⚠️注意⚠️
弐十×弐十の魔境です
Rです
急展開あほえろです
前編です
変なところで終わります
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いつも通りの部屋、いつも通りの服装で、いつも通りの時間に配信をつけ、そして終了した。煙草を1本吸い、冷蔵庫の中身も少なくなってきたのでとデコりにデコったクロックスを履き玄関の扉を開けた。その日はやけに日が強く、セミの声が響いていた。そんな真夏の朝、はしゃぎ騒ぐ子供達によくそんな元気に走り回れるなとある意味尊敬とも言える感情を持っていると、その中の数人がこちら方向に走ってきた。前をよく見ていなかったのか1人の男の子が俺にぶつかってしまい、その子の持っていたコップ?の中の液体が飛び出し俺の体にかかる。
「あ、大丈夫?」
「ごっ、ごめんなさい!!」
元より怒っていなかったのだが、このように立派に勢いよくお辞儀をされては叱れる人もいないだろう、大丈夫と笑いながら言っていると、何故こんなガラスを持って走っていたのだろうと純粋な疑問が頭に浮かんできた。
「そういえば、そのコップってどうしたの?」
俺が顔を傾げながら聞くとその子は慌てたように俺の方を向いた。
「あっ、えーっと、自由研究で…。」
自由研究、久しぶりに聞いたな、なんて他人事のように思う。朝顔の色つけとかするのかな?邪魔をしちゃ悪いと考え、俺は「頑張って」と声をかけ、その場を離れた。
その翌日、鳴り響く電子音で俺は意識を呼び覚ました。目をゴシゴシと擦りベットから身体を起こすと、そこにはクリーム色の髪に黄赤色の瞳を持った、よく見慣れた顔の、俺の目の前にいるはずのないニンゲンがいた。
「……え?俺?」
絞り出すようにそう言うと、目の前の男は気まづそうにゆっくりと頷いた。
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ええ、何この状況、こわあ…。はにゃにゃぁ?熊から逃げる時のように、ベッドの端に後ずさりしながらジッとそいつを見つめていると、そいつは相変わらず困ったように眉を歪めていた。
「あー、いやー、なんか知らないんだけど未来に来ちゃったらしくて」
「え、ドッキリ?VTuberの家に不法侵入とか野暮なこと…編集もめんd」
「マジなんだよ本当に!……てかぶいちゅーばーってなに?」
「……洒落にならないね、」
曖昧な記憶を辿るに相手の俺は恐らく100歳くらい、どうしたものかと宙を仰ぐ。何故こんなことに、なんて考えていると昨日の記憶が蘇ってきた。
「もしかして…あの自由研究、?」
「え、何?」
頭にクエスチョンマークを浮かべたもう一人の俺に昨日の出来事を説明すると、ソイツは納得した様子で反応した後、またうーんと唸り始めた。
「対処法とかその男の子に聞けないの?ガキなんて年中外ではしゃぎ回ってるもんじゃん」
「いやー最近のガキはそうはいかないよ、まあ一応前いた場所に行ってみよっか」
その時、玄関からピンポーンとチャイムの音が聞こえてきた。もう1人の俺を遠くの部屋に隠れるよう指示した後、駆け足で玄関へと向かう。宅配は呼んでいないし誰が来たのだろうと考えながらドアノブに手をかける。はーい、と扉を開けると、そこには昨日見た自由研究少年が気まづそうな顔をして立っていた。
「あ、昨日の…なんで俺の家知ってるの?」
「えっと、あの後大事な事を思い出して、追いかけたんですけどちょうど家の中に入っちゃってて、、えっと、」
妙に歯切れが悪いな、なんて思いながら無言で頷く、今にも泣き出しそうな少年に申し訳無いような気持ちになり、心の中でファイトを送る。
「実は、昨日かけちゃったあの水、かけられると翌日昔の自分が召喚されてその自分とセックスしないと魔法が解けない不思議なお水なんです…!!」
「…ん?」
意味不明な事を喋りだした少年に頭の中が真っ白になる、前半まではまだ予測出来ていたが後半が全くと言っていいほど分からない。俺の心の中からはファイトの気持ちはすっかりと消えていた。
「ほ、本当に、す、すみませんでしたー!!」
少年はそう叫ぶと全速力で走り出し、あっという間に背中も見えなくなってしまった。呼び止めようともしたが配信で衰えに衰えた自分の足など信用出来ない。非現実的な今をどうしたものかと途方に暮れていると後ろから声をかけられる。
「えっ、なんだったの?」
振り向くと俺より少し背丈の低いソイツは最低最悪な現状も露知らず、キョトン顔で見つめてきた。しばらく目を合わせているとまるで鏡を見ているような感覚に陥ってゆく。久しぶりのセックスがコイツかあ、なんて現実逃避を含んだ場違いな感想が出てきた。適当に情報を共有するとコイツは今にも吐きそうな顔をして今日だけで何度目出したか分からない呻き声をあげる。ごちゃごちゃ言っても何にもならない、俺は覚悟を決めた。
「どっちが上いく?」
「急に切り替えるなよ、いやーそりゃ俺なんじゃない?」
「いや多分俺の方が経験豊富だしさ」
「あーまあそうなんだけどね?」
「なら俺上ね」
「は?」
無駄にテンポの良いかけ合いは俺のキスにより途切れた。正直に言ってキスなんて全くしたくなかったが、このまま俺が抱かれるかコイツにキスするかを天秤にかけてみた所、余裕でキスの方に傾いたのである。
鼻で控えめに息をしながら上顎を舌で軽くなでるとこいつの体は控えめに揺れた。歯列をなぞるように舐めたり、わざと水音が出るように舌を転がせたり、今までの経験で得たスキルを寄せ集めながらコイツを落とすのに集中する。
「は、ふ……んぅ」
鼻の抜けるような甘い声を自分とほとんど同じ姿の他人が出している状況に大きな違和感を抱く。1度口を離し、零れた唾液を犬の様に舐め取ったらまた互いの口を合わせ直した。目の前に広がる淫猥な光景に、自分のハメ撮りを見せられてるみたいだなんて気持ち悪い感想を持ってしまう。
「はぁ、…ん」
「もうトロトロじゃん」
こういうことには慣れていないのだろう。目の前の男はすっかり翻弄され目は砂糖を溶かしたように甘く、とろんとしていた。
コメント
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今夜は良く眠れそうです。 ありがとうございます。