら冷たい床に置き捨てられたあの感覚を、今でもずっと覚えている。
『俺はオメガだから、ッ、、アンタには、勝てねぇんだよ、ッ♡、っ、俺の全部を奪って、おれは、また、』
思い出したくもない記憶が脳裏を過ぎり、作った握りこぶしはギリギリと震える。
「はぁー……、…ははは(笑)、てめぇ、どこぞの馬の骨かも分からねぇ野郎と比べた結果がそれか?」
トンっ♡と軽く腰を打ち付ければ、つぼ浦の身体からカクンッと力が抜ける。
『ンっ♡、っ、』
「じゃああれか?、儂がてめぇに好きだなんだと愛をほざけば安心するんか?」
『゙っ、ちげぇ、俺が言いたいのは、』
「自由を奪われんのが嫌なんだろう?、今まで努力してきた全てが水の泡になる。…なァ、儂がてめぇの人生にとやかく口を出す男だと思っているのか?」
『おもって、ねぇ、けど…、っ、でも、ッ♡♡、耳、やめろ、っ♡、ン♡、』
柔く耳を噛んでキスを落とし、ヴァンダーマーは余裕たっぷりに言葉を返す。
「はぁ…。いいか?、つぼ浦。トラウマは塗り替えていつの間にか克服するもんだ。逃げ腰になっちまう気持ちも分からなくはねぇが…、腹括って、儂のものになれ」
『っ、ッ、っ、でも、しんじ、きれねぇぜ、だって、(泣)、だって、』
子どものような否定文しか出てこないつぼ浦をあやすようにまた撫でて、そうしてうなじに口元を寄せる。
『っひ、ぇ、ぁ、なぁ、ヴァンダーマー、』
「大丈夫だつぼ浦…、儂はちゃんとてめぇを愛してやるし、てめぇの自由も奪わねぇ。…あとは、お前の了承を得るだけだ」
ゆっくりと打ち付けられる熱がじれったいほどにつぼ浦の心を締め付けて、不安や恐怖の心がときほぐされて行く。
『っ♡、ッ♡、ンっ…♡、ッ、っ、ぁ、ッ♡、くっそ、♡♡、うそつき、ッ…♡、っ(泣)…♡♡、ッ、』
大きな手のひらで頭を撫でられて、つぼ浦の神経がゆるゆると絆されて行く。
羞恥と喜びが途端にぶわりと込み上げてきて、つぼ浦は震えた声で呟いた。
『っ…♡♡、っ、゙ッもう、わかった、っ、わかった、から、♡、…噛んで、くれ、ッ♡、裏切ったら、(泣)、ぶっ殺す、、』
「…あぁ。勝手にしろ」
根負けしたつぼ浦のうなじをよく見定めてから口を開き、ヴァンダーマーはその流れで”がぷり♡♡ッ”とつぼ浦の肌に歯を食い込ませた。
『ぃ、゙ぁ、やばい、くる ッ゙ぅ、っ〜〜〜♡♡♡♡ッ、』
噛み付かれた場所から一瞬にして熱が広がり、ゆるく打ち付けられている快感がとんでもなく気持ち良い。
『゙いぐッ♡♡、ッ〜〜っ♡♡、゙いぐ、ッ♡、゙あぁ♡、っ、゙ぁ〜…♡♡、っ、ッ…♡♡、』
たっぷりと時間をとって丁寧に作られたその印からは、じんわりと血が滲んで痛々しく赤みを帯びていた。
「っはー…♡、はぁ、はは(笑)。よく似合ってるぞ…、つぼ浦」
『うるせぇ、ッ、゙ぁっ♡♡、だめ、ッ、だめだめッ♡、つ、つよいの、ッ♡、、ごめんなさッ(泣)♡♡、〜〜っ♡(泣)、っふ…、っは、はっ、はっ、けほけほっ、はっ…♡、は…っ♡、』
クタクタなその身体を仰向けにして、ヴァンダーマーはペットボトルをおもむろに取り出す。
「飲めるか?」
『、の、のめる、ッ、ちょ、飲めるって、ンっ、゙んン、ンく…ッ、っ、ン、ッ…っは、』
口移しで渡された水分がコクリと喉を通れば、つぼ浦は息も絶え絶えに目の前の男をジト目で睨みつける。
「ン…。っは(笑)、睨みつけるなクソガキ。愛情表現だろう?、労りってやつだ」
“まだまだ夜は長い…”そんな言葉にどきりと胸が高鳴ってしまって、つぼ浦は不意にそっぽを向く。
「ヒートが落ち着くまで付き合ってやるさ。心配するな」
ヴァンダーマーの甘い言葉の通り、その夜はとてもとても長く、そしてなにより熱かった。
「ぉお〜!、匠!、その車かっこいいなぁ〜!」
『ん。あぁ、かっけぇだろ。そのうち色も変える予定だ』
本署の駐車場にポンっと現れた車を眺めて、オルカ・トヴォロはちょろちょろとつぼ浦の周りと車の周りを行ったり来たりと歩き回る。
『なんだなんだ?、言っておくが高級車はお呼びじゃねぇぞ?』
高級車ディーラーでもあるオルカの巧みな口車には乗せられまいと、つぼ浦は初手からズバッと断言した。
『俺は買わん!』
「も〜。買うかなんて今は聞いてないだろ?」
『今はな?』
「むーっ…。ふふん。まぁいいぞ!、オルカはとにかく嬉しいんだ!」
『?、何がだ?』
「匠が優しいつがいと結ばングッ…、」
オルカが最後までパーッと言い切る前に、つぼ浦がその口を勢いよく片手で塞ぐ。
『待てまてまてまてッ、はぁ?、いや…はぁ?、』
ヴァンダーマーと番になってからもう半年は過ぎていて、うなじの噛み跡は一生モノだが速攻タトューショップにてバレにくい刺青を刻んだ。
脱げばあっちこっちに刺青がある為、そこまで気にする署員もいないはずだ。
『つーかお前、俺がオメガだって知ってたのか?』
聞かれたらのらりくらりと話を逸らしていた第二の性について、つぼ浦はピクピクと眉を寄せながらも問いかける。
「ん。んんーッ!、ぷはっ、お前ーっ!、レディになんてことするんだ〜!、」
『いいから答えろってどこで知ったんだそれ』
割とマジめに問いかければ、オルカは首を傾げて答えを述べる。
「?、だってオルカ、…あ〜アルファだし!、最初から匂いで分かってたぞ!」
少しだけ濁した言葉にはまぁ嘘は無いと長年の関係で理解しつつ、仕方なくそれ以上の問い詰めはよしてやる。
『へぇ〜…まぁそうか。そんなら納得だが…まぁでも俺に番ができたって事とか、…オメガって事とかは、、表立って言わないでくれ』
「?、どうしてだ?、別に悪い事じゃないぞ?」
今の時代に、ましてやこの街にオメガやなんだと偏見を持つ人間はそうそう居ない。
『分かっちゃいるんだがなァ〜。…もうちょっとだけ、自分に自信をつけたいんだ』
「ん。その為には言わない方がいいんだな?」
『おう。そういう事だ』
オルカは素直に頷いて、またコロコロと楽しげに話を変えては途端に業務が忙しくなってその場を後にする。
『……ん。…ンじゃあ、電話かけるかな…』
掛けた先は見慣れた番号の男で、“今すぐレギオン”と端的に述べてから新車を爆速で走らせる。
到着してから五分が過ぎて、十分が過ぎて、そろそろ眠気が来たなぁと思い始めた頃に…コンコンッと窓を叩かれてぱちんと意識が覚醒した。
『んあ?、…あ』
無言で助手席に乗り込んできたその男はヴァンダーマーで、つぼ浦は少しだけ無意識に口角を上げる。
『ようヴァンダーマー。何の用だ?』
「てめぇが呼び出したんだろうが。さっさと要件を言え」
『たは(笑)。あぁそうだなァ、ンー…あぁ、そういやこの車、アンタを捕まえた金で買った』
しばらく無言の時が流れて、ヴァンダーマーは長く長くため息を吐いてからジロリと横目でつぼ浦を睨む。
「毎月毎月呼び出しては指名手配で金取りやがって。そろそろ海に沈めてやろうか?」
『毎週じゃねぇんだからいいだろ?』
「良くねぇわ。…ったく…、」
真新しい匂いのする車内に最速で煙草の匂いを充満させて、ヴァンダーマーは口内に含んだその煙をふぅーっとつぼ浦に吹きかける。
『けほけほっ、ッおいてめぇ、匂いが移るだろ、』
「くはは(笑)、はぁー…ガキだなァお前は」
顔に煙草を吹きかける意味すらも分からない男と番になって、それでもヴァンダーマーは仕方なさげにため息を漏らすだけ。
『…、別れる気になったか?』
「ならねぇよ馬鹿が。毎月聞くなうざってェ」
忘れた頃に電話をして、茶々を入れて、子どものように試し行動をずっと続けている。
「それで言うなら、てめぇもそろそろ信じる気になったか?」
『っ、ッ…、』
握りしめる拳が痛そうで、ヴァンダーマーはその手に自身の指をねじ込んでからぎゅっと強めに絡めとった。
「まぁなんだっていいさ。…で?、要件はなんだ?」
またいつもの流れで枷をつけられ、そのままここで切符を切られるか刑務所にぶち込まれるかの二択を選ばされるのだろうと思いふける。
『、…、……、腹、空かねぇか?』
「゙あ?」
『そろそろ、飯の時間だなぁーって…な、』
握った手をチラリと見れば、その褐色な指先は震えていて…しかし拒絶している訳でもないらしいと気がつく。
『…もう少し、…一緒に、、どうだ?、』
「………、ッ、ふ(笑)、」
『゙あ?、なんだよ殺るか?、』
ころりと変わったその表情にゆるゆると首を振って、ヴァンダーマーは二つ返事で“行こう”と呟く。
「ッ(笑)……ふぅ…。どこに行くんだ?」
『そりゃバーガーだろ。拒否権はないぜ?』
「どこだっていい。お前の行きたい所へ行け」
『おう、そうさせて貰うぜ。いやー腹減った。マジで腹減ったなぁ〜』
ゆるりと離れたその手をハンドルに移して、つぼ浦はアクセルを踏み込む。
「はぁー…。実に面白いなァお前は」
『゙あ?、褒めてんのか?』
「あぁ。褒めている。冗談抜きでだ」
『、…そうかよ。ならいいぜ』
初めての引き止めが昼食へのお誘いだ。
まだまだ先は長いが、まぁそれでも良いかと…優秀なアルファはその先の未来に思いを巡らせた。
運命なんて、[完]