テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
男の子について歩いて何分かたった。景色は変わらずのどかで夕陽も赤く輝いている。ずっと変わらず輝いているようにも見える。
男の子は一言も発さない。ボクも、何かを喋った方がいいのか、それともこのまま離さない方がいいのか。ぐるぐると考えが頭を回る。
「あの、あなたはどこからきたんですか 」
男の子の緊張したような声がその場を震わせた。
びくり。と反応すると、男の子はこちらを少し振り返り、また前を向いて歩き出していく。
「えっと…。いつここにきたかはわからないんですけど、関東らへんの方から」
「関東…ですか。へぇ 」
「あなたは、どこら辺から?」
男の子は関東と聞いた時、少し神妙な顔をした。
そして、私が聞き返すと、少し困ったような顔をする。
もしかしたら、何が事情があって言いづらいのかもしれない。そう考えると、自分の言ったことが少し言いづらい問だったと思う。
「言いづらかったら、言わなくても…大丈夫です。」
はっと、男の子の顔を見た。すると、相手もびっくりしたような顔でこちらを見ていた。
(怒らせちゃった…?)
男の子は、私の方に向き直ると、まじまじと目を見た。
つられて目を見ると、手を掴まれる。
「僕、あずさっていうんだ。忘れないでね」
「あ、あずさくん…?」
ボクが聞き返すと、こっくりと頷いた。
どこか不穏な感じがして、口を開けかけたその時。
とても強い風が吹いて、目を瞑る。それと同時に当たりが暗くなる感じがした。
風がおさまり、目を開けるとそこにあずささんはいない。そして、もう一つ変わっていることがあった。さっきまでの美しい景色はなく、あるのは薄暗い洞窟の岩壁だった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!