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コメント
2件
え、洗脳とくの…? 涼ちゃん、病んじゃうよ?
side:h
リョーカを助けに行く
今日のために天使たちとたくさんの計画を練ってきた
俺が
h「リョーカを助けに行きたい」
と言うと反対する人はいなかった
それどころか皆魔界に乗り込む気でいたようだ
それほど天界でのリョーカの存在は大きいものだった
今俺たちは魔界へと繋がるゲートの前
ここを潜れば魔界に行ける
リョーカを助けに行ける
俺は深呼吸をしてからゲートを潜った
紅い空、全体的に暗い雰囲気の場所
天界とは真反対だ
皆がゲートを潜ったのを確認する
俺たちは魔王城へ向かった
たくさん計画を練ったとはいえ
相手は魔王
頭の切れる内側が見えない奴だ
臨機応変に対応できるよう脳をフル回転させる
ビーーーー
警報が鳴った
悪魔が俺たちの存在に気がついたようだ
大丈夫だ。まだ想像の範囲内にある
h「ん?」
何かがおかしい
警報は鳴っているのに悪魔が誰一人襲ってこない
それどころか悪魔の気配すらない
先ほどから能力を使い感覚を研ぎ澄ましているが一人も見当たらない
h「どういうことだ?」
おかしい
罠か?
考えろ
ここまでの違和感の正体は・・・
「あ!いたいた〜」
明るい呑気な声
この声は・・・
h「魔王っ!」
m「気配隠すのうますぎね?」
「探すのに時間かかっちゃったじゃん」
「まぁ」
「リョーカがいたから余裕なんだけどねー♡」
魔王に撫でられている人を見る
h「リョーカっ!!」
羽が黒く染まってしまってる
魔界に堕ちてしまっている
h「今、助けるからっ!」
m「どうやって〜?」
「もうリョーカはお前のこと覚えてないのに」
魔王がリョーカを撫でながら言う
h「リョーカっ!」
「覚えてないの?」
「俺だよ」
「ヒロトだよっ」
r「??」
m「ほらねっ」
「諦めなよ」
とても低い威圧感のある声で言われた
背筋が凍る
それでも・・・
リョーカを苦しませないって決めたから!
h「思い出せないなら・・・」
「思い出させるまでよ!」
リョーカに向かって能力を放つ
r「うわっ」
リョーカに当たった
魔王は心配そうにリョーカを見ている
r「うぅぅ」
リョーカが苦しみ出す
ごめんリョーカ
ちょっと苦しいけど頑張ってね
脳に直接能力を流して記憶を叩き起こす
今は時間がない
一番手っ取り早い方法がこれなんだ
リョーカの羽が少し白になる
r「うあぁぁぁ」
少し能力を強める
リョーカがより苦しそうに喚く
リョーカの羽が白くなっていく
ごめんな
本当に
あと少しだから
頑張って・・・
r「はっ!」
リョーカの羽が完全に白に染まった
来たっ!
チャンスだ
h「リョーカっ!」
r「ヒロトっ!」
リョーカが俺の方に駆け寄ろうとする
m「っと」
魔王がリョーカの羽を掴む
r「うっ」
「離してっ」
m「いやいや」
「そんなホイホイ会わせるわけないでしょ」
魔王がリョーカを姫抱きする
h「魔王っ!」
魔王に攻撃を繰り出す
それを魔王は軽々しく避ける
m「ちょっとー」
「ジタバタされると避けにくいんだけどー」
魔王が俺の攻撃を避けながらリョーカに話しかける
m「ちょっとめんどくさいしもっかい洗脳しちゃうか!」
魔王がリョーカを黒い霧で覆う
h「マジかよっ」
俺は攻撃の頻度を上げる
リョーカの動きがだんだん少なくなる
ついにリョーカの動きが完全に止まり手足が垂れる
h「リョーカを離せ!!」
m「うーん」
「無理」
呑気すぎる
腹が立ってきた
俺は怒りに任せ攻撃を繰り出した
相変わらず攻撃は一つも当たらない
m「お?」
「かんせーい」
魔王に抱えられたリョーカの羽は黒色だった
h「嫌だ、そんな!」
「リョーカっ」
m「ねぇリョーカ」
「彼奴、壊しちゃってよ」
r「うん!」
「モトキのためならなんでもするよ♡」
h「リョー・・・カ?」
俺の脳は思考を急に辞めた
信じられなかった
信じたくなかった
h「嘘・・・だろ?」
リョーカが能力でナイフを作り、こちらに近づいてくる
俺は抵抗しようとするのを辞めた
リョーカに抵抗したところで勝てないのはわかっている
俺の負けだ
俺の仲間たち全員が魔王に飛びかかっていく
全員リョーカに殺された
仲間を殺していくリョーカは
頬についた返り血とリョーカの周りに纏っている能力、飛ぶ鮮血、暗い色をした羽も相まって
今までのことがどうでも良くなってしまうほど綺麗だった
r「ばいばい」
「天界の主人サマ」
リョーカの持っていたナイフで俺の体が貫かれる
服がじわじわと血で染まっていく
h「ゴボッ」
俺は血を吐いた
生臭い鉄の匂いがする
俺には時間がないようだ
でも
リョーカに殺されるのなら本望かな?
生きたかったけど
死にたくなかったけど
魔王に殺されるよりはずっとましだ
痛みがなくなってきた
手足の感覚ももうない
リョーカは俺を殺す時も綺麗だった
side:m
r「モトキ〜全員殺したよー」
m「さすがリョーカ」
r「えへへ」
俺はリョーカを撫でた
m「リョーカ疲れたでしょ?」
「寝ていいよ」
ガクッ
俺は言葉に少し能力を混ぜてリョーカを寝かせた
m「ふ〜」
計画どーり♡
俺は能力で全ての死体を城の地下の一室へと転送した
俺の書いたシナリオはまだ完結してない
もっとリョーカに俺に堕ちてもらうためにしなければならないことがある
それをやれば俺が書いたこの物語は終了する
m「もうちょっとだからね♡」
俺の腕の中ですやすや眠るリョーカを見て言う
早く最後の準備をしなければ
がんばろーね♡リョーカ♡
あ!
忘れてた
リョーカの洗脳
解いてあげないと
To be continued