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#感動
こはる
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#死に戻り
こはる
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こはる
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第5話
家まで着くと、母さんや父さんがソワソワしていた。俺はずぶ濡れで、この子は虫の息だった。
「「ニルス! リナ!」」
二人の声がハモった。
「俺の事は、いいから……先ずは、この子をっ……」
母さんにこの子を預けると、俺の身体は限界を迎えて、無理だと身体が叫んだように崩れ落ちた。
「ニルスっ!」「ニルス!」
父さんが俺の身体を支えて「駄目だ。ニルスが先に風呂に入れ。沸かしてある」とタオルを持たされた。
「え、でも……」
「リナは、急にお湯には入れなれないの。着替えは持ってくるから、入って」
そっか。
冷めた体でお湯に入ると、魔力の流れ方がおかしくなって、最悪の場合後遺症として残るかもしれない。要するには、身体の中にある魔力回路が切れる。そしたら余命は一時間を切ってしまうだろう。
「分かった」
シャワーを浴びながら、自分に回復魔法をかけた。
自分も十分に冷たかったのに、気づけなかった。それに、髪の毛まで濡れてたんなんて……
……自覚してなかったのに。
あんな奴を捕まえられなかった自分に悔しくて拳を爪が食い込んで血が滲むくらいまで強く握った。
俺はポカポカになって上がると、暖炉の前のソファーであの……リナが寝かされていた。
「ニルス。見てくれる?」
俺は、治療師を夢見て学校に通っている。
魔法タイプも治癒魔法と光魔法で、魔力もそこそこある。
リナの冷たくなった身体を壊れかけた羅針盤を直す時のように慎重に触った。
見た所、あまり良くないけれど、死ぬ事は……なさそうか。
でも、このまま悪化するなら……分からないな。
「断言は出来ないけれど、さっきよりかは大分安定している。でも、まだ安心は出来ない。容体は不安定のままだ」
「どうすればいいんだ?」
どうすればって……
こんな遅くに、ラルフを呼び出すつもりも無いし、教会付属の病院も閉まっている時間だ。
「俺が見てる。ラルフは朝早いから、日が出たらちょっと見に行く。リナもお風呂に入れても大丈夫そう」
俺がリナの事を愛称で呼ぶと二人共、目を丸くした。
……今までさっぱり口を聞かなかったからな……そう思われてもしょうがないか。
「母さん。とりあえず、入れて。先ずはそこから」
「あ、そうね」
母さんは、ぎこちなく頷いてリナの事を風呂に入れた。
……相当、弱ってたんだろうな。俺を見つけた瞬間に投げ入れたんだろうから……五、六分の間か。
それとも、長く漬けて……餌にしたのか? 少なくとも、誰かとの間違いだろう。
……黒髪黒目って貴族は……あ。ケスラー家だ。
あの家は昔から続く製薬が有名で、確かに同じくらいの女の子がいたはず。
次に継ぐのは、その年の離れた姉だっけな……三年前くらい前、太っ腹に買って行ったのを覚えている。
愛想良くて、顔色も良いイメージだ。それに、話をしっかりと聞いていた。人間性がある人だったな……
少し、調べてみるか。
俺は、頰を叩いて眠気を覚ました。
次の日の朝。
朝日が昇って、やっと暑いと感じられた。
……恥ずかしいけど、自分も湯冷めした。こうってことはないけど、寒気がしただけ。
一晩中見張っていたけどリナは、ピクリとも動かない。
呼吸や魔力は安定してきたけど、熱が出た。俺の解熱魔法は強力では無いから、あまり効果が無い。
汗だくで、魔力の流れ方から見て苦しそうだった。
「辛いよな」
そう呟いて頭を触れた時、黒い瞳に光が灯るのが見えた。
「あれ……」
リナは、横になったまま部屋を見渡した。
「……良かった」
俺が震えた声で不本意に本音を零すとリナは目を丸くした。
「さっきまで、生死の境界線に立ってたんだぞ……」
「死ぬかも、しれなかったんですか?」
「あぁ。体が氷のように冷たかった。母さんや父さんも心配してた」
「そうなんですね……」
リナの黒い瞳が段々滲んできた。
「怖かったよな。辛いよな。遅くなってごめんな」
俺がそう言いながら頭を撫でると、コクリコクリと頷いて泣き始めた。
「もう大丈夫だ。俺が付いてる」
それからひとしきり泣くと泣きつかれて寝た。
……無関係な事件に巻き込まれて、怖かったんだろうな。
「ニルス。おはよう」
寝癖ボサボサの父さんが寝ぼけながら三階から降りてきた。
寝癖というより、癖っ毛だな。俺もそうだけど。
「おはよう父さん。さっき目を覚ましたけど、泣きつかれて寝た。ラルフを呼んでくるから見ててくれない」
「あ、分かった。気をつけろよ」
「うん」
コメント
1件
うわ、第6話めっちゃ良かった……! ニルスがずぶ濡れでリナを連れて帰ってきて、自分のこと後回しにして看病するところ、もう胸が熱くなったよ。「俺が付いてる」って言葉、めっちゃグッときた。リナが泣き出すシーンはこっちまでウルッときたわ。ニルスの優しさと責任感が伝わってきて、もっと二人の関係性が見たくなった! 続き楽しみにしてる🔥