気づいたらわたしもバラエティ番組に集中してしまって
変な緊張感とかローレンと同じベッドの上にいることとか全部忘れていて。
あと、眠気も来てしまった。気がする。
さっきまですんなりと入ってきていたバラエティ番組のゲームのルール説明も
途切れ途切れで頭に入ってくる。
「都愛そろそろ眠い?」
『んー……ねむい、かも』
「ふは、声が眠そーなのよもう」
んじゃあそろそろ寝っかーとテレビの電源が落とされた。
さっきまで賑やかだった部屋は一瞬にして静かになり
2人の呼吸音と雨の音だけが響く。
わたしの意識はいつでも飛びそうな状態で
頑張って開けていた目も瞼の重さに耐えきれず閉じてしまった。
もう寝ちゃおうと思い何もかもを考えるのをやめた瞬間、
お腹に手が回されぐいと引き寄せられた。
突然のことに頭もびっくりしちゃってぱちぱちと瞬きを2回。
もちろんこんなことをする人はローレンしかいない訳で。
でも何も言葉を発さない、寝ぼけているのか誰かと間違えたのか。
『ろーれ、』
「都愛はさ」
お腹に回されている腕に少し力が入った気がした。
「俺のこと好き?」
ドキリ。
心臓がはねる。体温が上がった。
『……うん』
「……そーよな」
『知ってて聞いたでしょ』
「まあ」
『なんで?』
別に隠しているわけじゃないし
正直に言ったところで相手になんてされないことは
ずっと前からわかっていたから素直に答える。
ただ冗談ぽくこっちから好きだよと言うことは何回かあっても
本人からこうやって聞かれるのは初めてのことだったから驚いてしまった。
雨の音は強いけれどわたしの心臓の音がうるさくて
ローレンに聞こえていないか、心配。
「やっぱさ、俺都愛に彼氏できてほしくねーの。」
「男と仲良くしてんのもあんま見たくねーし客に笑顔向けてんのも正直イラッとする」
『ローレン?』
「俺のものになればいーのにって思うけど俺って都愛が思ってる以上に悪い大人だし」
「クズだしこんなのが都愛と一緒にいんのはよくねーかなって」
『……なにが言いたいの』
わたしだって”わがまま”だけど、
ローレンだって同じくらい”わがまま”なんだと思った。
「だから、俺のこと嫌いになって諦めてほしい」
コメント
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ローレン!!お前のこと嫌いになれるわけないだろ!?お前がクズなことぐらい都愛ちゃん知ってるんだよ!!
タイトル伏線回収とともにね"。みたいな声出て死んだ。マジで、都愛ちゃんがローレンのこと嫌いになって諦められるわけないじゃん!(知らんけど)なんでとことんクズってなってるのにかっこいいんだ、ローレンは... 東雲様天才ですか、?前作含め神ですか?