⚠注意⚠
注意書きは一話にあります。
➖コトコト
➖ポコポコ
➖グツグツ
ネザーウォートを潰して、醸造台に入れて煮詰める。ポーションを作る最初のステップ。
あとは作りたいポーションに合わせて材料を調合していく。聞いただけでは時間がかかりそうだが、浄化機構に醸造機構が整備されているので、仮にポーションを100個必要だったとしても一時間あれば完成する勢いである。
もちろん材料も豊富である。一番の重要で費用のかかる水は自らの手で作ることができるようになったため材料費に当てることが出来たのだ。おかげさまで多様なポーションを作ることに成功した。
耐火に俊敏、水中呼吸、弱化、毒。一番の成果は残留ポーションである。投擲の苦手な人にはおすすめできないが、ポーションが割れたところに一定時間効果を発揮する。例えば、毒の残留ポーションであったら割れたあたりに毒を発生させることができるというもの。
作り方は知っていたがなんせ割れたら効果を発揮するもののため、扱いが難しい。幾度と無く挑戦してやっとこコツを掴んできたところである。
スマイル:本当に見れば見るほど興味深いな……
チーノ:そう言っていただき光栄です。
スマイル:君のアイディアには驚きしかないな………
チーノ:…………
スマイル:……………
誰でもいい。この空気にまだ慣れないことに共感してくれ。
ポーションの開発にはスマイル様ときりやん様が主格となり行っている。他にも研究員はいる中で俺は、一人専用部屋でポーションを作る………というのが始めの話だった。(研究員からは近づきたくないオーラが見える……気がする。)
きりやん様は届いた材料や用具を運びに顔を合せる程度。ごくたまにご一緒に実験に対する議論ができるのは有り難いことである。
だが、スマイル様が興味本位なのかただいつもの話を聞いていないのか知らないが、いつもこうやって部屋に来ては俺の調合ノートや調合を見ている。無断で見ているわけではないからそれだけは良いのだが、ただ気まずいのである。
ただ耳に調合の心地よい音がくすぐるだけで、会話は起きない。しかし、俺からしてスマイル様は上である。いつ声をかけられるか分かったものではない。ボロを出さないか自分でもドキドキしている。
チーノ:あっ…
➖パリン
瓶を割ってしまった。しかも調合途中の。作っていたのは毒ではないため、薬品を被ったところで大きな被害はないが所詮は薬品だ。かかってじまったであろう手は赤く腫れ痛みを増してきた。
すぐさま水で洗い流す。戦争の際に使うもののため、中毒にならない薄さで効果を発揮させる、それが俺が作っているポーションである。前線部隊など戦闘要員は愛用それているみたいだ。
しかし、俺は体が受け付けないようでこうやってかぶれてしまうようだ。調合する材料を取ろうと手袋を外していた際に起きた事故だ。これからは手袋は常に付けていなければ……。
スマイル:……かかったのか?
チーノ:はい。すぐに片付けます
スマイル:いや、君は治療しなさい。ほおっておいていいことはないだろ?
チーノ:いや、でも……
きりやん:そういうときは、素直に「はい」っていいんだよ?
チーノ:!?!
スマイル:手当てよろしく
きりやん:はいはい
チーノ:どうして、
きりやん:?
チーノ:どうして、俺に優しくするのです?
きりやん:なんでって君は研究員だろ?それにブルックお墨付きの。
チーノ:……それだけですか?
きりやん:ん〜なんって言ったらいいかな………
スマイル:俺らは信用がなければ成り立たない。いきなり、これを買ってくれなんてどこに行っても買ってくれる人なんて居ない。
物を作って見せて、興味を引いて商品を渡して効果を知ってもらう。そこから商品を買ってもらう。そこから横に繋がりをと信用がなければ成り立たない。
きりやん:そうそう、俺達は人を見る目がなければやっていけない。ポーション用の水だってある意味詐欺だったわけだ。金が絡むし利益を黒くするには材料から。見抜けなかった俺らに否がある。しかも君の作るのもはシャークんのお気に入り。
こうやって実験しているのを見ていてもいいものを作ってくれる。それを信じざるを得ないだろ?
チーノ:そう簡単に信用してもいいんですか?俺が技術を見せてそうやって信用したときに反逆されてもいいと言うんですか?
スマイル:そんなことを考えているならもうすでにきんときにやられてるよ
きりやん:そうね。いちばん戦闘で強いのはシャークんだけど、嗅覚を持っているのはきんときだからな。
スマイル:そして何よりトントンさんから依頼された時点でNakamuは見切っている。頭の回るNakamuが押されているのをこの目で見たものに偽りなんてない。
彼ら一人ひとり自分の得意な方法で信用しているのだ。彼ら同士の繫がりも同じようなものだろう。それかお互いに騙し合っているのか……。
少なくとも俺らとは違う。あいつに引っ張られ仕事を押し付けられ、戦争のない日には喧嘩して。
いや同じか。
あいつらも、信用がなければ戦場であんなに罵詈雑言が響くことなんてないだろう。
俺はまた騙すのか。
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