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春  の  花  を  摘  ん  で _

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春 の 花 を 摘 ん で _

2 - 第2話 #2

♥

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2025年07月23日

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部活終わり、練習を終えたやつから各自部室へと向かう。


ひとり体育館で自主練をしていた俺も、先生が帰る前に鍵を返さなければならないので、渋々練習をやめる。


部室の扉を開けようと近づけば、まだ話し声が聞こえてきた。


いつもこの時間まで残っているのは俺だけなのに。


ガラガラと一昔前の音を立てて扉を開ける。



「お!やっと終わったんか!」



声の主は銀島結。(通称:銀)俺と同様、2年の時には既にスタメン入りする程の実力の持ち主だ。



「なんや、まだ帰らんの?」


「侑のこと待ってたんだよ。銀とさ、ラーメン屋寄って帰るから侑もどうかなって。」



こいつは角名倫太郎。1年とき同クラでずっと仲良くしてる。他のやつに言えないような相談も全部聞いて貰っている。もちろん俺の好きな人の話も。



「すまんけど、今日は先客がおるんや」



そういうと銀の眉が少しさがったような気がしたので、 急いで「また今度一緒に行こな」とつけたす。



「じゃあ俺窓の点検してくるわ!」



窓の鍵が全部閉まっているか確認するのも最後の人の仕事だ。


銀が出ていったあと、少しの沈黙をやぶったのは角名だった。



「さっきのさ、先客ってまさか治さん?」


「な、ななんでわかったん!?」


「いや、なんとなく。いつもより念入りにシートで体拭いてんなって。」



いや、勘良すぎやろ。それだけでわかるか?普通。


でも、まあいつもより時間かけてたことは認めるけど。



「新作食べに来んかって言われてん。けどなぁ、行きたいけど、行きたない…」


「なんでさ?治さんに会うの嬉しくないの?」



そりゃ嬉しいに決まってる。けど…



「治の前だと素直になれんねん..だから、嫌われそうで怖いんや」


「まあしょうがないんじゃない?思春期だし。」


「他人事みないに言うなや」


「いや、実際他人事だし」



あと普通に緊張する。年上だからというのもあるけど、単純に好きな人だから。

それに、あのおに宮のオリジナルTシャツ。あれはやばい。現役時代に身についた筋肉(主に胸筋)で、いい具合に服が張って見えて、なんか、えろい。


(前、これを角名に言ったことがあったのだが、がっつり引かれた。)



この他にも、沢山治の惚れ話を聞いてもらい、いいところで銀が戻ってきたので帰ることにした。







─────






「じゃあ俺、こっちやから」



2人に別れを告げ、再び歩き出す。


10分程歩くと、おに宮が見えてきた。


近づけば近づくほど、店に入りたくなくなる。


だが、ずっとこうしている訳にもいかない。意を決して店内へと足を踏み入れる。



「いらっしゃいませー!」



元気なバイトさんの声。


このお店は、カウンターと厨房が一体化しているので、真っ先に治が目に入った。(他にもテーブル席や、畳もある)



「あ、店長ー、侑くんいらっしゃいましたよ!」


「おん、適当なとこ座らせといて」



治は一瞬こっちを見ただけで、また若い女性客との話に花を咲かせはじめた。


はぁ?なんやねん、あの態度。こっちは誘われたから来てあげてんのに!!もう知らん!


俺の指定席にしている、畳にテーブルが置いてある1番端の席にプンプン怒って座る。


俺がいつもここに座るのは、1番治が見えやすい場所だから。これは誰にも言えない秘密。



わがままなのはわかっている。治のアレは、いわば「営業スマイル」というもの。


治も好きでやっている訳ではない..はず。


でもムカつくもんはムカつくんや!!



「侑くん、何かたのむ?」



あの元気なバイトさんだ。



「水、お願いしてもええですか?治に新作の試食頼まれて来たんで、他は大丈夫です。」


「今持って来ますね、ごゆっくりどうぞ〜」




───



コト、とテーブルに水が置かれた。



ちびちび水を飲んでいる間にあの女性客は帰っていたようだ。気づいたら居なくなっていた。



ぼちぼち客足も少なくなってくる頃。


店にはまだ3、4人残っている。


だが、中にはさっききたばかりの人もいる。


これではあと1時間ほどは待つことになりそうだ。



「ふぁ、ぁ..」



食器の音や話し声をBGMにして、俺は眠りについた。









──────

───









「…む…侑!」


「んん…おさむ..?」



目を開けると目の前には治の顔があった。



「待たせてしもて、すまんな。最後の客が中々帰ってくれんかったんや。腹減ったやろ、なんか食べるか?」



まだ錯覚しきっていない頭を働かせる。



「…俺、新作食いに来たんやないの?」



すると治が少し申し訳なさそうな顔した。



「そんことなんやけどな、それ明日でもええ?時間も時間やし」



目線をずらし時間を確認する。既に午後9時をまわっていた。



「久しぶりのお泊まりやな。ゆっくり試食してもらえるしよかったわ」





は?  ハ?  ha?


お泊まり?いつ誰がそんなことすると言った?



「あれ、おかんから連絡こんかった?急に仕事入ったから、侑を俺ん家に泊まらせろ言うてたで 」



そんなん一言も聞いてへんし!


それに本当に泊まることになったら、家に帰る頃には人の原型をとどめていないと思う。


絶対に泊まってはいけない。



「明日学校やん、家おったほうええから帰るわ!」


「明日土曜日やで」


「お、俺おかんがおらんくても家おれるから帰る!」


「おかんもう家の鍵閉めてもうたらしいわ」



あと何か、なんでもいいから言い訳を..



「さ、明日も早いからはよ風呂入るでー」



会話は強制的に終了となった。



人生最大のピンチ、到来─





















NEXT♡500















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コメント

7

ユーザー

続き楽しみにしてました!次回も楽しみにしてます😆✨

ユーザー

今回もまじで最高すぎました! てかまじ治のあの大人の腹筋(?)がまじでエロいんはわかる。ていうな泊まりなんて…ッ!笑 500♡させてもらいました!次も楽しみにしてますッ😍

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