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コメント
2件
あ゛ー!もうこの2人ピュアピュアすぎてめっちゃ尊い!両片思いなのに何故…ッ!🙄 まぁ見ててめっちゃにやけましたw次も楽しみにしてます♪(500♡押しました)
先に風呂を済ませ、あとは寝るだけ、なのに…
(ぜんっぜん寝れへん!!)
ただでさえ好きな人とのお泊まりでドキドキが止まらないというのに…
「俺のベッド使って寝ててええよ」
って。いや寝れるわけないやろ!!
1人用にしては大きすぎるベッドに染み付いた治の匂い。
ボフッ(寝
一旦寝転がってみる。
うわ、匂いつよぉなった。
治の匂いに包まれて、なんだかハグしてるみたい。
「…ってなに考えてるんや!このアホぉ!!」
そもそもだ。そういう話は聞いたことがないが、もしかしたら彼女がいるかもしれない。
ていうか、ほぼ確定でいるだろう。だってあの治のことだ。世の女達が放っておくはずがない。
さっきの妄想で自分で自分の首を締めてしまった。ほんまアホ。
ふかふかのベッドに1つの枕。もし枕が2つだったら発狂案件だった。
「…もうええし!大の字で寝たるわ!」
でも寝心地は最高。
枕に染み付いているシャンプーの匂い。優しくて安心できるいい匂い。
「すぅ~..はぁ…ふふ..、//」
ダイレクトに嗅ぐことなんて滅多にないから気持ちが高揚した。
そのまま俺は夢への船を漕ぎ始めた。
─────
───
─治視点
少し歳の離れた兄弟が店にやってきた。試食を食べてほしい、というのはただの口実で、ただ会いたかったのだ。
昔はよく店にもきていたし、俺にベッタリだったものの、中学の最後くらいからはその素直さもなくなっていた。そんなところも愛おしく思う。
ただ、泊まるというのは予想外だった。でも嫌ではないし、むしろ嬉しかった。
寝室に行くと、すぅ、すぅ、と可愛い寝息をたてて寝ている侑の姿があった。
ベッドの真ん中に寝ているのは、きっと何かの反抗だろう。
端に寄せようと侑の肩に触れた時、腕を掴まれた。
「うおッ、」
「んん…ぉ、さむ…」
そのまま腰へ腕を回される。
あー、ほんま可愛ええ。
ベッドの上に横になると、離さないとばかりにぎゅうぎゅうと抱きついてくる。
意地なって反抗する侑もええけど、甘々な侑はもっとええなぁ。
「侑、大好きやで。」
「…す、き…」
ちゅ、ちゅと顔中にキスを降らせれば、たちまち侑の口角はへにょんとあがる。
「ふぁ、ぁ…」
侑の幸せそうな寝顔を見ていたらこっちまで眠くなってきた。
「おやすみ、侑」
最後におでこにキスを落とし、俺は眠りについた。
─────
───
温かい。そして重い。そこにおるん誰や?
…パチパチ(瞬き
「…はぁぁ!?!?治ッ!?」
一瞬で目が覚めた。だって、治と抱き合って寝ていたのだから。
「..朝から元気やなぁ、(欠伸」
「な、なんで治が.. 」
「なんでって、俺のベッドやし、ダブルベッドやからええかなって」
そうか、意識しているのは俺だけなんだ。治は俺の事をただの弟としか見ていないから何も思わないんだ。
「おはよう、侑」
「はよ、」
そう返事をすると治はニコッと笑い、部屋から出ていってしまった。
ふと目線を下げると、1冊の本が目に入った。
表紙や題名から恋愛小説だということが分かる。治が1番興味がなさそうなジャンルなのに。
気になり、手に取ってみる。
ピンク色の表紙にそれっぽい題名。それに手作りの花のしおり。男の淡白な部屋には似合わない。
彼女の忘れ物か。それともプレゼントか。
とてもじゃないけど中身を読む気にはならなかった。
これだからお泊まりは嫌なのだ。
おんなめの物があるだけで気分が悪いし、勝手な想像をしてしまう。
「侑ー、飯できたから下がってきてやー!」
とても行く気分ではないが、重い腰を持ち上げて立ち上がった。
昨日まではドキドキしていたこの部屋も、今では後悔だけが残っていた。
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