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鳥の歌声、書き手もなく

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鳥の歌声、書き手もなく

36 - 第36話とりさまAIと性別の壁ー

♥

9

2022年07月31日

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花壇に水をやる少女がいた。

「うん! これでよしっ!!」

ホースを片付けようとすると、後ろから声をかけられた。

「あーちゃん先輩おはようございます~♪」

後輩の真希乃だ。

「おっはよう真希乃ちゃん!! 早いねぇ!!」

真希乃はひまわりのような笑顔を浮かべていた。

朝から元気いっぱいである。

「えへへ~。いつもより早く目が覚めちゃったんですよぉ~。

それで、ちょっと早起きついでにお水やりでもしようかなぁと思ってきたら、あーちゃん先輩を見つけました」

真希乃が屈託のない笑みを見せる。

(可愛い子だよなぁ)

天音は素直にそう思った。

自分なんかと違って純粋で可愛らしい良い娘だと。

そして、自分のことを『あーちゃん』と呼ぶ。



他の患者への紹介状を書くため、少し席を外すという葵を待つ間、つばさは自分の身体について考えた。

(男の人になってる……)

鏡を見てないから実感がないが、自分の身体なのだ。

自分が一番よくわかるはずなのに、まだ信じられない気持ちがあった。

自分の胸に手を当てる。柔らかい膨らみは無い。

ペタペタと触っても硬い筋肉しかない。

股間にも触れてみる。そこにあるはずのものがない。

自分の身体なのによくわからなくなってきた。

それでも前に進むしかないのだ。

*

***


それから一週間後。

病院に呼び出されたつばさは、診察室で葵と話していた。

「あの、なんでしょうか?」

葵は少し緊張した面持ちだ。

「えっと、今日呼んだ理由はいくつかあるんだけど……」

言い淀んでいる。

「何かあったんですか?」

「こちらこそよろしく。翼くん」

握手を交わす二人。

(……ん?)

違和感を覚えた。

そしてすぐにわかった。自分の呼び方だ。

今まで通り、「つばっち」「つばさちゃん」と呼んで欲しかった。

だが彼女は違う呼び方をした。

「翼くん」

そう呼ぶと決めたようだ。

つばさもそれに合わせることにした。

「あー、なんか変な感じですけど、慣れるように努力します」

「……無理しないでくださいね」

「ところで、先生は何歳ですか?」

「28歳です」

自分より5つ上だった。

見た目的にはもっと若く見えた。

白衣姿のせいで大人っぽく見えるのだろうか。

それとも童顔なのか。

どちらにせよ美人であることは間違いない。

胸が大きいことも、つばさにとっては重要ポイントであった。

◆ 翌日。午前10時30分過ぎ。

つばさは退院した。

自宅まで車で送ってくれるというので、甘えることにしていた。

病院から車までは少し距離があった。

駐車場に着くまでの間、葵が口を開いた。

「何かあったらすぐ相談して下さいね」

葵は微笑んでくれた。



************

「面白い!」「面白かった!」と思っていただけたらフォロー・評価☆等いただけると励みになります。

特に星レビューしていただくと執筆モチベーションがめっちゃ上がります(★1つでもいいのでください~)

皆様のお時間潰しになれば幸いです。

******



――あれから一週間後。

「うーん。難しいわねぇ」

白衣を着た女医が、腕を組んでいる。

ここは都内にある大学病院の一室。

目の前にいるのは、車椅子に乗った少年。

「あのぉ……。何かわかりました?」

恐る恐る質問した彼に、彼女は答えた。

「性別が変わるなんて聞いたことがないから、なんとも言いようがないんだけど、一応調べられる範囲では調べたつもりよ」

「そうですか……」

「あぁ、そんなに落ち込まないで。あなたが悪いわけじゃないし」

彼はうつむいて自分の身体を見た。

胸元にあった膨らみはなくなり、股間についていたモノもない。

つまり、『女性化』しているということだ。

「でも、本当に不思議ね。染色体とか遺伝子レベルでも変化してるみたいだし」

医師の言葉を聞き、つばさは自分の身体に起きたことを思い返した。

(一体いつの間にこんなことになったんだろう?)

――遡ること三日前。

診察室で葵の説明を聞いたあと、二人はそのまま病棟に移動した。

入院患者用の病室ではなく、一般外来患者の待合室だ。

平日昼間ということもあってか、ほとんど人はおらず静まり返っている。

待合室の奥にある休憩スペースの一角で、葵が椅子に座ってタブレットを操作していた。

「あぁー! つばさちゃ〜ん!! 待ってましたよ〜」

顔合わせの後、診察室でしばらく話をした。

性別が変わる前の自分のことを聞かれたが、答えられなかった。

思い出せなかったからだ。

家族構成など、日常生活に必要な情報は覚えているのだが、自分にまつわる記憶がほとんど抜け落ちていた。

葵によると、脳の記憶を司る部分がうまく働いていないらしい。

なので、これから徐々に思い出していくようにとのことだった。

また、今は忘れていても、いずれ思い出すかもしれないということだ。

それはそれで嬉しいことだった。

思い出したいことはたくさんあるのだ。

ただ、自分がなぜこんなことになったのかだけは知りたかった。

「では、今日のところはこれくらいにしておきましょうか」

葵が時計を見た。午後6時30分になっていた。

「あ、あの! 最後に一つだけ教えてください」

「なんでしょう?」

「どうして、わたしなんかのためにそこまでしてくれるんですか? だって、普通じゃないんですよ!?」

当然抱く疑問だと思った。

「わたしも昔、同じことで悩んでましたから。そのときに助けてくれた人がいました。

今はここにいないけれど、あの人のおかげで今の自分があると思っています」

「……大切な人だったんですね」

「今でもとても大切です」

つばさの目を見てはっきりと言う。

「だから今度は自分が誰かを助ける番だと思いました」

葵の言葉を聞いているうちに、目頭が熱くなった。

涙が出そうになるのを必死に抑えた。

(泣いてる場合じゃない)

彼女は自分に言い聞かせた。



「でも、困ったわね」

葵が腕を組んで考え込んだ。

何か問題が発生したようだ。

「どうしたんですか?」

「男性ホルモンの影響なのかしらね。筋肉量が多すぎるみたいなの。トレーニングルームの使用許可出しておきました」

確かにつばさの体はかなり鍛えられている。

元々スポーツマンであるものの、筋トレマニアというほどではない。それでも今の自分の身体を見ると、腹回りとか二の腕とか太股あたりに、少し贅肉がついている気がした。

とはいえ、まだまだ普通の範囲だと思っていた。

ところが、体重計に乗ってみると……

「増えてる!? なんで?」

思わず声が出た。

ここ最近、ランニングをする日が増えたのだが、その成果が出ているのだと思った。

でも、数字を見た感じだと、むしろ減っているはずなのに。

(まさか……)

恐る恐る下腹部に手を当てる。すると……

「あー! ある!!」

喜びの声をあげる葵。

「やったー! これで合法的におっぱい揉めるわ!!」

前言撤回。やはり彼女は変人だ。

こうして、つばさは葵と共に元に戻る為の研究を始めることになったのだ。

【あとがき】

お読みいただきありがとうございます。

次話は2月15日(土)投稿予定となっております。

************

***

【後書き】

拙作を読んでいただきありがとうございます!

★評価・フォローをいただけますと大変励みになります!! 是非よろしくお願い致します!! 翌朝6時半頃――


「おはようございます」

いつものように朝早く出勤したつばさだったが、様子がおかしかった。

「あ、おはよーつばさちゃ……ん!?」

「えっ? えっと……どちら様でしょうか?」

そこには見知らぬ男性が立っていたのだ。

白衣を着た20歳前後の若い男性だ。

細身だが長身で端正な顔立ちをしている。

彼は少し困ったように笑っている。

そして何故か目を見開いて驚いている様子だった。

(えっ? 私何か変なこと言いました?)

困惑している彼に、つばさはハッとした。

今の自分の姿を思い出したのである。

身長180センチを超える長身の自分。

女性にしてはかなり背が高い方である。

そんな自分が着ているものはブカブカの男物シャツ一枚だけである。

しかも下は何も履いてない。

パンツすら無いのだ。

(……なんなんだこの状況)

朝起きてすぐに着替えさせられ、朝食を食べているところだ。

ちなみにパンである。

牛乳も飲まされている。

(まるで入院患者みたいじゃないか!)

朝食を終えてしばらくすると、葵が来た。

白衣を着た姿は新鮮だが、あまり似合っていないように思えた。

「お待たせ~! 待った?」

いつもどおり明るい笑顔を浮かべながら待ち合わせ場所に駆け寄る少女がいた。

身長は160cmくらいだろうか。

セミロングの髪を後ろで束ねている。ポニーテールという髪型だ。

胸元は大きく開けており、健康的に日焼けした肌が見えていた。

服装も露出が多く、活発な印象を受ける。

そして顔立ちはかなり整っており、アイドルと言われても不思議ではないレベルであった。

彼女は天音愛理衣(あまねえり)。16歳である。

「おっそーい! 10分遅刻だよ! 罰金100万円!」

腕を組みながら不機嫌そうな顔をしている小柄な少年がいた。

彼は神崎翼(かんざきつばさ)。同じく16歳の高校生である。

背が低く童顔なので、中学生でも通用しそうだ。

髪は長く伸ばしているがボサボサであり、前髪が長く目を隠しているため表情はよく見えない。

無地のTシャツの上に薄いパーカーを着ており、下はジーパンを履いている。

一見するとどこにでもいるような平凡な男子だが、彼の場合は少し違っていた。

それは彼が魔法使いであるということだ。

「こちらこそよろしくね! 翼くん♪」

二人は固い握手を交わした。

つばさは葵と共に病院を出た。

駐車場に向かう道すがら、彼女は訊いた。

「それで、これからどこに行くんですか?」

「んー? 特に決めてはいないんだけど……とりあえず車に乗ってくれるかな?」

言われた通り助手席に乗り込む。

運転席に乗る葵を見て、思わず目を見開いた。

「……すごい車乗ってますね」

車は、いわゆるスポーツカーというやつだ。

黒塗りの長い車体に大きなエンジンを積んだ車種。

こんなもの高校生が乗るものではないはずだ。

「あぁ、これ? お父さんのなんだー。たまに乗せてもらってるんだけど、運転楽しいよ」

彼女は嬉しそうに笑った。「こちらこそ! 頼りにしてます。つばさくん!」


***

それから三週間後。

二人は病院内のカフェテリアにいた。

朝ごはんを食べ終え、コーヒーを飲みながら寛ぐ二人。

テーブルの上には、葵のタブレット端末が置かれている。

そこには、つばさのレントゲン写真が映し出されていた。

胸部X線撮影の結果だ。

心臓を中心に胸骨が広がっている。肋骨も少し伸びているようだ。

そして、その中心にあるはずのない物体があった。

男性特有のアレである。

「これは、間違いありませんね」

葵の言葉に、つばさは無表情のまま答えた。

「はい」

葵が口を開く前に、彼は言葉を続けた。

「でも、これって普通なんですか?」

「いえ。こんな症例は初めてなので、私も必死になって調べないといけなくなりました。これからは毎日病院に来てください」

「わかりました。あの……」

「ん? なんですか?」

「一つだけ教えてください」

「なんでも聞いて下さい」

「元に戻る可能性はあるんですよね?」

不安そうな顔を見せる少女に対して、彼女は自信満々に応える。

「もちろんです! 絶対に戻ります!」

「よかったぁ~。信じてもらえて」

胸を撫で下ろす葵。

そして彼女は改めて名乗った。

「改めまして、精神科医の朝凪葵です。よろしくね。つばさくん」


***

それから1ヶ月後―――

つばさは、男性としての生活に慣れつつあった。

(慣れない方がおかしいんだけど)

男子高校生として生活するために必要な知識を身に付けるため、つばさは葵と共に図書室に来ていた。

カウンターにいる図書委員らしき女子生徒に声をかける。

「あの、ちょっと調べ物したいんだけど、ここ使ってもいいですか?」

彼女は少し困ったような顔をした。

「あー、悪いけど今日休館日なんだよね」

「あっ! そうなんですね。すみません」

思わず謝ってしまうつばさ。

すると、奥の方にいた眼鏡をかけた長髪の女性司書教諭がこちらにやってきた。

「あら、何かしら?」

「いえ、大したことではないんですが……」

つばさは事情を説明した。

「それは大変ね。私でわかることだったら協力するわ」快活に笑う彼女を、葵は眩しく感じていた。


***

つばさは自分の体の変化について調べるために、定期的に通院することになった。

とりあえず1週間後の予約を入れたあと、葵はつばさを連れて病院を出た。

するとすぐに、駐車場に見慣れない車が停まっていることに気がついた。

白塗りの外車だ。いかにも金持ちが乗るような高級車である。

運転席にいるのは、細身で長身の男。年齢は二十歳そこそこだろうか。

顔立ちはかなり整っている方だが、どこか近寄り難い雰囲気があった。

男は二人を見つけると、助手席側のドアを開けて出てきた。

そして、丁寧なお辞儀をした。

「初めまして。小鳥遊優といいます。葵さんの上司になります。担当医師兼研究主任なので気軽に話しかけてください」

白衣を着た女性が現れた。背が高い。170cm以上あるかもしれない。

「あ、あのっ! はじめまして! 高峰つばさと言います!」

緊張気味に応えると、彼女はクスリと笑った。

「かわいい。葵さんが連れてくるわけだわ」

ドキッとした。一瞬だが、見惚れてしまったのだ。

(私、こんな人に憧れていたのかな?)

自分より大人っぽい容姿の女性。

今まで会ったことのないタイプだった。

「葵さん、これでもわたし26歳だよ? もっと年上に見えるとか言わないでね?」

まるで心を読まれているようだった。

少しムッとしている様子だ。

「あのー、なんですか、その先生っていうのは」

「だって、年上だし、女の人じゃないですか。先生でしょう?」

今度は葵の方が困惑した表情を浮かべていた。

そしてしばらく考えた後、彼女は口を開いた。

「確かに私は女性ですけど、でも今は男の体です。それに年齢は一つしか違わないと思いますよ?」

「あぁ、確かにそうかも知れませんね」

冗談めかすつばさに、葵も笑顔を見せた。


***

それから一週間後。

彼女は、ある決断をした。

「あの、葵さん。私をしばらくここに泊めて貰えないでしょうか?」

「えっ!? どうしてですか?」

「私の体は男性になっています。このまま家に帰っても、家族が混乱してしまいます。もちろん、父にも母にも連絡済みです。そして父は……私が男になっても構わないと言ってくれました。それでもやはり……親としては娘である私を心配してくれています。なので、これから行く病院で事情を説明しようと思っています」

葵と共にタクシーに乗っているつばさは病院へ向かう道すがらに、自分の体に起こった出来事を説明した。

「そうなんですね。では、あなたのお父さんお母さんに会う前にいくつか質問させて下さい。性別が変わる前と変わった後で一番違うことはなんですか?」

葵からの問いに少し考えるつばさ。

「胸が無くても、女性ホルモン分泌されなくても、立派なレディだもん! あーっ!!」

自分の言葉に反応した美紀を見て、つばさは思わず吹き出した。

「笑うなぁ~!! ちょっとでも笑ったら怒るからね!?」

顔を真っ赤にして涙目になりながら訴える美紀に、つばさはさらに大爆笑した。

そんな二人を遠巻きに見つめている少女がいた。

白衣の少女――夏川真涼である。

彼女は無表情のまま、スマホを取り出し電話をかけ始めた。

***

「はい。わかりました。ありがとうございます」

真涼は電話を切り、ため息をつく。

目の前には、二人の男が立っていた。

一人は二十代の若い男性。もう一人は三十代の男性だ。

どちらも中肉中背だが、少し筋肉質に見える。

二人は真涼の前で膝をつき、こうべを垂れていた。

「報告いたします。天道様」

若い方が口を開いた。

「《《彼》》への接触に成功しました」

薄暗い部屋の中で、黒髪の男の声だけが響く。

ここは秘密基地だ。

様々な情報が集まる場所。

彼の目の前にあるモニターには、見慣れない少女の姿があった。

「こちらからの呼びかけにも反応しています。このまま観察を続けてください」

「了解した」

男は画面に映った彼女を指差す。

「では、《《これ》》について簡単におさらいしていきます」

葵はタブレット端末を取り出した。

「これはわたしが作った患者さん用のアプリです。

患者さんのバイタルデータが自動記録されていきます。

何か異常があった場合は、すぐにこちらに連絡が来るようになっています。

ちなみに、つばさちゃんの場合は、男性器のデータのみを記録しています」

画面には、自分の下半身の写真が表示されていた。

そこには、いつも見慣れているものと同じものが写っている。

「あ、安心してください。もちろん、女性のものもちゃんとありますよ」

葵はつばさの顔色を見て、補足した。

「えっと、これからいくつか質問をしていきたいと思います。

答えたくないことは言わなくて結構です」

葵はまず、簡単な問診を開始した。

「体調が悪いとかはないですか?」

「特にないです」

「最近、気分が落ち込むとかもないですか?」

「全然ないです」

「好きな人はできましたか?」

つばさは即答できなかった。

脳裏には、沙代の顔が浮かぶ。

(あの子以外に、わたしが好きになる人なんていない)

「いえ、別にいないです」

少し間を空けてから、彼女は返答した。

「こちらこそ。よろしくお願いします。つばさくん」


***

【あとがき】

ここまで読んでいただきありがとうございます! もしよろしければ☆評価やフォローなどしていただけますと幸いですm(_ _)m

(作者のモチベーションが上がります笑)

今後ともこの作品を楽しんでいただけるよう頑張っていきますので応援よろしくお願いします!! また次回も読んでいただけたら嬉しいです。

では、失礼致します。

つばさの身体の変化の原因解明のため、2人は病院に来ていた。

「血液検査の結果が出ました。やはり女性ホルモンの数値が大幅に低下していますね」

「原因は特定できていますか?」

医師の言葉を聞いた葵が尋ねた。

「はい。先日お話しさせていただいた通り、性染色体がXYからXXに変化したことで、男性化に伴う体内変化が起こっていると考えられます。

そのため、血中の女性ホルモンが減少しています」

「つまり、ホルモンバランスが崩れているということですか?」

「その解釈で問題ありません」

葵の顔つきが変わった。今までのおちゃらけた感じは一切ない。

「うん。これからは、『先生』と呼んでください」

こうして、TS症候群患者・山吹翼と精神科医・一之瀬葵の共同戦線が始まった。

「あのー。ちょっと質問してもいいですか?」

葵が白衣を脱いで椅子にかけながら、つばさに声をかけた。

「ん? なあに?」

つばさも着替え終わっていた。病院着ではなくTシャツとジーンズだ。

ちなみに下着はボクサーパンツである。トランクスだと違和感がありすぎるのだ。

Tシャツの下には何枚もタオルを巻き付けている。

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