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#fjsw
ikuraaa@🈂️
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_ゆかが死んだんだよッ!!!!
「…え?」
意味が分からなかった
まず俺はその女子は眼中になかったし、ゆかなんて名前も知らなかった
「なに、なんのこと…?」
_朝ゆか迎えに行ったら…でてきてくんなくて…ッ、ゆかのママが家入れてくれたから部屋入ったら…ッ、ゆかが、首吊っててぇ…ッ!
そう泣きながら俺の机に紙が置かれた
そこには絵が描かれていて、若井と書かれた人型と、その隣はぐちゃぐちゃに塗りつぶされた…赤黒いモヤ
_若井なんか知ってんでしょ…ッゆかに何したの…!!!
こんな錯乱した様子を見る限り、大事な友達だったんだろう
だが
「…ごめん、知らない」
その一言で、その生徒は膝から崩れ落ち、泣き叫んだ
放課後、まさかと思い元貴に問いただす
「元貴…殺したの?」
そう一言聞くと、元貴が怖がるように焦った表情を浮かべた
「違う!!殺してないッ!!!」
「確かにあいつ、すっごく嫌いだけど、若井と約束したもん!ころしてないよッ!」
必死な剣幕で俺の肩を掴んで熱弁する姿は、本当に信じて欲しいという願いがとても感じられた
「おねがい…しんじて…ッ」
生前、親にも誰にも信じて貰えなかった恐怖が、襲っているように見えた
「…約束、守れてえらいね」
「…!」
そう、頭を撫でてやると、子犬のように額を手のひらに押し当てている
多分、元貴は親と俺を重ねていた
親の完璧主義に、押しつぶされていたのがよく分かった
「ねぇ若井、俺、お墓行きたい、あるかな?」
「ん?あぁ、元貴のおばあちゃんが立ててくれたみたいだけど、行く?」
「…行く!」
目をきらきらとさせる元貴に、不意に微笑んでしまった
「…」
「…元貴…」
「まぁ、そうだよね」
「誰も墓参りなんか来てくれないか、親も」
蜘蛛の巣やツタが絡まった花の一輪も添えられてない小さな墓は、まるで忘れられたような寂しさがあった
「…悲しくないの?、元貴」
「…さぁ、涙なんて枯れたんじゃない?」
元貴は
頭を撫でられたことも
泣く方法を教えてもらったこともないんだね
8月31日
「…元貴って成仏しないの?」
「う〜ん、なんか、恨みとかやり残したことあるんじゃない?」
「ねぇわかい、海行きたい」
さっきの会話とは繋がらない突然の申し出に、驚いた反面疑問を持つ
「海?」
「遊びたい」
子供か、とツッコミたくなるところだったが、元貴はそういえば中学生だったなと、そのツッコミはそのまま飲み込んだ
「近くのとこでいい?」
「すっごい波、夕日もきれーっ!」
そんなことを言う元貴を横目に、まるで手招きするように足元にまで押し寄せる波を見る
キャッキャとはしゃぎながら靴を脱ぎその中に靴下を入れ、ズボンの裾を巻いてすねあたりの長さにすると、ぱしゃぱしゃと走って海に入っていく
「…あんまり感覚感じないなぁ…」
せっかく念願の海に来たというのに、そう寂しそうに元貴が言う
元貴同様靴と靴下をセットにし元貴の靴の横に置き、砂の上でしゃがみ込む
入る気はないんだけどね
横歩きするカニが俺の目の前を通り過ぎようとした時、強い風が吹き不意に目を閉じる
風のせいで頭に被せていたタオルがはらりと落ちる
目を開けると元貴が目の前で膝に手を付き俺に顔を寄せていて、少しびっくりしたがそれをした理由が明らかになった
「若井も入ろ!足だけ!」
「いや、俺はいいから!」
「いいから!」
元貴がそう言うと、手首を掴んで自分の方に俺を引っ張った
「わっ!」
ぴしゃっ、と足元で海水が跳ねると、足にひんやりとした感覚が広がった
こんな夕方でもカンカンと強い日照りなのに、海の水温は冷たくて
「どう?」
「…冷たい」
そう言うと元貴がニカッと笑った
太陽は遠くにあるのに、目の前にあるように感じてしまった
もうどこにも行かないのに、僕の手を離してくれない手のひらはまったく体温を感じない
「元貴?」
ぱっと元貴を見ると、また悲しそうな顔をした
口をぎゅっと紡いで、何か言いたげに、無理して笑ってるような気さえした
「わかぃ、…あのさ」
「…いや、なんもない」
何かいいかけてまた口を閉じてしまった
その仕草に不信感を覚えまた咎める
「なに」
「…おれが、居なくなっちゃったらどうする?」
「居なくならないでしょ?」
驚いた表情でこちらを見る
当たり前だろう、元貴が死んでからずっと一緒だったんだから
今更、離れられないだろう
「…うん、だね」
そう、儚げに元貴が夕日を見つめた
昨日は更新出来ておらずすみません
お詫びとして、今日の18時ジャストに最終話更新いたします
本来今日に終わる予定のものでしたので、一日に二話更新ということで
コメント
1件
うわ……第4話、重いですね。ゆかの♡♡♡と元貴の過去が交錯して、胸がぎゅっとなりました。特に「涙なんて枯れたんじゃない?」っていう台詞と、頭を撫でられたことすらないという地の文が刺さります。元貴が「おれが居なくなっちゃったらどうする?」って聞くところ、死んだ自覚があるからこその問いかけで……切ない。海辺で体温を感じない手を握る描写も、もう此岸にいないことを映像的に伝えてきて、とても印象的でした。最終話も読めるの、楽しみにしてます!