ザンッと、鈍い音と共に男たちの胴体から真っ赤な血が吹き出る。周囲の本棚が血塗れになった。
幾つかのトンプソンマシンガンが火を吹いた。
連射する弾丸の嵐は、ここ聖パッセンジャー・ビジョン大学付属古代図書館全体に響くほどの轟音を発した。
アリスとシンクレアのいるフロアの壁が、蜂の巣になっていく。
だが、モートは銀の大鎌で次々と男たちの首を狩りだした。
やがて、静かになると、モートはテーブルの下のアリスとシンクレアにこう言った。
「アリス……やっぱり、図書館は静かなほうがいい」
「え? ええ……」
アリスはあまりの凄惨な光景なのに、モートに浸る。
「そうよね。ありがとうモート。ねえ、私の汚れてしまった本は、後で洗ってくれるのかしら?」
シンクレアがやっと口を開いたと思ったら、冗談を言ったので、アリスは少しうんざりした。きっと、突っ立ている無言のモートもだろう。
「もうー、シンクレアったら」
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