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「今日は暖かいね。」
ふと君に話しかける。
隣の君は喋らない。
「明日は逆にすごく冷え込むんだって。」
続けて話す。
そこにある赤は応えない。
「そういえば、新しくスイーツのお店ができたんだって。君ならケーキ3つくらいなら余裕でしょ?」
少し笑って話し続ける。
風に揺れるそれはこちらを見向きもしない。
「….ねぇ….僕はまだ信じてないよ。」
まだ認めない、認めたくない。
往生際が悪いのは重々承知している。
答えない君は姿すら見えない。
3月後半の赤が風に靡くだけ。
「わかってるよ、本当は。」
そう、わかっている。
「もう、やんなっちゃうね。」
呆れてしまうほど。
「今は、まだ。」
我慢するには陽が温すぎる。
この温度のない炎を持ち去って仕舞えば、この気持ちは薄れるのだろうか。
「なんてね。」