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12 - 第12話  宝

♥

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2025年08月23日

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𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸‪𓂃 𓈒𓏸 莉犬

ガラッ。


さとみ「ただいま〜! お待たせ〜」

ころん「見て見て莉犬君! 」

ころん「唐揚げ定食ゲットした!」

莉犬「美味しそーじゃん」

るぅと「え、僕のは?」

さとみ「あるある! ほら」

ジェル「お〜えぇ匂いやなぁ」


テーブル代わりに持ってきた小さな折り畳み台に、それぞれのご飯が並んでいく。

その様子を見て、思わず笑いが漏れた。


莉犬「……ほんと、修学旅行みたいだね」


さとみ「はは、病室で修学旅行とか新しすぎ」

ころん「いやーでも楽しいじゃん!ねぇ!」

るぅと「莉犬の分は……ほら、おかゆ」

莉犬「あ、ありがと……」

るぅと「いいえ〜」

るぅと「まぁ、さっき看護師の人から」

るぅと「頂いたんですけどね笑」


白い湯気が立つ質素などこにでもあるような、おかゆ。

少ししか食べられないけど、皆と一緒に並んでるだけで特別なご馳走みたいに見えた。


ジェル「よっしゃ、ほな全員揃ったし」

ななもり「せーので食べよっか!」

さとみ「おーけー! せーの」

全員「「「いただきまーす!!!」」」


莉犬「……ふふっ」

スプーンを手にしただけなのに、心がじんわり温かくなる。


莉犬(俺の居場所は…ここ…でいいのかな、)


みんなの笑顔を見て、静かにそう思った。


るぅと「莉犬どうしましたか?」

るぅと「おかゆ見つめて…」

莉犬「あ、ううん、笑」

莉犬「なんでもない笑」

るぅと「そうですか…笑」

るぅと「お腹…いっぱいですか?」

莉犬「あ、えへへ、そうなんだよね…笑」

さとみ「あー、まじ?」

さとみ「全然俺食うよ?」

莉犬「あーいや、味薄目だし、?」

莉犬「美味しくないよ多分、笑」

ころん「えーほんとじゃん」

ころん「ちょー不味い」

莉犬「え、?」


いつの間にかに俺のベッドに座って俺のおかゆを食べているころちゃん。


ななもり「ちょ、そんな事言わないの!」

ころん「えーでもほんとに不味いよ?」

ジェル「失礼やろ…笑」

ころん「ちょーマズイ!」

ころん「莉犬君!ここ出たらいっぱい」

ころん「美味しいの食べよ!!」

ころん「ここまずいからさ笑」

ころん「ね?笑」

莉犬「そだね、美味しいの食べに行こ」

ころん「焼肉行く?それとももんじゃ?」

莉犬「どっちも美味しそう笑」

さとみ「えー、感動系」

るぅと「ころちゃんにしては珍しいですね笑」

ころん「僕だってやる時はやるさ笑」

ジェル「ほーん??」

ななもり「ころちゃんも成長したねぇ…笑 」

さとみ「ママもりだ」


美味しい物…か…。

確かにここは牢獄のようだ。

自由なんてここには無いし、美味しい食べ物も、音楽も、何も無い。

外に出れば沢山、俺が望むものがある。


早く、退院したいなぁ…


そうすれば…。


さとみ「うっし!帰るわ」

さとみ「ここなんも無いし、莉犬に会えたし」

ななもり「それもそうだね」

ななもり「まだやる事もあるし…」

ジェル「帰るん?」

ななもり「俺は帰ろうかなぁ…」

ななもり「ちょっと、会議がね、笑」

るぅと「僕も曲作りがありました…」

ころん「僕も動画撮らなきゃだ」

ころん「みんな帰る?」

4人「そうかなぁ/そうだな 」

莉犬「そっか…来てくれてありがと…ね、」

莉犬「元気出た、!」

さとみ「生きててよかったよマジで」

さとみ「死ぬんじゃねぇぞ?」

莉犬「お前もな」

さとみ「俺が看取れる時まで待てよな?」

莉犬「はいはい、笑」

莉犬「オムライス…待ってる」

さとみ「あー、ね?笑」

さとみ「練習しとくわ笑」

ころん「じゃさ!僕の肉じゃがも!」

莉犬「ころちゃんの肉じゃがも美味いね」

さとみ「勝負すっか」

莉犬「俺が死ぬ前に呑気にやんなよ、、笑」

ジェル「草」

るぅと「まぁ、2人は置いといて…笑」

るぅと「莉犬、、ありがとう」

るぅと「起きてくれて…、頑張ってくれて、」

莉犬「俺はさ、逃げただけだから、」

莉犬「皆だって嫌なことあるでしょ?」

莉犬「俺は…、逃げただけだよ、?笑」

莉犬「俺は、なんもしてない」

ジェル「スタッフから聞いたで」

ジェル「アンチの対処しとったんやろ?」

ななもり「俺たちの悪口、消したでしょ、?」

ななもり「傷つかないようにって」

ななもり「ファンレターも」

ななもり「アンチのやつ抜き取ったんでしょ」

ななもり「おかしいと思ったんだよ」

ななもり「最近、無かったから」

ななもり「そういうことだったんだね莉犬君」

莉犬「あはは、バレちゃった、笑」

莉犬「やっぱりさ、皆のこと傷つける人」

莉犬「がいるとムカつくんだよね、笑」

莉犬「それに、見て欲しくなかったし、」

ななもり「それはなんで?」

莉犬「…傷ついて欲しくなかったから…」

ななもり「それだけ?」

ななもり「違うよね?」

ななもり「それだけだったら、そんなこと」

ななもり「する必要ないよね?」

ななもり「俺達を慰めればいいんだから」

ななもり「他もあるんじゃない?」

莉犬「ッ…!!ポロポロ」


なー君ったら、図太いんだから。

俺、そんなこと言われたら本当のこと言っちゃうじゃん、?笑


莉犬「戻ってきて欲しかった…ポロポロ」

莉犬「それだけ…だよ…ポロポロ」

莉犬「ふたりが居なきゃ寂しいの…ポロポロ」

莉犬「俺たち6人ですと〇りなんだよ、、」

莉犬「誰も欠けちゃいけないのッ…ポロポロ」

莉犬「わがままでごめんなさいッ…ポロポロ」

莉犬「ただッ…戻ってきて欲しかったポロポロ」

莉犬「ごめんなさいッ…ポロポロ」

莉犬「勝手なことして…ポロポロ」


しばらく沈黙が続く。

氷が凍てつくように空気が冷たい。


るぅと「勝手なことしないでください!!!」

莉犬「ッ…ポロポロ」

るぅと「みんなが傷つかないように?」

るぅと「戻ってこれるように?」

るぅと「何言ってるんですか!!」

るぅと「そんなことして…」

るぅと「死のうとしたのは莉犬でしょう!?」

莉犬「それはッ…ごめんッ…ポロポロ」

るぅと「6人ですと〇り?」

るぅと「今欠けようとしたのは、誰ですか?」

るぅと「莉犬ですよね?」

るぅと「何してるんですか!?」

莉犬「ごめッ…んなッ…さいッ…ポロポロ」

ななもり「るぅとくん、もう辞めよう?」

るぅと「でもッ…!!」

ななもり「言いたいことはわかるよ」

ななもり「でも、今じゃない」

ななもり「まだ莉犬くんは完全じゃないんだ」

ななもり「あとからだって話せるでしょ?」

るぅと「ッ…ポロポロ」

るぅと「ごめん、莉犬ッ…ポロポロ」

莉犬「ううんッ…俺が、悪いの…ポロポロ」

莉犬「るぅちゃんは悪くない…」

ころん「まぁ。とりま帰ろ?」

さとみ「そうだな」

さとみ「話はあとだ」

さとみ「今するべきことをしよう」

さとみ「こんな話しても時間の無駄だ」

ジェル「無駄ってッ…」

さとみ「そうだろ?ジェル」

さとみ「この話し合いになんの意味がある?」

ジェル「それはッ…」

莉犬「さとみくん、ジェル君責めちゃダメ…」

莉犬「俺が悪い、俺が悪かった」

莉犬「この話し合いはもう終わりね、?笑」

莉犬「ほら、!元気だして、?」

さとみ「莉犬も言ってるし、帰ろうぜ」

莉犬「そうそう、早く帰りな…?」

莉犬「やる事あるんでしょ?」

ころん「じゃあ、行くね…」

ななもり「俺も…」

さとみ「じゃあな、莉犬」

るぅと「じゃあ、また、」

莉犬「またね…!」


莉犬「ジェル君はいいの?」

ジェル「おん、何もすることないからな」

莉犬「そっか、」

ジェル「ごめんな、早く気づいてやれんくて」

莉犬「その話は終わりって言ったでしょ?笑」

ジェル「そうやけど…」

莉犬「ね?辞めよ?」

ジェル「分かった、ごめん、」

莉犬「謝らないで、」

ジェル「…動画どうするん、?」

莉犬「ストックあるから、それ投稿するかな」

ジェル「困ったら声掛けや?」

ジェル「すぐ作るわ」

莉犬「ありがとね」

莉犬「でも、俺は大丈夫だから」

莉犬「ジェル君はジェル君の事をしてて?」

莉犬「俺なんかに時間使っちゃダメだよ」

ジェル「俺なんかじゃないんやで」

ジェル「莉犬は莉犬。」

ジェル「莉犬という存在はな?」

ジェル「どんなに綺麗な財宝よりも」

ジェル「美しくて、綺麗なものなんやで?」

莉犬「綺麗…か…」


俺の心は黒いぐにゃぐにゃしたもので埋め尽くされて、あたりは霧に囲まれている。


俺の心は、綺麗なんかじゃない。


莉犬「ありがとね、ジェル君」

莉犬「隣、居てくれて」

ジェル「俺が寂しい時も傍に居てくれたしな」


自称不仲の、俺とジェル君。


リスナーさんの中では、ビジネス不仲とまで言われるぐらい仲良しな俺とジェル君。


お互いを何となく理解して、何となく近くに居てしまう 似たもの同士だ。

やっぱりすと〇りには、ジェル君が必要なんだ。


暖かくて、努力家な最強エンターテイナー。


俺は、誰かのなにかになれてるかな。




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