コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠️注意⚠️
nmmn
🎤🐼要素
🍖🦈要素
人外(海洋神、人魚等)
モブ
虐められる表現あり
異世界
長い
ご本人様とは関係ありません
nk「」
kn「」
sh「」
br「」
___この世界の海には沢山の生き物が住んでいる。
サメ、エイ、タコ、シャチ、クラゲにイソギンチャク…。
それから人魚。
全ての祖先は海洋神様が創り出したもの。
そして全ての生物は海洋神様の元に還る。
僕たち人魚も同じ。
海洋神様はどこかの深い綺麗な海に住んでいていつも僕たちを見守っている。
悪い子がいたらすぐに懲らしめてくれる。___
…そう習った。
nk side
mb「こっちまで来てみろよ〜!w」
mb「早く来いよwノロマ〜」
nk「…ねっ、待ってってば…」
いつものように学校帰りにからかわれていた。
いじめ…とまではいかないがやっぱり少し嫌な気分。
小さな頃から泳ぐ事が苦手で尾びれも小さいのでチビなんて言われたりもする。
sh「お前ら何遊んでんの?」
シャケがやって来た。
シャケはあだ名でほんとはシャークんなんだけどね。
nk「あ!シャケ!今、鬼ごっこ…」
mb「やっべ、逃げるぞ!」
mb「お、おう…!」
シャケはサメの人魚だからよく周りから恐れられている。
よく助けてくれて優しいのにな…。
sh「…なんなんだあいつら」
nk「分かんないけど…いつも鬼ごっこしようって誘われる…」
sh「断んないのか?」
nk「怖いじゃん…」
そう言ったらシャケは少し眉を寄せてあいつらが逃げた方向を見た。
sh「…帰るか」
nk「う、うん…」
何か言うのかと思っていたので少しぎごちない返事になる。
この日は特に何も無く一日が終わった。
1週間後
mb「お〜いなかむ遊ぼーぜw」
nk「え、えっと…」
あの後シャケに「断った方がいい」と言われそれをこと1週間引きずっていた。
今日こそ勇気をだそうと思った。
nk「今日…用事があるんだけど…」
そう言うと突然、手に持っていた鞄が取られる
nk「えっ…」
mb「返して欲しければ追いかけてみろよww」
しばらく泳ぐと既にあいつらの姿は無いものの鞄は岩陰にあるのを見つけた。
nk「あった…疲れた…」
そう思い帰ろうとするが
nk「どっから帰るんだろう…」
夢中で追いかけていたのでここが何処なのかさっぱり分からなくなってしまった。
道を聞こうにも人がいる気配がない。
ふと、どこからか血の匂いがした。
匂いの先を辿ると、それは海底の洞窟からのものだった。
ちょっとした好奇心で覗いてみることにした。
nk「怖…」
薄暗い洞窟を進むと奥から声が聞こえる。
「___だろ!」
「ふざけんなよ!」
喧嘩をしているような怒鳴り声。
岩陰からこっそり覗くとそれは喧嘩ではなかった。
誰かがほぼ一方的に殴られている。
3人の人魚がいてそれぞれシャチ、クラゲ、ウツボと見えた。
強そうなのに3人でイジめるって酷いな…なんて思っていると、ふと殴られてる側の腕が見えた。
その腕には緑の腕輪。
それでわかった。
あそこにいるのは、間違いなく
nk「シャークん…っ!」
気づいた時には飛び出していた。
sh「…!なかむ…?!」
腕を掴んで逃げようとしたものの、追いつかれてまた囲まれてしまう。
mb「あれ〜?誰かと思ったらノロマ君じゃん?」
mb「なにそれウケるww」
mb「てかソイツ返してもらっていい?」
nk「や、やめてよ…!」
辞めるわけが無いと分かっていても素直に返す訳にはいかない。
シャケの前に立つ。
sh「…早く逃げろ、よ…」
nk「シャケを置いて逃げたりしないから」
mb「いいじゃん、コイツごとやっちゃえば?」
mb「確かに〜」
そう言いながら殴られた。
nk「いたぃ、っ…」
口の中を切ったのか鉄の味が広がる。
mb「マジで容赦しねぇじゃんw」
壁に押し付けられて首を絞められる。
nk「っ…?!」
そこで本気で殺しに来ているんだと感じた。
nk「あぐ…っ…はっ」
苦しい。
抵抗しようにも相手の力が強すぎる。
無理だと思ったその時、
突然横から大きな力がかかって囲まれているところから出てきた。
どうやらシャークんが押し出してくれたらしい。
nk「はっ…ゲホッ…シャーク、ん…?」
sh「このまま逃げるから掴まってろ」
どう見ても自分よりボロボロなシャケに掴まって遠くまで逃げた。
気づいた時には3人の姿はなく、薄暗い海の底にいた。
nk「ごめん…何も力になれなかった…」
nk「寧ろ足でまといで…」
そう謝った。
…
返事がない。
ふとシャケに目をやると、海底の砂の上に倒れている。
意識もないようだった。
nk「!…シャークん…?」
揺さぶっても起きない。
幸い息はしているものの弱く、すぐに止まってしまいそうだった。
nk「だ、誰か…!」
当たりを見回しても岩があるだけで何も見当たらない。
岩を越えると渓谷があった。
その奥深くに明かりが灯っている場所がある。
nk「あそこまで…!」
そう思い、シャケをかかえて一生懸命に泳いだ。
nk「すみません…!助けて下さい…!!」
扉をノックしてからそう言う。
部屋から人が来る音がして、ガチャと扉が開く。
中から出てきたのは綺麗な男の人だった。
kn「ありゃ…大丈夫…じゃないよね、とりあえず中おいで?」
部屋にお邪魔し、シャークんをベッドに置く。
kn「これは…酷いね…」
改めて見ると身体中に切り傷やあざ、腫れているところもある。
nk「僕のせいで…」
涙がまるでこの光景を見たくないと言うように視界を滲ませた。
kn「大丈夫、君のせいじゃないよ」
そう言って頭を撫でられた。
kn「とりあえず処置は終わったから、あとは傷跡が残らないようにしておくね」
シャケの体に触れるとあざや小さな傷跡が綺麗になっていく。
nk「え、!すごい…」
kn「でしょ〜」
得意気に笑った。
その顔に心臓がドキッとひと鳴りした気がした。
kn「ところで君の名前はなんていうの?」
自分の処置をしてもらっている時にそう聞かれた。
nk「僕はなかむって言います」
kn「素敵な名前だね」
kn「俺はきんときだよ」
その名前を聞いてふと引っかかった。
それを自分で解く前に回答を知る。
kn「海洋神なんだ」
nk「あ…!」
謎が解けてつい変な反応をしてしまった。
nk「こんな事で頼ってしまってすみません…」
そう謝る。
kn「いいんだよ、頼って貰えるのは嬉しいしそれよりこの海に悪い子が居るって知れたから」
kn「ここまでよく頑張ったね」
そう言ってそっと抱きしめてくれた。
kn「…w顔リンゴみたいになってるよ?」
そう言われて顔が熱いのに気づく。
nk「や、えっと…別にそういう訳じゃ…」
しどろもどろになっていると
kn「なかむくん僕のこと好きでしょ?」
あまりに図星すぎて目を合わせられない。
nk「め、迷惑ですよね…wこんな人魚に好かれるのも…」
こんな短時間でバレる事があっていいのかと思いつつ話す。
kn「全然、そんな事ないよ?寧ろ…」
と言いかけてドアをノックする音が聞こえる
br「きんさ〜ん?来たよ〜」
kn「ごめん、なかむちょっと待ってて」
向こうに行ってしばらくすると誰かと一緒に戻ってくる。
br「たっだいま〜」
kn「お前の家じゃねえんだわ」
br「ここまで来るの大変なんだよ〜?水好きじゃないし〜」
kn「うるせぇ」
br「てか、あれ〜?可愛い子連れてきてるじゃ〜ん」
そう言って近づいてくる
nk「こ、こんにちは…」
br「え〜かわいい〜!!」
頬を触られる寸前に
kn「俺のだから触んないでもらっていい?」
br「きゃ〜きんさん怖〜」
ふとまた心臓がひと波大きく打ってかっこいいななんて思ってしまう。
kn「ごめんね急に」
kn「この赤いのはぶるーくって言って太陽神なんだ」
nk「結構グイグイくるタイプなんですね…」
kn「そうなんだよね…ほんとにごめんね、後でシバいとくから」
kn「でもね…実は…あの子の彼氏…」
そう言ってシャケのいる部屋を指さす
nk「えっ…?!そうなんですか…?!」
まさかシャケに彼氏がいるなんて…。
恋愛とか興味無さそうなのに…。
br「きんさ〜ん、用事って何〜?」
kn「あ〜…見る?」
kn「ぶるーく怒るかも…」
br「え〜何それ〜?そんな怒んないよ〜w見たことないでしょ?(フラグ)」
そう話すと2人はシャケが寝てる部屋に歩いていったので少し着いていく事にした。
br「…は?(フラグ回収)」
部屋を開けて最初の言葉はそれだった。
br「何、どういうこと?」
さっきまでのふわふわとした空気はまるで深海にいるような重さに変わった。
sh「ん…どこ…ここ」
そこに丁度シャケが起きる
br「シャークん!どうしたのこれ…?誰にやられたの…!」
sh「ぶる、く…?」
br「そうだよ、僕だよ?」
kn「ぶるーく、これには…」
ここまでの経緯をきんときが話した。
sh「ごめん、なさ…俺が…弱くて、何も出来なくて…」
涙を流すシャケを初めて見た。
br「ううん、シャークんは何も悪くないの」
br「しっかりここまで来て偉かったね」
ぶるーく達が帰ったあと、
kn「なかむ」
nk「なんですか?」
kn「あ、敬語じゃなくていいよ」
nk「え、えっとじゃあ…どうしたの…?」
kn「ふふ、可愛い」
nk「かわいくないし…」
kn「可愛いよ?世界一かわいい」
nk「そんなに言わないで…//」
顔に熱が籠る
kn「今日帰りは送って行こうか」
そう言うのでちらと外をみると来た時より暗さが増していた。
ずっとここに居たいとワガママを言いそうになる口を抑え
nk「ありがと…」
と隠すように言った。
次の日
傷は治っていないけどそこまで重症でも無いので登校することにした。
いつも通りに教室に入る。
するといつもの2人がやってくる。
mb「お前生きてたのかw」
mb「ボロボロで笑えるw」
あははと苦笑いをして授業の準備をした。
お昼休み
ふと教室を出るとシャークんがいた。
あんな傷ついてたのに平然としている…。
nk「!、シャークん!」
sh「あ、なかむか」
nk「昨日はほんとにごめん…俺のせいで…」
sh「いいよ別に、生きてるし…w」
sh「そもそも、あの2人を懲らしめようとしたらアイツらが来たみたいな感じだからな」
nk「あそこって繋がってるの…?」
sh「そ、上の学年のヤンキーとからしいよあの3人は」
そう話していると
mb「あれ〜?昨日の雑魚じゃんw」
その声に振り向くと昨日の3人が立っていた。
改めてまじまじとみると背丈は自分より30cmほど高くそれだけで威圧感がある。
sh「行こ、なかむ」
シャケが無視して歩こうとすると
mb「随分と度胸があるようで、なぁw」
そう言ってシャケの胸ぐらを掴む。
sh「…っ離せよ…!」
mb「こんなちっちゃい鮫誰も怖がんねぇってのにw」
mb「ほんと〜wマジベビーシャークw可愛いかも〜ww」
mb「じゃまた放課後来いよ〜w」
そう言って雑に手を離す。
sh「げほっ…」
nk「シャケ…大丈夫…?」
sh「…ん、何ともないから…」
ふとシャケの指先を見ると少し震えていた。
nk「ねぇ、放課後…行くの?」
sh「行かねぇよ、用事あるし」
nk「そっか…」
sh「でも、一緒には帰れるから」
その言葉に少し安心する。
自分じゃ何も出来ないのに、自分の知らないところで傷つく親友がとても心配だった。
放課後
sh「ごめん、遅れたわ」
nk「ううん、全然待ってないから大丈夫」
そうやって会話を交わしていると
br「シャーク〜ん!!」
突然ぶるーくがシャケに抱きついて来た。
sh「っおい!ここ学校なんだけど…!」
br「いいじゃ〜ん?ダメ?」
何だこの幸せなリア充は…と思っていると
kn「な〜かむ?」
突然後ろからギュッと包まれる。
驚いて振り向くとそこにはきんときがいた。
nk「びっくりした…」
kn「ごめんね、可愛くてつい」
nk「…//」
そう言われるとつい無言になってしまう。
少し歩き周りに人が少なくなってきた頃
4人で話していると、ふと後ろから気配を感じた。
mb「いないと思ったら、ひよって帰ってたのか〜w」
そう言ってシャケの腕を掴んだ。
sh「…ッ」
mb「シャークじゃなくてチキンだn…w」
br「触んなよ」
いつもより数倍も低い声のトーンでそう言った。
mb「何だコイツ、うっせぇな」
ぶるーく達がそう口喧嘩している時にきんときが小声で話しかけてきた。
kn「あれ、昨日の奴?」
nk「…そう、今日も会って追い回されてる感じ…」
kn「ふーん…」
きんときは睨みつけるように横目でちらと相手を見た。
kn「分かった」
そう言うとぶるーく達の方へ進んだ。
後を追って自分もついて行く。
暫く口喧嘩が続いていたが、突然、
mb「うるせぇ奴らだな、とりあえずコイツは貰ってくから」
そう言ってシャケの腕をグイッと引っ張る。
sh「ふざけんなよ…ッ離せってば…」
そう抵抗すると、
mb「黙れよ」
と言ってシャケの頬を殴った。
血が水に乗って漂っていくのが見えた。
反射的にシャケのことに向かおうと動いたがきんときに腕で止められる。
その理由はすぐに分かった。
相手の方の水がボコボコと沸騰している。
br「あはは〜wシャチ茹で〜ww」
口元では笑っているものの目は全く光を帯びず笑っていない。
mb「うっあぁぁぁッ?!やめてくれ…っ」
悲鳴のような断末魔のような声が聞こえる。
その恐ろしい状況にきんときの方をみるとまるで日常茶飯事のような顔で平然と見ている。
シャケの方をみると「痛そ…」といった表情でみているだけで怯える様子はない。
kn「もう二度と顔を見せないでね」
そう笑顔で言うと頭上に水流が掠めた。
次の瞬間相手は遠くの岩の方に飛んで行った。
帰りに少しきんときの家にお邪魔した。
nk「ねぇきんとき」
ふと気になったことがあった。
kn「ん、どーした?」
nk「何で俺を選んだの?」
kn「ん〜そうだね…」
kn「可愛かったからかな」
nk「え、ん〜…//な、違くてさ…」
kn「違うって何だよ〜」
そう言ってケタケタと笑う。
nk「何かもっとこう…力があるとかさ無いわけ…?」
kn「ん〜ない!」
nk「え、…無いの〜…」
nk「可愛い人なんていっぱいいるじゃん、別に俺じゃなくてもいいんじゃないかなって…ヒレだって綺麗じゃないし…」
kn「ん〜とね、可愛いからなかむにしたんじゃなくて、なかむが可愛いから選んだんだよ」
kn「だからなかむしか可愛い子はいないの、分かった?」
そう言うと頬をむぎゅっと両手で押される。
nk「む…わかっら…//」
kn「分かったならよし」
kn「じゃ夕飯の準備でもするか〜」
nk「手伝うよ!」
kn「ほんと?ふふ、ありがと」
そんな会話が幸せだなと感じた。