episode 7「花束をあなたに」
レイナ視点
私は、勤務先にしばらくの休暇願を提出した。なろくんが、私が翔くんに何かしたのかということをみんなに広められ
家事を一人でやらなくてはいけなくなったからだ。
洗濯を干して、次は看病だ。
翔くんの視線は、私に定まっていなかった。
「ねえ、翔くん! 私のこと見えるの?」
大きな声で、はっきりと言った。翔くんは、
首を横に振った。
「嘘でしょう…?」
すぐに首を縦に振り肯定した彼は、普段は澄んでいるサファイア色の瞳が、どんどん暗くなっていく。
「また翔くんと余計なこと話してるんじゃないよね?」
遠くから声が聞こえる。そろそろ行かなくてはいけない。
私は残った家事を片付けに…いやすでに終わっていたので花屋へ向かった。
「こちら、今月おすすめの花束ですよ! ガーベラ、カモミール、フリージアのセットです」
「それください」
私は迷わずにそう言った。色は…青系だね。
限りなく白に近い水色の布で包んでもらい、家に持ち帰った。
こっそりと翔くんのベッドの近くに飾って、あとはいつも通りに過ごした。
しばらくして、飾った花の花言葉を翔くんがかいくんに聞いたのは、本人達しか知らない。
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