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血液


2:日常



*…───…*


🎀「てか、類。下は履いた方がいいよ、?」


ぼー、と突っ立っていると、上しか着ていないことに、指摘されてしまった。この格好で外に出るワケでもない。それに瑞希たちしか見ていないのだから良いと思ったが、何か言われそうなのでやめておいた。きっと、怒られる原因なのだろう。


🎈「それじゃあ、履いてくるよ」


そう言い残し、自室へ向かう階段を上る。最近、というか中学2年生になった頃、奏たちと一緒に住み始めた。それは、まふゆ、瑞希、絵名と一緒の中学ということや、僕のせいで両親が死んだことを話せた唯一の友人ということ、同じ吸血鬼ということで住み始めた。それは、僕にとっては嬉しかった。住み始めるまでずっと、孤独な夜を過ごしていたから。住み始めたときは、僕のことをどう思っているのだろう、面倒と思われていないか、などと考えてしまっていたが、今考えると、その考えが馬鹿らしく思える。奏たちは、僕を誰よりも思ってくれている。きっと、一緒にいる時間が長かった寧々よりも。


🎈(ずぼん、何処にしまったかな、)


自分の部屋は、何処が踏み場か分からなくなるほどごちゃごちゃ引っ散らかっている。まふゆに見つかられたら、きっと片付けする羽目になるだろう。その前に片付けなければ。そんなことを毎回思っているが、中々行動に移せない。


🎈「そんなことより、ズボン探さなきゃ、」


クローゼットを開けて、服をずらしてズボンを探す。ただ生憎、長いズボンは洗濯に出しており、短いものしかなかった。仕方がないと思い、短いが履いてみる。だが、上の裾が長いため、ズボンを履いているのか、履いていないのか分からなくなってしまう。


🎈(まあ…、いっか、)


何も気にせず、そのまま階段を降りる。その際に、ふらふらしている奏を見つけたから、咄嗟に支えに入った。きっと作業で何日も寝ていないのだろう。注意しなければいけないが、僕自身もショーのことや、曲のことで徹夜してしまうので人のことが言えなく、奏に言われてしまう。奏だけではなく、瑞希やまふゆ、絵名にも。絵名と奏に言われるのは癪に障るが、事実なので毎回言い返していない。まあ、言い返したところで後悔するのは、自分なんだけれども。


🎼「う、…ありがとう。類」

🎈「うん、それよりも大丈夫…、? 徹夜も程々にしないとまた3人に説教されるけど…」

🎼「説教か…それじゃあ、類も一緒にされようね…?」

🎈「…やだ、。3人怒ると怖いんだもん、」

🎼「知ってるよ、。でも、あれ本気じゃな──」


その瞬間、奏の口がサイドテールをした瑞希に塞がれた。同時に僕の耳元でまふゆが「眠って、」と囁き、僕は驚きでその場に座り込んでしまった。耳元で囁かれたことでの恥ずかしさと、変な声を出してしまった恥ずかしさで、その場に入れなくなった。けれど、驚きで腰が抜けてしまい、動けなかった。眠って、と囁かれたけれど、眠ることが出来る恥ずかしさではなかった。


❄「類、大丈夫…? 」

🎀「まふゆー、やり過ぎなんじゃない?」

🎨「類、腰抜かしてるけど…立てる?」

🎈「わあ、ッ、ぅ、びっ、くりした…」

🎨「えっ、ちょ、そんな驚く…、?」

🎼「えっと、急に話しかけられたからね、」

❄「多分、絵名がミステリーツアーのとき、奏に驚いたくらいじゃない? 」

🎨「え、そんなに、? ごめん、類」

🎈「だい、じょぶ、」

🎀「全然大丈夫じゃなさそうだよー?」


瑞希には、図星を刺されてしまう。まふゆは、ミステリーツアーのときの絵名、と言っていたが、それ以上かもしれない。そんなに、大きな声が出るほどではないが、驚きはした。


🎀「類ってさ、怖がりだよねーっ!」

🎈「あ、ぇ…? っ、…ご、めん」

❄「類、そういう意味じゃないと思うけど…」

🎀「え!? まって、。類、ごめんねっ、そーゆーことじゃないんだよ!? ただ、驚いたり、怖がってる類もカワイイよねー、って!」

🎈「そ、なの…よかった、」

🎀「ごめんね…、」

🎈「大丈夫だよ、」

🎼「言い方で結構意味変わるね…」

🎨「…うん、でも瑞希の言いたいことは、わかるんだよね」

❄「うん、私もわかる気がする…」

🎼「わたしも、だな」


みんなから僕が怖がっても可愛いと肯定され、顔が赤くなっていくのがわかっていった。今すぐその場から逃げたくなるほどに、恥ずかしくなった。人から可愛いなんて奏たちか、ミクたちにしか言われたことがないから、まだ慣れていない。


🎈(少しは耐性、付けないと…)


🎀「わ、類顔赤い! カワイ〜っ!!」

🎨「ねえ、写真撮っていい、っ!? すっごく可愛いから!」

🎼「あ、絵名それ撮ったら、ナイトコードに貼ってくれる…?」

🎨「? なんでか、わかんないけど、うん。いいよ」

❄「類、首まで赤い…」

🎈「あぇ、みな、いで…」

🎀「っ、カワイすぎ!」

🎈「ね、まって、ホントに…ぼくが、もたないっ」


流石に限界がきて、軽くふらついてしまった。それでも、奏たちはやめてくれないため、言い訳をして抜け出すことにした。


🎈「僕、学校の準備してくるから、!!」

❄「あ、…私もしてくる…」

🎀「いってらっしゃーい」


そうして、また自室に戻るため、階段を上る。ズボンを履いてくるのではなくて、そのまま制服に着替えてしまえばよかった、と思った。


🎈(久しぶりかも、こんなミスするなんて、)


扉を開け、中に入る。いつもと変わらず、散らかっている部屋がある。


🎈「この生活に、浮かれてるのかな…」


と、扉を閉めずるずる、と扉の前で座り込んだ。本当に浮かれているのなら、さっき見たいに日常でミスをしてしまうかもしれない。


🎈(でも、もう少しだけこのままでいたいな、)

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