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⚠️注意⚠️この作品は、ペルソナ5という作品のオマージュ作品となっております。苦手な方は、そのままカムバックでお願いします。それでもかまへんよ!って方はお進み下さい。


✂︎—————–㋖㋷㋣㋷線——————-✂︎


翌日、葵は未だ拭えない喪失感を抱え登校した。あの少女の事、猫の事、あの世界の事。先日、起こった何もかもが気になってしょうがなかった。

いつもなら、些細な事だと捉えて済ます筈だが、葵にとっては先日の事は別だった。

「……ふぁ〜…くそっ、結局昨日の事が気になってろくに眠れなかったな…」

「もう1回会えねぇかな…、今日もあの路地に行ってみるか…?」

そんな事も考えたが、先日、少女との別れ際に言われた事が、頭をよぎった。


「……この場所には…もう二度と来ないで」


別れ際、少女に吐き捨てられた言葉。しかし、あの路地裏にまた行けば、今度こそあの世界の事を聞けるかもしれない。そんな諦めの悪い事を、考えずにはいられなかった。

「…はぁ……とりあえず屋上にでも行くか、授業ダリィし」

葵は、いつも通り下駄箱に自分の靴を入れ、上履きに履き替え、重い足取りで階段を登り始めた。



いつも通り少し重たい屋上の出入り口を開けようとすると、聞き慣れない話し声が聞こえてきた。

「〜〜〜〜〜〜〜?」

「…~~~」

(なんだ?先客か?珍しいな)

そんな事も思ったが、よくよく聞いてみると、どこか聞き覚えのある声だった。葵はゆっくり、音を立てないように出入り口を開け、辺りを見渡した。

まさかとは思ったが、その葵の予想は当たった様だった。葵の視界には、この高校の規定に基づいた上着を、黒いパーカーの上に身につけ、綺麗な銀髪をそよ風に靡かせている姿、その隣には、尻尾を左右に揺らしている猫の姿が見えた。

だかその後ろ姿は、屋上を縁どっている背の高いフェンスの向こう側に見えた。どうやら、縁どっているフェンスを背にし、たった60cmあるかないかの、狭い隙間に座っている様だった。

(なんでそんな所に座ってんだよ…)

そんな事を思いながら、葵は少しづつ、その後ろ姿に近づいて行った。すると、会話の内容が聞こえてきた。

「たまには違う物食べろよ〜、いっつも同じパンじゃねぇかよ〜」

「……これが1番お腹に溜まるの」

「そりゃ腹に溜まるのはいい事だけどよ〜?もうちょいバリエーションをだな〜?」

「…やっぱりお前らか!!」

葵は、声を上げた。

すると、”少女”と話していた”猫”が葵の方を見た。

「なんだよ〜、誰だ?急に大声出しやがって…ってお前!!昨日の鈍臭い奴じゃねぇか!」

「誰が鈍臭い奴だよ!!俺にどんな印象持ってんだよ!」

「うるせぇっ!!どんな印象持ってようが吾輩の勝手だろ!てかお前なんでここにいんだよ!!」

「俺もここの高校の生徒だからだよっ!!」

「んな事知るかよっ!!」

フェンスを挟んで2人の言い合いになっている中、少女は葵に背を向けたまま、無表情で黙々とパンを齧っていた。葵の方を振り返る素振りすら見せなかった。

「てかお前ら!なんでそんな所に座ってんだよ?!落ちるぞ?!」

「いちいち声がデカいんだよお前…、ちょっとは静かに出来ねぇのか?」

「いや、お前らがそんな狭い隙間に座ってるからだろ…?」

「吾輩は、コイツが座りたいって言うから、一緒に座ってるだけだ」

「……じゃあお前!なんでそんな所に座ってんだよ?」

葵は少女に向かって言った。少女は、葵を見向きもしない様子だったが、一瞬パンを齧るのを止め、口を開いた。

「……ここの眺めが好きだから」

「……?だからってそんな所に座る必要あんのか?」

「…フェンスが邪魔」

「あ〜……なるほど…?でもお前、そっから落ちたら一溜りもねぇぞ?もしかしたら死ぬかもしれねぇし」

「………」

少女は少しの間黙った。

しかし、すぐに口を開いた。


「……別に…死んでもいいし」



to be continued

ペルソナα 第1章

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