真 理 side ___ 帰り道
柊弥 )「 っ 、」
走っていく姿が見えた
誰なのかは遠くからでもはっきりと分かる
好きな人 、だから
埼城楼衣ちゃん 。
ショートカットで
可愛らしい見た目で
運動神経良くて
モテてて
雰囲気が人を寄せ付けるものがあって
いつも柊弥くんと一緒にいる女の子
「 それ 」を聞いたのは
少し前の事だった
「 埼城さんと柊弥くんって幼馴染なんだって ー 」
「 え 、まじ?
めっちゃお似合いじゃん! 」
「 勝ち目ないわぁ笑 」
幼馴染 … か
本当なのかな
その時私は思いついてしまったんだ
悪い方向へ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「 花染さん 、? 」
思えば 、話したのは初めてだなぁ
第一印象は「 いつも楽しそうな子 」だった
┈┈┈┈┈┈┈
それから柊弥くんの事をいくつか聞いて
幼馴染だと言うことが本当なのも分かった
「 じゃあお願いがあってぇ 」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
これで私も距離が縮まる気がしたの
別に楼衣ちゃんが嫌いなわけじゃない
むしろいい子だと思う
だけどどうしてもね
“ 嫉妬 ” しちゃうの
柊弥くんの1番になるためには
あの子をどうにかしなくちゃって
こんなことを考えて
行動した私は
その時点できっと
もう 「 主役 」にはなれないんだろう
楼衣 )「 、ごめん … やっぱり好き 泣 」
この言葉を聞いて確信した
あぁ 、もうダメなんだって
優しい子だから私の無茶苦茶なお願いも笑顔で聞いてくれた
分かってはいた
でももう 諦めきれなくて
ここまで来たらアタックしようって
その想いは儚く散った
「 … 俺も好き 」
「 … え 、? 」
「 ッ … 、」
楼衣ちゃんの手に入れた幸せと共に 。
だから
「 私の分まで幸せになってね 、笑 」
漫画にでも出てきそうな 綺麗事ばっかりの言葉
私が好きだった漫画
片想いで終わったあの女の子も
「 こんな気持ち 、だったのかな 泣 」
どうしようも無い感情がぐるぐると渦巻く
その後は走って家に帰った
あの場にいたら 、嫌なことばかり考えちゃうから
どうして私じゃないんだろうとか
立場が違ったらとか
嫉妬は怖い
愛は 時に残酷だ
皆の願いを叶えてくれるわけじゃないから 。
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