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ふわっ……

ふと見てしまった彼の真っ白な翼。非常に大きくて美しくて……見惚れてしまっていた。

「銀さん……?」

彼____銀さんは少し驚いたような顔をしてこちらを振り返り、ふわりと微笑む。

「……先生、どうしたんですか?」

「……その……翼……」

そう言うと銀さんは少し恥ずかしそうに笑い自分の翼に触れる。

「ああ、これですか?生まれつきですよ」

【生まれつき】

その言葉がどれだけ自分に重くのし掛かっただろう。一際風が強く吹き桜の花弁が視界を覆う。次に目を開けた時そこにもう銀さんは居なかった。


「銀さんっ……!」


ガバッ!

すまない先生は跳ね起きた。

「……夢……か……」

全身から力が抜ける。

「……なんだ……びっくりしたじゃないか……」

夢と分かって安心したが、最初のシュチュエーションは銀さんが初めてローブを脱いだところを見た時と全く同じだった。今でこそ隠さず翼を出している(ローブでも隠せなくなっただけだ)が、初めて会った時はすまない先生と同じようにローブを羽織っており、決して脱ぐ事は無かった。非常に暑そうなので理由を聞くといつも

『少し肌が弱くて日焼けが気になるので……』

なんて事を言っていたが。

「まぁ、見た目がアレだから……イジメも受けたみたいだし、コンプレックスにもなったんだろうね」

自分の背中にも全く同じものが生えているのを見て自嘲気味に笑う。

「行くか……」

いつも通りの青いローブを羽織って学校へ向かった。

(僕も大概だね……)


「おはよう!すまなーい!!」

「おいーーっ!?なんで毎度ドア破壊するんですか!?治すの俺なんですよ!?」

純白の翼を持つ彼が僕に突っ込む。しかし、幾度となく繰り返して来たこのやりとりさえもいつまで続くか分からない。薄い氷の上に成り立った日常に組み込まれたルーティンの一つだ。先天性の天使病を患った人は平均して10代半ばから後半の内に命を落とす事が多い。それが衰弱であれ、なんであれ。その僅か20年弱が、天使病に罹った直後の平均余命でもある。すまない先生自身もどれだけ長く見積もっても余命まで残り10年を切ったのだが、銀さんに残された時間は更に少ない。もう5年も残っていないだろう。いつ命を落としてもおかしくないのだ。

(あー、もうやめやめ。暗い事ばっかり考えるのも良くない!切り替えよう!)

そして、すまないスクール3年B組で天使病を語るにおいてもう1人欠かせない人物が居る。それこそが3人目の天使病であるミスターブルーだ。後天性の天使病だが生来の小柄さ故か衰弱は他の人より早いんだとか。だが彼自身はそんな事を微塵も伺わせずに兄を引っ張って登校する事もしばしば。どうやら今日は遅刻していないようだ。

「よし、じゃあ授業始めるよー」

絶対にバレてはいけない僕の奇病。

隠し通して過ごし続けるこの日常が、

僕にとってのすまないスクールの日常だ。

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