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早く手を打たないと助からないのは分かっている。
でも……どうやって洗脳を解く…?力に任せるか……駆け引きに出るか……。
今この瞬間だって、皆必死に戦っている。流さなくていい血が流れて、花月たちを傷つけないようにするために怪我を負っているやつもいる。
今僕にできることは何だ――――――
「……花月…覚えてる…?屋敷に来た時のこと。舞踏会で出会って最初は憐れな生贄の女の子としか思っていなかった。家族を殺されて、家を失って本当にかわいそうな子だと思っていた。それくらい、僕は何とも思っていなかったんだ。花月も全然僕たちのこと見てなかったよね。でも一緒に暮らし始めて、少しずつ氷が解けていくように表情が見えるようになって、花月の笑顔をたくさん見るようになって、僕たちは花月のこと…可愛いなって思うようになった。花月はいつも一生懸命で努力家で……でも甘えるのが苦手だから、劉磨とはすぐ言い合いしてた。聖とはすごく仲良くて少しヤキモチ妬いた。そういえば、テストで勝負したよね。僕が勝ったらデートしてもらうって言ったのに花月は嫌がって……でもデートしてくれた。名前で呼んでくれた。その後、大蛇族の3人と会って…攫われて…助けに来て…戻ってきたら花火をして……僕たちのこと…大好きって言ってくれた。あの時……初めて本当に心から花月を愛したいと……愛していると思った。でも僕は…劉磨みたいにカッコよくないし、聖みたいに紳士的でも強くもない。悠夜みたいな大人っぽさもないし、泰揮みたいに器用でもない。守ることもできなくて、いつも劣等感しかなくて……だけど……僕は……そんな自分を変えたいと思った。大切な子を守れるようになりたいと思った。花月が来てくれたおかげで、僕は強くなれたんだよ。僕と……僕たちと出会ってくれてありがとう。」
「ぐ……。」
「棗、どうした…?早く始末しろ。」
「う…あ……。」
突然頭を押さえ始める花月。苦しそうにうずくまる彼女を抱きしめる。
「僕たちを思い出して。たとえ、どんな花月だとしても僕たちはずっと愛しているよ。」
その言葉と同時に彼女の唇に静かに口づける。
僕たちの思いをすべて彼女に注ぎ込む。
最初は逃げようとしていた花月も徐々に大人しくなっていき、体から黒い気が出ていく。
「これは……浄化ですか…?」
「僕が誰だかわかる…?」
「か…なで……?」
「なぜだ……なぜ完全に支配できない。なぜ…そいつらの記憶があるのだ…?」
「花月が…僕たちを信じてくれているから。花月は…あんたなんかより僕たちのことを思ってくれる優しい子だから。だから…あんたなんかに花月を支配することはできない。」
「くっ……もういい、キズ。そいつらを殺せ。」
「はい。」
キズが僕たちに矛先を向ける。一歩一歩と近づいてくる。
「すべては…黒鬼院様のために……。」
花月を守るように力いっぱい抱きしめる。花月は絶対に僕が守る。
「やれ、キズ!」
しばらく待つが痛みも何も感じない。少しずつ目を開けると、柚の動きが止まっていた。
「キズ…どうしたのだ?」
柚の目は花月のポケットを見ていた。ポケットに何か入っているのか…?
「これは……。」