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「野良猫だ」翡翠はポツりとつぶやいた。宝指翡翠(たからざしひすい)は小学四年生。三つ子の長女だ。ここは多々猫町(たたねこまち。又はたたねこちょう)野良猫がわんさかいる町だ。「あれ、あそこにもいるね。」翡翠の妹、さんごが言った。三つ子の末妹、こはくはあたりを見回していた。
「野良猫って迷惑なのかな」
3人はつぶやいた。猫にもたくさんいる。人に飼われて幸せな猫。夏は猛暑、冬は寒さに苦しむガリガリに痩せた野良猫。みんな同じ、「猫」なのに扱いや、毛並み、寿命までもが全然違う。そのことに三つ子はおかしいと思っていた。
「ただいま〜」みんなは家に帰ってきた。そして手洗いとうがいを済ませると重たいランドセルをほっぽらかし、ダダダタタッっと、地下へ行った。宝指家の地下。ここはそこそこ広めで、一番大きな部屋が、書庫だ。ありとあらゆる本があり、掃除は誰かさんがしてくれている。ここになら野良猫についてかかれた本があるのではないか。そう思ったのです。翡翠は1階の台所からおやつなどを取ってきて、次女のさんごは本を読み、三女のこはくは本を集めるという分担をしていた。
一時間後、翡翠とさんごは39冊の野良猫や保護猫の本を読んだ。読めば読むほど怒りがこんこんと湧き出てきた。理不尽極まりない。無礼極まりないと思った。飼い猫の寿命は20年近いのに、野良猫は、1〜3年。長くても5年ぐらいしか生きられない。飼い猫は夏、クーラーが聞いていて涼しいが、野良猫は水分が足りず、熱中症になったり、毛並みがボロボロになったりして体が痩せこけます。北風が、吹き付ける真冬は、猫は暖房やこたつなどであったかく過ごしているが、野良猫は、寒すぎて凍死したり、捨てられた子猫は即死だ。ガリッガリに痩せて体にうっすら霜がおりたつほど危篤状態だった猫も話もあった。読むほど悲しくて切なくて三つ子はないていた。
だから決めたのだ。この町の野良猫を全て幸せにしようと。
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この子たちいい子