テラーノベル
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自傷行為シーンありです。
苦手な方はお控えください。
「さくまくん···眠れないから一緒にいて」
一番年下、だけど俺より背なんてよっぽどおっきくていつも元気なラウが俺のベッドの上に身体をきゅっと小さくして手を弱々しく握ってそんな風にいうもんだからそこから動けなくてそっと、けど安心させるために繋いだ手に力を込めて握り返した。
「まかせろ、さくまさんはいつでもここにいるから。安心しな」
「···ありがと」
睡眠時間が少なくてもへっちゃらな俺と違ってたっぷり睡眠がほしい人が眠れないというのはさぞかし辛いだろう。
眠りたいのに眠れないのは俺にも経験があるからわかるだけにその想像はすぐに出来た。
だからそんな時に頼られるのは嬉しいことで、空いた片手であべちゃんに「ごめん、今日は会えない」ってメッセージを送った。
すぐに既読になって「了解、またいつでも連絡して。俺はいつでも会いたいと思ってる」って返事を見てかっこよすぎ、と照れて少し顔が熱くなった。
こういう事をさらっと送ってくるところが好きでキュンとしてしまってまた惚れ直してしまう。
いいでしょこれが俺の彼氏なんだよ?
あべちゃんと恋人になったのは1年くらい前。いつも優しくて頭いいのに佐久間はすごいねって俺の話ちゃんと聞いてくれて笑ってくれるところに惹かれて恋をした。
最初はこんなこと言ったらさすがのあべちゃんでも困るよなぁって絶賛片思いを続けてたんだけど2人で飲みに行った時に楽しくてついお酒が進んでた俺を何回か優しくとめて、それでも調子乗っちゃってやめない俺にいつもはあざと可愛いあべちゃんがグラスを持つ手首を掴んできて、真剣な顔してそれくらいにしな、怒るよ?なんて言うから急な男っぽさにめちゃくちゃドキドキしちゃって。
「好きな人と飲んでるから楽しくて···いっそ怒られたいなんて思う俺はやばいよね、にゃは」
なーんて冗談ぽく返してお酒をテーブルに置こうとしたのに手は握られたまま、あべちゃんは俺から目を逸らさずにじぃっと見つめられた。
「あべちゃ···離してよー、もう飲まないから、ねっ」
「佐久間が言うその好きの意味を教えてくれたら離すよ」
「あべちゃんに俺が教えることなんてないでしょ。なんでも知ってるのに」
「知らないこともあるよ。佐久間の俺に対する気持ちとか。その好きがlikeなのかloveなのか」
らいく、か、らぶ、か?
言われた言葉を理解して顔が熱くなる。
なんて答えたらいいの?
あべちゃんはなんて言われたいの?
困ってしまって、なんにも言えずにあべちゃんの目を見つめ返す。
「ごめん···ズルい聞き方した。こういうことはちゃんと言わなきゃいけないのにね、俺···ちょっとビビっちゃった。佐久間に嫌われるのが怖くて。······俺は、佐久間のことが、好きです。もちろんloveの意味で」
真剣な顔があったかい微笑みに変わって笑顔でまっすぐに告白されて···もうそんなの言われたら気持ちが溢れて俺もちゃんと言わなきゃって背筋を伸ばした。
「俺も、あべちゃんが好き。もちろん、らぶの意味での好きです」
「え···ほんとに?本当?」
目をパチパチさせてあべちゃんが驚いた表情しててそれがなんか愛おしくて隣に移動して個室なのをいいことにぎゅぅ、と抱きつくとあべちゃんも優しく抱きしめてくれた。
そして、俺はあべちゃんとお付き合いを始めた。今のところメンバーには内緒で···けど、ふっかとかひかるあたりは気づいてて、それでいて何にも言わないで居てくれるから、もう少しは内緒にしていようね、なんて話をしている。
あべちゃんのことを考えて思わずにまにまとなっていた俺はくいっとラウに服を引っ張られてわれに返った。
「さくまくん···お願いだから一緒に寝てよ」
「おやすい御用でありまーす、俺と寝るとぜったいいい夢見れるからなー安心しな」
布団としっかりかけてあげてポンポン背中を叩いてやるとラウールは赤ちゃんみたいに眠りについた。
最近、たぶん食事も睡眠もあんまり取れてないっぽくて顔色も良くないし体調も崩しがちで、だからこそ支えてやらなきゃ!って気持ちで一緒にいる。
けど、俺がすることはちゃんとラウールの為になってんのかな?
ほかのメンバーだったらもっと···?
しばらく続くこの状況を良くすることも出来なくて俺は少し暗い気持ちでラウールの寝顔を見つめていた。
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