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深い深い 森の奥にあるこの家は
おはなし屋さんです
心が弱い 彩結（さゆ）と
大きなぬいぐるみが
一緒に住んでいる
いろんな人の悩みを聞く家です
＊
心の弱さで悩む 彩結のように
悩みで悲しむ人を助けたくて
彩結は おはなし屋さんを はじめたのです
「きみの お話を聞くことしかできないけれど
．助けになれたら 嬉しいな」
＊
.˚⊹⁺‧┈┈┈ おはなし屋さん ┈┈┈‧⁺ ⊹˚.
小さな悩みも 大きな悩みも 聞きますよ
注意：本当に 聞くことしか できません
．．．本当に 悩みを解決する
．．．アドバイスは 出せないのです
そう書かれた 小さな看板が
ぶら下がっているとき
深い深い 森の奥にたつ小さな家でも
お話をしにくるお客さんが 来るのです
＊
おはなし屋さんは お客さんに好評です
悩みをただ 聞いてもらうだけでも
楽になれました
彩結は知らないけれど
会話の中で彩結が 無意識に出してくれた
小さなアドバイスに
お客さんは 助かっていたのです
＊
だけど そんなおはなし屋さんも 大変です
いろんな人の悩みを 聞いていると
聞いている彩結まで 一緒に悩んで
悲しんでしまうのです
おはなし屋さんは
夕方になれば 誰も来なくなるので
小さな看板を片付けます
＊
今日は珍しく ４人もお客さんが来たので
彩結の心は疲れきってしまいました
悲しいよう 寂しいよう
疲れた心を治そうと 彩結はめいっぱい
えーん えーん と泣きました
だけど 彩結がどれだけ泣いても
悲しい 寂しい は
なかなか消えてくれません
彩結のおめめが 真っ赤になった頃には
外は真っ暗 夜になってしまいました
＊
今日は 何もしてないの
何も何も 頑張れなかったの
頑張ることは 嫌いだけど
こんな僕が １番大嫌い
＊
眠いけど 寝たくない 寝たくないの
時間さん もっと ゆっくり流れてよ
僕は今日 まだ何も頑張っていないから
僕が泣きやんで 何かを頑張れるまで
今日を終わらせないでよ
彩結はとうとう 泣き疲れてしまいました
＊
落ち着かなきゃ おめめも痛いよ
いっぱい寝て また明日 元気になろう？
大きなぬいぐるみが
背中を優しく撫でて そう言ってくれました
そして 明日はおはなし屋さんもお休みして
ゆっくり休もう
彩結は 今日 頑張ったよ
＊
彩結にとって 話を聞くことは
頑張るものだと思っていなかったので
驚きました
そして 自分が頑張れたことが
なんだか恥ずかしくて 嬉しいのです
＊
彩結はやっと 疲れたまぶたを 閉じました
おめめは真っ赤なままだけど
もう涙は出ていません
彩結の寝顔は 笑顔でした
おしまい
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お悩み相談のタグを付けていますが、もし彩結と少しでも似た心情の方がいれば届いてほしいなと思い付けました。
作者が病んだ日の夜に感じることと、かけてもらいたい言葉を元に、彩結の設定に合わせて作った物語です。
僕は彩結のように悩みを聞けません。ただ、吐き出すだけならコメントに書いていって構いません。
紛らわしくて申し訳ございませんでした。
参考やパクリはNGとさせていただきます。作品トップのあらすじ欄から、【OK】と【NG】を確認してくれるとありがたいです。
