テラーノベル
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銃撃戦が繰り広げられている大型事件現場を颯爽とバイクが横切って行く。
「バイク止まれー!!」
「撃ってきてるな…ちょっと治療まで時間がかかりそうです。」
「ありがとうございます。あっそっち危ないかも!」
「あっ!!……大丈夫です、絶対助けますから。」
細い道を塞ぐようにパトカーが停まっていて思いっきり突っ込んでしまった。前輪がパンクして使い物にならなくなったバイクを乗り捨て走って逃げる。幸い追われてなかったようで物陰に身を潜めてやり過ごせた。
「ここなら大丈夫か…治療しますね。」
「ありがとうございます…はぁー助かりました。」
「暫くは安静にしていてください。どこかもっと安全な場所まで送り届けられたら良かったんですが…」
「いえいえ、仲間が迎えに来るの待ちます。ぐち逸さんは?」
「私はまだ患者が倒れていないか見るのとバイクを回収したいので。ではお気を付けて。」
とは言え当然徒歩では碌に動く事すらできず、収束後の事件現場に立ち入ってももう誰もおらず静まり返っていた。
「…バイクは押収されたか……指名手配…」
落ち着くとやっと自分も怪我をしていた事を思い出し病院に向かった。
「すみません怪我の治療をお願いします。」
「はーい治しますねー、ぐち逸さんまた危ない事したんじゃないのぉ?」
「まぁ目の前に人が倒れてて危険だなんだなんて言ってられませんから。…ありがとうございます、また来ます。」
「お大事にどうぞー。」
「すいませーんケガしちゃってぇ…あ、ぐち逸!!!」
「あぁどうも、では。」
「待てお前指名手配だぞー!!」
よりにもよって1番顔を合わせたくない人物、ぺいんに出会ってしまった。レギオン駐車場まで急ぎバギーで逃げる。
「いた!こら待てー!!」
「ちょっと厳しいか…」
バギーの小ささを活かして小道に逃げるがぺいんもバイクだった為振り切る事ができず、ぶつかられて2人とも横転した。
「いってぇ!ぐち逸大丈夫か!?」
「心配するなら最初からやらないでください。いったいな…」
「よし逮捕ー!指名手配気付いてなかったの?」
「私がそんなヘマする訳無いでしょう。さっさと罪状切ってプリズン送ってください。」
「はぁ!?そっちが逃げた癖になんだよそれ…なんか最近冷たくない?俺なんかした?」
「別に変わらないですよ。怪我が痛むんですが。」
「ごめん先に病院行こう。」
牢屋に着いてもぐち逸はずっと俯き険しい顔をしながら隅に立っている。
「えーと公務執行妨害、道路交通法、無免許、逃走補助…もうちょい近寄らないと切符切れないんだけど。」
「…これで良いですか。」
「いやそんなちょっとじゃ変わらんて!wなにチキンレースでもしてる?w」
「あぁもうこれで良いですか。」
「ありがと、よしこれでオッケー!じゃあプリズンに…」
「ぅわっ!?」
ぺいんが顔を上げた拍子に一瞬目が合うとぐち逸は小さく声を上げ明らかに動揺して目が泳ぎ、ほのかに頬を赤く染める。
「ぇっかわっ!?…じゃない、じゃあ送るぞ反省して来い!………なに今の、ぐち逸?てか何だこれ、なんかドキドキする…」
ぐち逸の反応や自分に湧き出た初めての感情に戸惑い、首を傾げながら次の事件対応に出向いた。
コメント
4件
ぐち逸とぺいんのお話?! 嬉しすぎます!!!! 胸がキュウンキュウンする...
うわ、新作ですか… 可愛すぎるぐち逸!!!! 最高です〜〜〜!!