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しばらくの沈黙。
クリスマスソングが遠くから聞こえるなか、悠真が小さく息を吐いた。
「……妹ちゃん」
その声に咲の肩がびくりと震える。
悠真は真剣な眼差しで咲を見つめていた。
「俺さ、ずっと……“妹”みたいに思おうとしてた」
「……」
「亮の妹だからって理由つけて、距離を守ってきた。でも、本当は……守りたいとか、大事にしたいとか、そう思うたびに、妹だからって言い聞かせて……」
悠真の言葉が、冷たい夜にあたたかく響いていく。
「……ごまかすの、もう無理なんだ」
咲の胸が強く締めつけられる。
目を逸らすことも、息をすることも忘れてしまうほどに。