テラーノベル
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あの頃と変わらない表情筋の動かし方と変わり果てた瞳の差が、再会以上の混乱を招く。
🧣「pt…?」
🥂「あなたの名前は?」
🧣「え」
錯乱しきった脳に自分のことを覚えていないという絶望は、正気を失うのには十分なものだった。
🧣「嘘だ…」
黙りこくってしまったorの顔を覗き込み、眉をさげながら心配する。
🥂「えーっと、大丈夫ですか?」
🧣「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!」
配給のトレーや貸し出しの本を取って投げ捨てる。割れた皿の欠片が刺さっていようと気にも留めず、痛みを感じる夢から醒めようとする。
🧣「夢なんだこれは!何回も、何回も見てきたあの夢なんだ!!」
🥂「え⁈お、落ち着いてください!」
🧣「うるさい!夢如きが俺に関わってくるな!目障りだ!!!」
格段に強い言葉を放つと同時に、固められた拳はptに向かって勢いよく放たれた。
…が、その拳は看守によって易々と止められてしまった。そのまま見事な袈裟固めを喰らい、エネルギーを使い切って倒れ込む。
ザザッ
看守「囚人1名が他の囚人1名に対して暴行行為。既に鎮圧済み。これより2名を病棟に運ぶ。」
🥂「怖い…」
視界がホワイトアウトする直前に聞こえたその言葉が、頭の中で反響する。
?時間後
🧣「…zzz」
🧣「…ぅん?」
開いた目に真っ先に飛び込んできたのは真っ白な清潔感のあるカーテン。それと同時に手から伝わる感触から自分のいる場所がベッドの上であることに気づく。
🧣「病棟…か?」
🧣「早く夢から醒めなくちゃ…」
ノソ…
医者「ちょっと!何してるんだ君!」
🧣「俺はこの夢から醒めなくちゃいけないんだよ…」
医者「落ち着いて!ここは現実だし、君は酷い怪我を負っているんだよ⁈」
🧣「違う。夢なんだ。ptがあんなこと言うはずがない。」
医者「参ったな…怪我してるのに精神錯乱で動こうとするのか…」
医者「にしてもptくん?あの子は確か、記憶喪失に近い状態だったはずじゃ…」
🧣「!それ本当ですか⁈尚更早く会って説明しなくちゃ…!」
医者「落ち着いてってば!」
強引に、しかし傷口に触れないよう注意しながらベッドの上に連れ戻す。
医者「ふぅ…記憶喪失の相手に大量の情報をいきなり与えたら鬱になって悪化する事だってあるんだよ」
🧣「!それは…ごめんなさい」
医者「分かってくれたならよろしい。相手を考える気持ちはいいけど、自分の事も大切にね。ここは夢じゃ無いんだから、脆い人間は直ぐに死んでしまうよ」
🧣「はい…」
少し脳内の絡まった糸が解けたように思えた。大人しくベッドの上でじっとしていると安心感からくる眠気が襲ってきた。抗う必要もないので、そのまま横になる。
医者「にしても上の奴らめ…身辺調査ぐらいしとけっての!上意下達が過ぎるだろ!この前もアレルギー検査の結果送られて来なかったし…看守側の血液型さえ送られてこないし!あと」
管理者側への愚痴が漏れ出して止まらない。
??「すいません、呼び出しを受けて来たんですが…?」
医者「あぁごめんね。or君がようやく落ち着いたみたいだから、今日のカウンセリングを始めようと思って」
医者「じゃあ、そこに座ってくれる?」
医者「pt君」
🥂「はい!」