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#ファンタジー
橘靖竜
1…これでこそ。
此処は、妖と人間が共存する世界。
妖とは、古くから人間と共存してきた人知を超えた不思議な力を持つ妖怪のこと。
妖にも複数の種族があり、その多くが動物を伝う。
同位の妖同士が結びつき、互い種族を反映させる。
妖は、その動物の主とされ、妖は、その動物の中から、自分の第一信頼者として先頭を連れ、先頭が会議の間を見張る弟頭を連れる。
妖の宗家「藤堂家」。
白鳥の妖娘と白狐の妖男が結ばれた、混族宗家。
二人の間に産まれた長男と長女共々、地位の高い狼の妖として、社会へ出ていった。
そして、末男は鴉の妖。
妖とは、人間界で共存するためにも、人間界で嫌われている動物を操る族は存在してこなかった。
だが今回、人間界でも疎まれる鴉の妖が、妖の宗家「藤堂家」から産まれてしまった。
鴉の妖が産まれたからと言って、「藤堂家」の名が落ちる訳では無い。
だが、末男「鴉刀」の存在は上ずるものではないだろう。
午前八時。
通勤 通学ラッシュに見舞われた街なかは、車と人で詰められていた。
その中で、人間世界で共存する妖は、自分の伝う動物を連れ、街なかに紛れる。
人間たちは、妖が引き連れている動物の大きさや数で、身分を判断する。
そんな中、一段と立派な構えを持ち、堂々としているのが、妖宗家の「藤堂家」
家紋には、狐や白鳥が彫られている。
そんな屋敷から一人の男子高校生が姿を現した瞬間、周りの電柱で構えていた鴉が一気に飛び立つ。
「藤堂家」末男、鴉刀。
彼の両方に乗っている二羽の鴉。
鴉刀の分鳥、鴉の先鳥。
人間たちは、鴉刀が引き連れるカラスの数に、呆気を取られる。
鴉たちは、先鳥を先頭に空を飛びながらも、阿東の行く先に守護体制を取る。
妖とは、その動物の主となり、神主を肩に乗せ、子分を引き連れ生活する。
そして、主に選ばれた動物たちは、人生をかけて主を守り抜く。
行く先々で、鴉刀より身分の低い妖たちは深々と礼をし、道を開ける。
右肩に乗った先鳥は、背後から圧をかけ、誰一人触れさせはしない。
空を飛び交う鴉たちは、声を挙げ、主を導く。
人間たちからすれば、迷惑でしかない。
これでこそ、鴉の主なのだ。
____________________________
高校につき、鴉刀は頭を下げた妖たちを気にせずに、教室につき、席に座る。
妖と人間は、同じ教室で授業を受ける。
弟頭だけがともに教室に入り、先頭は他の先頭たちと交流を深める。
型に乗った弟頭は、口を開けることなく、ただただ見張る。
決して、主の名を汚し、害になることは許されない。
鴉刀が学校の際は、弟頭だけを連れ、過ごす。
弟頭にはペンダントがつけられており、付いている石が地位を示す。
そのため、「藤堂家」の弟頭たちは、胸を張って主の方に留まっている。
「あとくん!」
聞き慣れた女性の声がした。
Next…..ついに、姉登場!?
おまけ…
妖が勤務中や、学習中は、先頭たちでのひとときが始まる。
各々が手土産を持ち寄り、小さなお茶会が開かれる。
その中では、主の近況報告や、日々の愚痴などを吐きあう。
その下位では、地位などは関係なく、同位として扱われる。
今回は、亀、鶏、梟、木菟族の先頭が集まった。
今日は珍しく、木菟の先鳥が主の愚痴を吐いた。何やら、主が動物園に行き、梟の枕を買ってきたのだという。
これは、痛い。痛いのだ。
主に話せば、きっとそんなことか。で済まされるだろうが、動物からすれば、すごく苦しいのだ。
なぜなら、動物たちは命をかけて、主を守る。
なのに、その主が違う動物のものを手にしているのだ。
人間界で言い換えれば、彼女が彼氏に、ネックレスをあげた。
その翌日、彼氏がつけていたネックレスが、自分のあげたものではなく元カノのものだった。
こういう状況だ。
だが、鴉刀様は、鴉のぬいぐるみや、鴉関連のものしか揃えないので、先頭はホッとしていた。
このあと、梟が八つ当たりにあっていたのは、ココだけの話、、、、。
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