❃唯華side❃
『唯華、起きて』
綺麗な声と共に自分の体が揺すられる。
(……?るなちゃんの声がする…)
(!?るなちゃんの声!?)
そう思うと同時に体を勢いよく起こす。
『わ!もぉ、びっくりするでしょ(笑)』
綺麗な目を見開いたと思ったら、とても優しい声でそう言うるなちゃん。
「えへへ(笑)おはよう!!!」
『おはよう』
(朝からるなちゃんのおはよう嬉しいなぁ!)
いつも寝起きの悪い私は、るなちゃんに起こしてもらうのが日課になっていた。
「いつもごめんね、迷惑じゃない、?」
私は申し訳無くなって自然と眉毛を下げる。
『…ッ!本当に、それ無自覚でやってる?』
「無自覚、?」私はキョトンとした。
『いや、なんでもないよ』
るなちゃんはそう言うと私の頭を撫でた。
『これは私が好きでやってる事だから』
ふわりと微笑んで私を見てくれたるなちゃん。
「そ、っか////」
私の顔がどんどん火照って行くのが分かる。
『…ッ、……ほら唯華、早く準備してね』
「?はーい!!」
(るなちゃん顔赤かった気が、気のせいかな?)
少し気になりながら、私は急いで準備する。
先に部屋を出ていたるなちゃんが、
『ホント、心臓に悪い/////』
なんて、言ってる事も知らずに。
❃瑠奈side❃
「すぅ、すぅ」
と、可愛らしい寝息を立てて眠っている唯華。
(ホント可愛い)
もっと眺めときたいが、時間が来てしまった。
私は小さな肩を揺らしながら唯華の名前を呼ぶ。
『唯華、起きて』
「んぅ、」
という声が、可愛らしい口から漏れる。
(愛おしいって、こう言う事なんだなぁ)
呑気にそんな事を思って居ると、
突然唯華が体を勢い良く起こす。
驚いた私は思わず『わ!』っと言う情けない声が出てしまった。
『もぉ、びっくりするでしょ(笑)』
「えへへ(笑)おはよう!!」
ふにゃりと笑いながらそう言う唯華。
(可愛い)
この言葉で脳内が埋め尽くされる。
『おはよう』
あれ、?突然感じた違和感。
(唯華、少し元気ない、?)
そう疑問に思うと同時に、
「いつもごめんね、迷惑じゃない、?」
少し震えた声でそう問いかけてきた唯華。
眉毛を下げながら上目遣いをしてくる。
『…ッ!』
それにまんまと引っかかる私。
『本当に、それ無自覚でやってる、?』
思わずそんな言葉が口からこぼれる。
「無自覚、?」首を傾げキョトンとする結華。
あぁ、ダメだ、全部に煽られてしまう。
『いや、なんでもないよ』
そう言うと同時に、唯華の頭を優しく撫でた。
すると、少し驚いた顔で見てくる。
『これは私が好きでやってる事だから』
そう言って、私は少し微笑んだ。
頬の緩みがバレないように。
「そっ、か////」
顔を真っ赤にして嬉しそうにする唯華。
『…ッ』
(え、何、その反応…ッ、)
可愛すぎる唯華の反応に、思わず固まる。
数秒後私は何とか言葉を振り絞り、
『ほら唯華、早く準備してね』
内心バクバクなってるのがバレないように少しカッコつけた。
「?はーい!!」
元気に返事をする唯華に、
『先外出とくね』
そう言って、唯華の部屋を後にした。
部屋を出た瞬間一気に緊張が解ける。
しゃがみ込んだ私は、顔を真っ赤にしながら
『ホント、心臓に悪い//』
そんな事を呟いた。
唯華は本当に”天然小悪魔”だと思う。
(まぁそんな所が愛おしいけど、)
1人で惚気ながら、唯華の準備を待っていた。
*次回へ続く*
コメント
1件
百合ほんとに最高すぎる