TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

生贄の花嫁~Lost girl~

一覧ページ

「生贄の花嫁~Lost girl~」のメインビジュアル

生贄の花嫁~Lost girl~

154 - 第20話 解かれた洗脳

♥

8

2025年03月30日

シェアするシェアする
報告する

柚が花月たちを斬ろうとしたとき、動きが止まった。奏も気づいたみたいで、花月のポケットに手を入れている。

 

「これは……。」

 

奏の手には、俺が花月に渡したロケットペンダントが握られていた。

 

「それ……は…。」

 

「あれって昔、柚ちゃんが劉磨クンに渡した……。」

 

「やめろ…やめろ…。」

 

柚の呼吸がどんどん荒くなっていく。あまりにもその光景は痛々しく、俺の足が柚の元へ向いた。

 

「柚…ごめんな。俺のせいでこんな体にしちまって。」

 

柚の体を優しく包み込む。懐かしい匂いと温かい感触。

 

「俺と契りなんて結ばなければ、柚にこんな思いをさせなくて済んだのに……本当にごめん。」

「劉…磨…?」

 

「ならん……キズ、わしに背くのか!?」

「ぐあ……。」

 

柚が大きくのけぞる。まだ黒鬼院に操られているのか……?

 

「柚、俺らのことをもっと思い出してくれ。」

「命令だ、殺せ!」

 

 

黒鬼院が声を荒げ叫ぶ。柚は俯きながら、沈黙を続けていた。

 

「…………。」

 

「聞いているのか、キズ!」

 

 

「……でき……ません。」

「何を言っているんだ、早くやれ。」

 

「私は……ずっと劉磨たちに復讐することだけを胸に生きてきました。それが真実だと思っていたから。」

「それがなんだ…。」

 

「でも違った……すべては貴方の手により塗り替えられていた。それをその子が教えてくれた。今更……皆が私のことを信じてくれるかは分からない。でも…私は皆を信じたい。」

 

「キズ……貴様、すべての記憶が戻ったのか…?」

 

「私はキズなんかじゃない。私の名前は立花柚(たちばなゆず)。もう、貴方なんかの下僕じゃない。」

 

「おのれ……。」

「許さない……人の記憶を…心を利用して。私はもう貴方を主だなんて思わない。私は貴方を倒す、この身に代えても。黒鬼院霧想。」

 

「貴様ぁ!」

 

「柚…。」

「昔みたいに……もう一緒にはいられない。でも……私は信じているから。だから……今だけは私を信じて…?」

 

 

「くそ!まだ下僕はいる。輝石、李仁、琉生、何が何でも殺せ!」

 

 

「ふう……やっと片付きましたね。」

「子供に手を上げるのは気が引けたが、こっちも終わった。」

 

「お主ら……まさか。」

 

「安心してちょうだい、殺してはいないわ。ただ……アナタとの契約を解いただけ。つまり、これでアナタの味方はいなくなったわね。」

 

「ふざ…けるな…。皆…わしのことを裏切りやがって。皆消えてしまえ!」

 

「柚、待て!」

 

柚が黒鬼院の元へと駆けていく。黒鬼院を倒す気か……?

 

「皆…最後にあえてよかった……ありがとう…」

生贄の花嫁~Lost girl~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

8

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚