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今まで塗りつぶされていたのは国の名前だけだったが、最後の1文は、殆どが塗りつぶされていた。
しかし、ぼんじゅうるにはその文が全て読めたように感じた。
「王子たちは、争いの戒めを伝えるため、今も双子としてこの世に生まれ、輪廻転生を続け世界を守っているのです。」
…双子。
黒髪に緑色の目をした子と銀髪で青い目をした子の双子。
ぼんじゅうるはよく知る、あの教え子の顔を思い浮かべる。
おんりーちゃんと、おらふくん。
まさか…ね。
呟きながら本を閉じた。
いくつかの話が収録されているようで、まだ沢山ページが残っている。
しかし、好奇心に蓋をして、本を閉じた。
この本は、神が創ったもので、この世界の不思議を1部分だけ見せてくれるものである…。
そう感じたのだ。この先の物語は読まない方が良い。
直感がそう言っていた。
まさか、ね。(笑)
もう一度、声に出す。
その “まさか” で世界が成り立っていることを知ることができた。確認できた。
「ドズルシャ寓話」。神が創った物語であり史実。
その事実だけで充分だ。
黄昏時はすでに終わり、月が主役の時間になった。
この日曜日が過ぎて、双子の王子に会うことを楽しみにしながら、ぼんじゅうるは家に帰る。
寓話は、閉じられた…。
ーーーー__End…__ーーーー