テラーノベル
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〜side叶〜
リビングでPCを弄りながらハイボールを飲んでいる
仕事の返信とスケジュールの確認だ
『‥‥‥』
『‥‥———!‥‥‥』
微かに部屋に響く声
それでもキーボードを打つ手は止めない
「アイツ‥‥めっちゃロウの事泣かせるじゃん」
PCを閉じ眼鏡を外す
飲み終えたグラスをキッチンへ片し、ベランダへ出た
熱い空気が頬を掠める
手すりへと背を預けて月を見上げる
もう少しで夜明けだ
「あーぁ、ホント俺って馬鹿。天邪鬼なんだから」
本当は独り占めしたかった
なのに、自分の気持ちが他人に知られていたと言う焦り
いらない強がり
そして少しの興味
NTRって少し興味があったりして‥‥
でもやっぱりそんなのどうでもいいくらい自分のものにしたかったかも‥‥
ぼんやりそんなことを考えていると、エビオがベランダの入口まで来ていた
「お、どうしたぁ?」
「叶さん‥俺帰らなくちゃいけなくなって。マネからLINE来てさ、準備とかあって‥‥それで小柳が‥‥‥」
「あぁ、OK。後は任せてよ」
「本当にごめんなさい、じゃ帰ります!」
玄関まで見送るとロウのいる部屋へ向かう
扉を開けると真っ白なシーツの中にロウが寝ている
とてもスヤスヤとは言い難い、疲れ切った顔で寝ている
サイドテーブルには、隣のバスルームから持ってきたであろうお湯の入った桶とタオルが置いてあった
ベッドの横に座り、ロウの乱れた髪を手で掻き上げる
陶器のような白い肌
白すぎて少し怖いくらい
もしかしたら体調が良くないのかもしれない
傷付いてる所があるのかもしれない
そう思い、僕はシーツに手を掛けた
「‥‥ロウ、ごめんね」
言いながらシーツをめくる
幸いな事に傷は無かったが、身体はタオルで拭くだけだは済まなそうだ
それでもロウが起きるまで新しいお湯とタオルを持って来て、ベッドサイドに座り直して拭き始めた
顔や首などを優しく拭う
「‥‥‥んっ‥」
「ロウ?」
「ん‥‥ぁ‥‥叶さ‥‥‥」
焦点の合わない瞳に笑いかける
不安にさせないように
「もう少ししたらさ、隣のバスルームまで行けそう?」
「あ、‥‥行けます」
僕から視線を外し、上体を起こし立ち上がろうとする
はだけた身体を気にしてシーツで隠そうとするロウを見て、急いでカゴの中にあったバスローブを肩からかけた
「‥‥ありがとうございます」
小さな声でそう言ったロウを気にしてないかのようにポンポンと肩をたたく
ヨロヨロと立ち上がるとふと動きを止めた
「ぁ‥‥‥」
何か起きたかは明らかだ
僕はロウの足元は見ないようにしながらバスルームへと促した
「先に入りな?僕も今行くから」
「あ、え?‥‥何で‥‥」
「バスローブのままで入って良いからね」
「あ、ハイ‥‥」
僕は腕捲りと髪の毛を固く結い直してロウの後に続いた
「浴槽は後から入るとして、先にシャワー済ませよう」
「いや、叶さん‥‥」
シャワーを出し、手元に置きながら僕は椅子に座った
「嫌だろうけど僕の方を向いてまたがって座れる?」
「‥‥‥‥」
絶望するようなロウの顔
みるみる青ざめていくようだった
「違うよ?そうじゃない。気持ち悪いだろ?そのまま中に入ったままじゃ」
「‥‥あ」
それでも僕の前に立ったままのロウはまだ考えているようだ
「1人じゃムリだよ。ほら、おいで」
ロウの手をツンツンと突き、指先を握った
拒絶されるかとも思ったが、ロウは素直に僕の前に来た
「こんな思いさせてごめんね。全部僕のせいだから。でも覚えておいて‥‥僕もエビオもロウが大好きだよ」
「‥‥‥」
僕の言葉は届いたのか、はたまた諦めたのか
ロウは静かに僕の脚の上に跨った
「ごめんね‥‥触るよ?」
「‥‥‥」
コクンとうなづくロウ
僕のシャツを握り締めながら顔を埋めている
バスローブをめくり、その場所に指を触れる
ピクッと身体を震わせながらも無抵抗でしがみついている
そこは熱を帯び少し腫れているようだ
後ろに置いてある桶にもう一度指を浸し、孔の中へゆっくりと入れていく
「痛かったら言ってね。直ぐに止めるから」
でも早く出してあげたくて直ぐに2本指で掻き出し始める
肩に顔を埋めたロウからくぐもった声が漏れ聞こえる
ゆっくりやっていてはロウだって生殺しだ
指で掻き出しては洗うを丁寧に急いでやらなければ
シャワーを出し、指で広げ少しずつ洗い出す
もう少し奥も出してあげないと‥‥
考え及ばず奥へと指を入れ、掻き出そうとしたその時、ロウの身体が大きく跳ねる
「‥‥やぁっ!そこ、ヤダっ!」
ギュッと背中まで手を回して抱きつかれる
「あ、ごめ‥‥ごめんごめん!もう少しだから!後ちょっと‥‥」
急いで描き出し何度も洗い流す
「も‥‥やっ‥‥やめ‥‥」
「終わったよ、終わったから‥‥」
ロウの背中を撫でながら彼のそこの異変を感じ取っている
「大丈夫、これは不可抗力だから。だからもう一度しがみついてて‥‥」
「やだ‥‥もぅ‥‥やぁっ、あっ!」
これは処置だから
そう何度も自分に言い聞かせ、ロウの大きくなったものを扱いていく
あの日から掠れきったロウの声が耳から離れない
その度に僕の体は疼く
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