シェアする
episode 6「僕らの架け橋」
なろさん視点
「よいしょ…」
僕は今朝食を作っている。いくら栄養を取る必要があるとはいえ、
「翔くん、味しないんだったよね。なんか作りたくない気がするな」
作ったものを皿に盛り付けトレーに乗せて、翔くんに持って行った。
「翔くん、朝ごはんだよ!」
「……」
いつもの彼なら笑顔で「ありがとう!」と言ってくれる。でも今日は何も言ってくれない。
「翔くん、ありがとうは?!」
気づかない間に、そんな言葉を発してしまった。翔くんは、必死に何かを説明している様子だ。
こんなものを見て、聞いていたらおかしくなってしまいそうだ。
「レイナちゃんっ!!」
「なろくん、何があったの?!」
「翔くんに何かしたでしょ?」
「違うって!」
「この嘘つき!」
僕らは、同じ目的に向かって走っていたはずなのに、どうして対立しているの?
本当になんで? 病気って、
こんな症状もあったの?