テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
校舎の最奥。かつて音楽室だった場所は、
もはや原形を留めていなかった。
床には黒い紋様が走り、
天井からは不規則に光が垂れ下がる。
その中央に――
クレアが立っていた。
「……来たのね」
声は静かだ。
だが、その背後で、
異様な気配が蠢く。
「オリバー、ジップ、エドワード……」
ブルーミーが剣を構える。
「祓ったはずの邪を、
まだ使えるのか」
クレアは、 ゆっくりと腕を広げた。
「“邪”は消えても、
能力の残骸は残る」
床が割れる。
そこから現れたのは――
疑似ガーディアン。
脚は歪だが、
眼部は赤く光り、
明確な殺意を帯びている。
「……最悪の再利用だな」
リンクが低く言う。
疑似ガーディアンの動きが変わる。
アビーの邪――
空間干渉。
距離感が歪み、
踏み込んだはずの床が
一瞬で遠ざかる。
「くっ……!」
リンクが体勢を立て直す。
次に、
ジップの邪――
高速投擲。
紙飛行機状の刃が、
雨のように飛ぶ。
「後ろ、任せろ!」
スカルとタヴェルが同時に弓を放つ。
古代兵装・矢が、
飛行体を正確に撃ち落とす。
「エドワードの邪も来るぞ!」
エンゲルの声。
疑似ガーディアンの腕が伸び、
拘束しようとする。
「ルビー!」
リンクが叫ぶ。
「分かってる!」
炎が走り、
伸びたアームを焼き切る。
疑似ガーディアンが、
一斉に起動する。
赤い光線が、
校舎を貫く。
「散開!」
リンクの指示。
ブルーミーは、
正面から進む。
「女神の光よ――」
浄化の斬撃。
だが、
疑似ガーディアンは崩れない。
「……再生する!?」
「違う」
リンクが見抜く。
「制御されてる。
本体は――クレアだ」
「さすが」
クレアの背後で、
さらに紋様が増える。
「私は、
もう一人じゃない」
空間が歪み、
疑似ガーディアン同士が
連動を始める。
一体が撃てば、
別の一体が庇う。
「厄介すぎる……!」
バブルが歯噛みする。
「でも――」
リンクが、
剣を構え直す。
「連携て、 上書きできる」
「来るわ、全員構えて!」
リンクが前に出る。
ブルーミーが横に並ぶ。
「破壊と浄化、 同時に行く」
「了解」
ルビーが炎で視界を制圧。
エンゲルとチップが前線を支える。
スカルとタヴェルが、
眼部を正確に射抜く。
「今だ!」
リンクのラッシュ。
疑似ガーディアン一体を切断。
同時に、
ブルーミーの女神の光が
残骸を完全に消し去る。
「……!」
クレアの表情が歪む。
「一体ずつ、
確実に削る!」
連携が、 さらに加速する。
空間干渉が来れば、
スカルが軌道を読む。
拘束が来れば、
ルビーが焼き払う。
「……どうして……」
クレアの声が震え始める。
「前は……
誰も、こんな風に……!」
「今は違う」
ブルーミーが答える。
「お前は、
もう一人じゃない」
最後の疑似ガーディアンが、
大きく崩れる。
リンクが跳んだ。
「ハァッ!!」
核心を貫く一撃。
ブルーミーが、
同時に剣を振るう。
「還れ……!」
光が、
闇を上書きする。
疑似ガーディアンは、
完全に消滅した。
膝をつくクレア。
「……終わり……なの?」
リンクは、
剣を下ろさない。
だが、 敵意はない。
「終わらせる」
「壊すんじゃない」
ブルーミーが一歩前へ。
「救済は、 これからだ」
校舎に、
静寂が戻る。
決着は、
目前だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!