カーテンの隙間から差し込む白い光に、薄く瞼を開く。
「、っ」
目覚めて最初に飛び込んで来た総一朗の顔に、驚きの声を上げそうになって、慌てて口を押さえた。
きっと起こしても構わないのだろうに、その健やかさに罪悪感が浮かぶ。
整えるように深呼吸すると、徐々に動悸が鳴り止んでいく。
「…………」
綺麗な寝顔だ、と思った。
久しぶりに見た気がするが、学生の頃とあまり変わらない気がする。
あの頃、彼と足繁く通った旧校舎の裏庭。
彼が“秘密基地”と呼んでいたその場所で、彼はいつも穏やかな寝息を立てていた。
浅く規則正しい呼吸が聞こえると、何故か誘われて私も眠くなる。
絶対に傷つけない、傷つけられない、無防備な心を置いても構わないと思わせる、互いへの信頼がその空気を作っていたのだと、大人になった今ならわかる。
ふいに、口の端が緩んだ。
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