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たっての希望だから応じることにした。広い砂浜に余と鬼塚が向き合い、三千人の味方と敵がそれをぐるりと取り囲む。
少し離れたところに公衆トイレがある以外、海岸線沿いにひたすら砂浜が続いている。
「だいたいふざけるにもほどがあるぜ。黒服の男はいるわ、ドレスの女はいるわ、コスプレ姿を見せたくてほかのチームをつぶして仲間を増やしてるのか?」
「コスプレでもなんでも、余が戦いづらいドレスを着て戦うなら敵のおまえにとっては悪い話ではないと思うぞ。それからさっきの黒服は男でなく女だ」
「黒服が女? やっぱりコスプレじゃねえか!」
「コスプレだからふざけてるというなら叩きのめしてみればいい」
「言われるまでもねえ」
彼らの地元だし何か策があるのだろうと警戒したが、鬼塚は正々堂々と正面から攻めてきた。
「久々に鬼撃千手観音が見られるのか」
「あれを食らって立ってたやつは一人もいない」
そんな会話が聞こえてきた。鬼撃千手観音? おもしろそうだと思って、余はそのよく分からない攻撃をすべて体で受け止めてみることにした。
目の前に来るや、息もつかせぬパンチのラッシュが始まった。まるで千本の腕を使って攻撃しているかのように、素早いパンチがビュッビュッと音を立てながら繰り出される。