この作品はいかがでしたか?
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続きです
轟との試合後、僕は彼を俵担ぎにして保健室に向かった。保健室の扉を開けると雄英高校の保険医のリカバリーガールの指示にしたがい彼をベットに下ろした。
リカバリー ふぅ…とりあえず直に目を醒ますよ…
リカバリーガールは丸椅子を僕に渡してきた。彼女は敵である僕を警戒しない。その理由を僕は知らない。
リカバリー …歳を取ると目を見るだけでわかっちまうんだよ…
緑 …は?何を…
轟 う…ここは…?
リカバリーガールに訪ねようとしたが運悪く轟が目を醒ましてしまった。彼はまだ完璧には目覚めておらずボーッとしていた。すると僕を視界に捉えるとハッと我に反ったようにベットから飛び降りて僕の胸ぐらを掴んだ。
轟 てめぇ!!母さんに手ぇ出してねぇな!?
リカバリー よさないかい!あんたを保健室に連れてきたのはこの子だよ。あんたが起きるまでずっとここにいた。私が証人だよ
リカバリーガールから事情を聴くと彼は僕の胸ぐらをはなしてベットに腰を下ろした。だが彼の顔は複雑そうな表情をしていた。
緑 …ごめん。元々君のお母さんを殺す気はなかったんだ
轟 えっ…?
僕はジャージのポケットに忍ばせていた茶封筒を彼に渡した。
緑 ごめん。手紙、勝手に読んだ。君の兄からもらった
・・・
その手紙は轟の母が彼に宛てに書いたものだった。読んでしまった手前渡さなければないと思い彼が目覚めるのを待っていた。僕は彼に「君のお母さんからだよ」と言って彼に茶封筒を渡した。彼は一瞬難しい表情をしていたが意を決して茶封筒を開けて手紙を読み始めた。
・・・・・・・・・・
手紙の内容は彼にしたことに対しての謝罪がかかれていた。エンデヴァーの虐待染みた特訓を止められなかったこと。彼に熱湯を浴びせ大火傷を追わせてしまった事が書かれていた。
緑 …少なくとも、君のお母さんは君を憎んだりしていない…君は愛されている。何より最後の文章を読めばそれがわかる。
轟 お…お母…さん…ポロポロッ
“貴方の同級生の父兄の方に聞きました。体育祭頑張って下さい。なりたい自分になってください。私は貴方を逢えずとも応援しています
母より
緑 …少しだけ…君が羨ましいよ。君は母に愛されている。僕は愛されなかった。これは余計なお節介だが、一度会いに行ったら?きっと会いたがってると思う
僕は椅子から立ち上がり保健室の扉に手をかけた。出る間際に轟の方に向き直り「プライドを捨てて個性(左側)を使った時の君は紛れもなくヒーローだった。僕が出会った中で君は一番ヒーローらしかった」といって廊下に出た。コツコツと歩く事が通路に響く。僕はなぜ轟にあんなことを言ったのか解らないでいた。敵になり得るであろう彼になぜあんなことをしたのか。
・・・・・・・・・・・・・
トーナメント戦も終盤に差し掛かってきた。遂にベスト4が出揃い、準決勝第一試合が始まろうとしていた。ここまで勝ち上がってきたのは僕と飯田、常闇、爆豪の四名だ。そしてぼくの相手は『クソ真面目』な飯田だ。だが彼とは戦わなくていいのだ。
マ 遂に出揃ったベスト4こっからも熱い戦いを御届けするぜぇぇぇ!!!まずは準決勝第一試合!緑谷出久VS飯田天哉!READDDDDDYY START!!
飯田は『個性』を使用して僕を目掛けて突っ込んできた。僕も『脚力強化』の個性を使用して応戦する。時計を見てピタッと止まると彼も止まった。
緑 ねぇ…委員長くんよ…君僕と遊んでてもいいの?
飯 何をいっているだ!試合中に!
僕はモニターを操作するリモコンを勝手に持ち出してポケットにしまっておいた。それを使用してモニターをTVのニュースに変えた。
速報です!東京都保須市に現れたヒーロー殺しステインによりターボヒーローインゲニウムが市内にある病院に意識不明の重症の状態で緊急搬送されました。
飯 そ、そんな…に、兄さん…
彼の兄は東京に事務所を構える有名ヒーロー「インゲニウム」であり彼も心から尊敬し、いつか兄のようなヒーローになる事が将来の夢としている。
その兄がヒーロー殺し・ステインに襲われたのだ。気が気ではない筈だ。僕は更に彼を追い詰める。
緑 ステインはこれまでに17人を殺害・23人を再起不能に追い込んでいる。早く会いに行ってあげたら?もしかったらこのまま死んじゃうかもよ?いいの?君、お兄さんを尊敬しているんだろ?ニヤッ
飯 くっ…ミッドナイト先生!棄権します!すみませんが失礼致します!
ミ 事情が事情なだけに仕方ないわね…飯田くんの棄権により決勝戦進出緑谷出久!
遂に決勝戦まで勝ち上がってきた。
最後の相手は勿論君だよね…かっちゃん…僕を殺したもう一人のヒーローよ…
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