3,雨の音色は心の音色
ザーザー
渡:雨…
渡:今日は暇だな
蓮くん、今頃何してんだろ…
って!
俺何考えてんだよっ/
渡:あ゛ーもう!
最近おかしいしッ
あの日から
蓮くんのことを考えない日はないくらいだ
気がつけばメールを送ってしまう
でも、蓮くんはどんな時でも返信してくれる
渡メ:今何してる?
渡メ:(スタンプ)
目メ:暇してるよ
渡メ:ほんと!?じゃあ、今からちょっとカフェ行かね?
目メ:うん。いいよ
渡メ:じゃあ、あのバス停待ち合わせできる?
目メ:うん。じゃあまた後で
渡メ:おう
てな感じで、即興でお誘いしてもおーけーしてくれる
でも、その時の俺は毎回こう思う
うわ。また誘っちゃった
引かれてないかな…
流石に誘いすぎだよな〜
気をつけよ
渡:いってきまーす
辰:また蓮くん?もういい加減就職してよ??
渡:はいはい。お前もしろよ
辰:俺してます〜
渡:は、?してたっけ
辰:はぁぁ?俺ウエディングプランナーやってんだけど???
渡:ふーん、そ
渡:じゃね
ガチャ
辰:はぁ、いつになったら就職するんだか
渡:就職ねぇ
そう。俺は仕事をしていない
ピッタリの仕事がないからだ☆
渡:いい加減、探した方がいいのかも
俺はバス停に着くなり、スマホで就職先を探しながら、蓮くんを待つ
目:ごめんっ、お待たせ!
渡:蓮くん!大丈夫 全然待ってない!
目:嘘でしょ?笑
渡:ふは笑
まぁ、嘘ではあるんだけど、ほんとに待った気がしない
目:あ、バス来たね
渡:うん。乗るか
バス
渡:ね、蓮くんさ
目:?
渡:そんなに仕事休んでて大丈夫?
目:…うん!もう永遠に休みだよ♡
渡:…
多分 俺との花火を口実にして、仕事から逃げてきたな???!?
渡:辞めたんだね
目:え、どうしたの?
渡:俺今無職なの
目:?俺も
渡:笑
渡:あ、ついた
就職できるか不安だな
ザーザー
目:雨…強くなってきたね
渡:そう?さっきと一緒じゃない?
歩いてカフェを目指す
目:ううん。違うよ
渡:…?
目:音、が違うよ
音?
渡:そうなの?
目:うん。よく聞いてみて
言われるがままに音を聞いてみる
ザーザー
渡:…?
俺は思わず顔をしかめた
違いがわからない
目:あれ、わかんないか…
目:んふふっ
渡:何がおかしいんだよっ
目:なーんも。でも
目:俺は、雨の奏でる音色は、心の音色だと思ってる。
急に真剣な眼差しで見る彼に俺はドキッとした
渡:こ、心の音色?
目:うん
目:雨の音が強くなったりしたら、心は不安になる
目:心が不安になれば、雨は 強くなる
渡:…!
なんだろ…俺の中にあった不安が消えていくような気がした
なんで今このタイミングでこんな話をしたのか
君には俺の不安が見えてるの?
目:今、弱いでしょ?雨。そういう事
目:だから、降ってないのが1番だよ
目:少なくとも、俺の考えだけど笑
ほんとに、そんな気がしてきた
渡:俺の不安…雨には全部お見通しってこと?
目:そうだね笑
なんて素敵な人なんだろう
俺の不安も消してくれる
俺には、蓮くんが必要なんだ、
目:あ、ここ?かふぇ
渡:っあ、そう!『素のカフェ』だよ笑
カランコロン
店:2名様…ですね?お好きなお席へどうぞ
そう言われて、席につく
目:カフェ、久しぶりだね
渡:あー確かに。高校の時以来だもんな
渡:てか会ってない
目:連絡も取れなかったしね
そんな何気ない言葉を交わす
渡:ね、話していい?
目:ん?いいよ
渡:俺さ、いま無職って言ったじゃん?さっき
目:うん。そうだね?
渡:頑張って就職するから、蓮くんにもついてきて欲しい
目:…
嫌だったかな…?
目:いいよ。ちょうど俺も“今後のため”に、就職先探してたし
渡:ほんと?ありがとう!
渡:最初はバイト探す!!
目:うん笑 がんばれ
ほんとに優しいよね
俺なんかとこんなに遊んでてもいいの?
いつも甘えてばっかりじゃ、情けないよ
いつもありがとう。蓮くん
でも、“今後のため”ってどういうこと?
約束の花火まであと21日
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