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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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阿部は、「ファンサの鬼」と言われるくらい、サービス精神が旺盛だ。

アリーナでコンサートをしてた時には、客席の間を通るたび、阿部に近づくファンが多数いた。

橘弥生は、阿部の熱狂的なファンである。

アリーナツアーも行った。

最前列ではなかったが2列目だったので、腕を伸ばして何とか阿部の腕に触れることが出来た。

ますます熱は上がる。

だが、ドームに行ってしまった。

届かない。

花道の最前列だったが届かない。

悔しかった。

全身緑のワンピースを着て、うちわに「阿部ちゃん好き」と作った。

ドームは広すぎて見てくれない。

自分は東京在住だが、京セラドームに参戦した。

悔しかった。

不正にチケットを入手して東京ドームも参戦した。

高かったが花道の最前列。

やはり届かない。

見てくれない。

広すぎて、自分は埋没してしまう。

「悔しさ」が「憎らしい」に変わるのに時間はかからなかった。

番協に応募して当選した時は嬉しかった。

また近くで会える。

だが、自分は椅子に座ってないとダメだし、阿部はステージの端の方に立っていた。

遠い。遠すぎる。

また「憎らしい」が増えていく。

全然、楽しくなかった。


彼女はフリーターである。

仕事を探しながら、時々アルバイトをしている。

この度、製薬会社に就職した。

先輩から色々教えてもらう。

鍵のかかった棚。

その棚は触ったらダメだと言われる。

「毒」となる製品が並んでいた。

その部屋は、胃腸薬の研究をしていた。

研究室12号室と呼ばれている。


神様っているんだわと思った。

彼女は、その研究室12号室の配属になった。

慣れない研究の仕事も、1か月ほどすれば、覚えた。

薬品棚には鍵が付いていて誰でも開けられるわけじゃない。

主任が鍵を持っている。

3か月が経ち、彼女は正式に雇用された。

遅ればせながら歓迎会をしようとなる。

これはチャンスだ。

彼女は、ネットで型取りのキットを買った。

歓迎会の席は主任の斜め左。

酒好きの主任は、自分が主役のように酒を飲む。

何度もトイレに行く。

上着は脱いで、彼女の横に置いてある。

散々飲んで食べて1番喜んだのは主任じゃないだろうか?

そろそろ、お開きにしようと言う。

自分はトイレに行ってから帰るから皆んな先に帰っていいぞと言い席を立つ。

彼女は主任の上着の内ポケットから鍵を取り出し素早く型取りする。

何事もなかった顔をして席を立つ。

数週間後、仕事が終わらないから残業しますと居残りを申請する。

チャンスは、今日1回のみ。

作った合鍵で棚を開ける。

食中毒を起こす物から、致死率の高い物まである。

彼女が選んだのは「テトロドトキシン」フグの毒である。

彼女は翌日から出社していない。



続く

テトロドトキシン

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