コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【前回のお話】
ガヴ「この世界だけは……守りたいんだー!!」
杏子「アタシに任せろ!!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
絆斗「最近どうよ、仁美?」
いきなりだが彼の名前は辛木田絆斗。志筑仁美は誰にも渡さんと勝手に豪語している男である。だがこれでも中学2年の分際である。どうかとは思う。
仁美「ええ、今月になってもう2通目ですわ。」
絆斗「チッ、しつこいヤツらめ。誰にも渡さんとこの間宣言したばっかだってのに。」
さやか「そういう絆斗くんは、もう10000回目の宣言じゃないんですかぁ〜?」
絆斗「っ、回数当てんな!!」
この青髪娘は美樹さやか。本来はある少女と仲が良いのだが、今は仕方なく2人と歩いている。すると。
まどか「おっはよ〜う!」
仁美「おはようございます。」
絆斗「おっ、ちゃす!!」
さやか「まどか遅〜い!」
まどか「えへへ…」
絆斗「今週になって2回目。累計293回だな。記事にしちゃおっかな〜。」
まどか「やめてよぉ〜(;´д`)トホホ…」
絆斗「冗談だよ。」
まどか「……💢」
するとまどかの殺気を察知したさやかが慌てて話題を変える。
さやか「おっ、新しいリボン?かわいいじゃん。」
まどか「そ、そうかな…派手すぎない?」
仁美「とても素敵ですわ!!」
そして4人は他愛もない会話を始める。
さやか「しっかしぃ、羨ましい悩みだねぇ。」
絆斗「へぇへぇ、どうせ俺はモテ男なんかじゃないですよぉだ。」
まどか「私も貰ってみたいなぁ、ラブレター。」
するとさやかが反応する。
さやか「ほ〜ぅ?仁美みたいなモテモテの美少女に変身したい、と??そこでリボンからイメチェンですかな〜???」
まどか「ち、違うよぉ〜!!これはママが…」
まどかは慌てて否定する。
さやか「さてはママからモテる秘訣を教わったな…けしからーんっ!!」
さやかはまどかを擽り始める。
絆斗「お、おい!通学路でそれはやめろって!!!」
さやか「そんな破廉恥な子はこうだーっ!!!」
絆斗「あ〜、やっぱりコイツは聞かないか…。」
まどか「わ、や、ちょ、ちょっと、さやかちゃんやめてー!」
さやか「ニヒヒ、かわいいヤツめ。でも男子にモテようなんて許さんぞー!!まどかはアタシの嫁になるのだーっ!!!」
絆斗「……(´Д`)ハァ…どこの法律が同性婚なんざ認めてんだか。」
絆斗も呆れながら眺めていた。
まどか「いやーっ!!」
絆斗「…仁美?」
仁美「……ゴホン」
周りからの視線で、やっとさやかのプレイは止まった。それを見ていた一人の男子生徒が小声で呟く。
ラキア「……変身、か。」
【ショウマside】
???「…気がついたか?」
ショウマ「ン…わっ、グラニュート!?」
杏子「ゑ!!?」
ショウマは驚いてそのグラニュートを突き飛ばしてしまう。
ショウマ「……ココは…何処だ?」
???「ここは、ワシのアジトみたいなモンじゃ。」
ショウマ「こんなトコロでやられてたまるか!!」
杏子「今日も一仕事だっ!!」
『グミ!』『EATグミ! EATグミ!』
???「なぬっ!?」
ショウマ&杏子「「変身!!」」
『ポッピングミ!ジューシー!!』
杏子も魔法少女に変身し、槍を構えている。
???「おぉ〜!おほほほ!!」
ショウマ→ガヴ「ふっ!」
杏子「たあっ!!」
???「うわぁぁぁぁぁ〜!?」
ショウマと杏子に投げ飛ばされ、ベッドに転がるグラニュート。しかし直ぐに起き上がる。
???「凄い力じゃのう…手術、成功しとったんか!!」
ガヴ「えっ!?」
なんとそのグラニュートに敵意はなかった。
???「今のちまいのは眷属じゃろ?そうか、それがお前さんの眷属の能力か!もう、成功しとったのなら早く教えてくれればいいものを…ブーシュのヤツ、水臭い!!」
ガヴ→ショウマ「ブーシュ……俺のお父さん!?ってか、手術って!!?」
驚いたショウマと杏子は変身を解除してしまう。
???「何じゃ、覚えておらんのか?幼いお前のガヴを、改造してやったろう。」
ショウマ「えっ、覚えてない……ええっと、つまりアナタは?」
???→デンテ「ワシは、デンテ・ストマック!」
ショウマ「えっ!?」
デンテ「お前のお父さんの…」
ショウマ「うん。」
デンテ「お父さんの…」
ショウマ「うん。」
デンテ「弟じゃ!」
ショウマ「…………う〜ん、紛らわしい!!」
杏子「確かにな。」
デンテ「ハ〜ハッハッハッ!ハ〜ハッハッハッ!」
(ストマック社にて)
シータ&ジープ「「まさか、赤ガヴたちが私たちのエージェントを倒しちゃうとはな(なんてね)…」」
シータ「小っちゃい頃から弱っちかったクセに。」
ジープ「デンテ爺さんに強化手術されても無駄だった癖に。」
シータ&ジープ「「……いや、アレが今になって効果を発揮してるってワケか…」」
すると双子は、今度はデンテのことを思い浮かべる。
シータ「流石、人間をスパイスにするシステムを作った技術者…!」
ジープ「流石、ニエルブ兄さんを育てた技術者…!」
シータ&ジープ「「面白くなってきた…!!」」
ランゴ「……何が面白いんだ?」
シータ&ジープ「「っ!?ランゴ兄さん!!?」」
シータとジープの後ろにはいつの間にかランゴがいた。
ランゴ「質のいい人間の仕入れを増やせと言ったハズだ。…そして、赤ガヴの始末を目論むな、とも。」
シータ&ジープ「「……!!」」
ランゴ「任されたのなら、責任を持て。自分で頭を使え。それが出来ないのなら……以前のように俺が自分のエージェントにやらせる。」
ランゴは辛辣な言葉を双子に向ける。
ジープ「クビってこと!?」
シータ「そんな!俺たち家族だぞ!!?」
ランゴ「俺にはストマック社を変える使命がある。爺さんが開発した闇菓子を使って、グラニュート社会を支配する。」
ストマック社は、表向きで普通のお菓子を売りながら、裏で闇菓子を流通させているのだ。
ランゴ「……裏社会で流行っているだけじゃ、いつか取り締まられて終わるかもしれない。だからこそ、早急に富裕層を闇菓子の虜にする必要がある。使えないヤツは足手まといだ。例え家族でもな。」
ランゴはそう言いながら去っていった。
シータ&ジープ「「…遊んでないで仕事しろだってさ。」」
すると双子はエージェントを召喚する。
シータ&ジープ「「宜しくな(ね)。」」
エージェント「「はっ。」」
【キュウべぇ&ニエルブside】
キュウべぇ「大分完成に近づいてきたね。三日三晩、寝ずに働いた成果だ。おっと。」
するとゴチゾウが最後の力を振り絞って暴れ出す。
キュウべぇ「この子たちが逃げ出す前に、何とか完成させたい。後は頼んだよ、ニエルブくん。僕は行かなきゃならないトコロがある。」
そしてキュウべぇは出て行ってしまった。
ニエルブ「……彼にも用事があるのかな。なにはともあれ、これを完成させなきゃならないってのは分かってるさ。」
【???side】
オタケ「ほら、今回の収穫だ。」
キノコのようなグラニュートが、エージェントにヒトプレスを渡す。
オタケ「見滝原まで来るのは遠かったが…ここも案外良いトコロだな。」
エージェントから闇菓子を受け取ったグラニュート。
オタケ「おおっ……フフフッ…ゑ!?あ、おい💢!!たった一つだけかよ!!!」
エージェント「もっと質を上げる事だな。」
オタケ「そ、そんな!?」
そう言ってエージェントは去ってしまう。
オタケ「フフフ……オホホホ……美味そうだ……!」
グラニュートは闇菓子を口にしようとするが。
オタケ「あぁ……ダメ!!勿体ねぇ。もっと大事に食わないと……でもやっぱ食べたいなぁ……」
するとさっきのエージェントが振り返る。
エージェント「もう一つ、闇菓子をやろうか?」
オタケ「えっ……!?」
エージェント「但し、極秘の任務を受けて貰う。」
オタケ「あぁ……ああ!何でもやる!!」
グラニュートはその「極秘の任務」に直ぐに食いついた。
(見滝原中にて)
さやか「ラッキー、和子先生だ。」
絆斗「あっ、本当だ。」
4人は廊下で彼らの担任、早乙女和子とすれ違う。
ま・さ・仁・絆「「「「おはようございま〜す!」」」」
和子「おはようございます、鹿目さん、美樹さん、志筑さん、辛木田くん。」
4人は軽く先生に挨拶をする。
絆斗「奇遇だな、この時間は職員室にいることが殆どなのに。」
そして4人は教室に入る。
絆斗「ちゃす、社長!!カタローは今日は休みか。」
絆斗は4人の親友である生粋のギャル、甘根幸果に声をかける。
幸果「ちーっす!!ねぇ突然なんだけど聞いてよ。昨日りっつん引っ越した言うたじゃん?休みの連絡もないのにまだ来ないんよ。いつもなら校門の前で合流っつーのに。」
そう、幸果が一番大事にしている友達、佐藤律が無断欠席?をしているのだ。
幸果「ウチマジガン萎えなんだけど〜。誰か癒して〜。」
絆斗「どうにもなんねぇだろそんなん。」
まどか「あ、アハハ…(^_^;)」
そうこうしているうちにホームルームが始まった。
和子「では今日は転校生を……とその前に。」
絆斗「ん?」
和子「目玉焼きとは、固焼きですか!?それとも、半熟ですか!!?はい辛木田くん!!」
絆斗「え……んなのどっちでもいいだろ。」
和子「その通り!!どっちでも宜しい!!!たかが卵の焼き加減で女の魅力が決まると思ったら大間違いです!!!!」
絆斗「えぇ…」
和子「女性の皆さんはくれぐれも半熟じゃなきゃ食べられないとかとぬかすような男とは交際しないように。そして男性の皆さんは、卵の焼き加減にケチをつけないように!!では暁美さん、入ってきてください。」
クラスのみんながため息をつく中、その転校生は入ってきた。
ほむら「……。」
和子「はいじゃあ暁美さん、自己紹介して。」
ほむら「暁美ほむらです。宜しくお願いします。」
和子「暁美さん、まだ施設の場所とか分かんないらしくて。鹿目さん、後で案内してくれる?」
まどか「あ、はい…」
【ショウマside】
デンテ「そうか、ブーシュが死んだのか…」
デンテはため息をついていた。
ショウマ「……デンテおじさんは、どうしてコッチの世界にいるの?」
デンテ「うん?」
杏子「ショウマから聞いたぜ。お前も闇菓子を作っていたってな。なんでアタシたちを助けてくれたんだ?」
2人はデンテにそう問いかける。
デンテ「そりゃあ……その赤いガヴを見ちゃったら、なぁ…」
ショウマ「父さんが改造させたって、どう言う事?」
デンテ「お前さんのガヴはワシらと違って、眷属を生む力が備わっておらんかった。まぁ、母親が人間じゃからな。」
ショウマはみちるのことをバカにされ、怒りが込み上げる。
ショウマ「母さんが悪いみたいに言うな!!」
杏子「ショウマ…?」
ショウマ「闇菓子にする為に攫われてきただけなんだぞ…!!」
デンテ「全く…ブーシュが見初めたばかりになぁ…でもまぁ、アイツはアイツなりにお前さんたちを可愛がっておったぞい。」
ブーシュ『貴方の知恵と技術で、ショウマに…力を与えてやれないか?私たちと同じように、眷属を生み出す力を……逞しく、生きる力を……!!』
デンテ「じゃがまぁ……ワシも初めての事じゃろ?色々やってはみたが……上手く行かんかった。ただ……段々お前さんが可愛く思えてきてのう。何とか、どうにかしてやりたくて、人間を研究してみようと思い立ったんじゃ。……で、ここに住み着いて色々調べてるうちに、人間のお菓子にハマってしまって、このザマじゃ!アァ〜ハッハッハッ!!服など要らんわ〜!!アァ〜ハッハッハッ!!!」
すると杏子は耐えかねて叫ぶ。
杏子「笑うな…ショウマはお前に母親のことバカにされて傷付いてんだぞ、笑うなぁ!!!!!」
しかしデンテは一向に無視したままである。
デンテ「あ、これ食うか?美味いぞ〜?どうだ。」
『ZAKUZAKU CHIPS のり塩味 15%増量!!』
ショウマ「…………要らない。」
デンテ「あぁ、持ってけ持ってけ!ハハッ…ポテトチップとかいうお菓子の仲間なんじゃが…しかし、まさか人間のお菓子がキッカケで、眠っていた能力が目覚めたとはな……ブーシュの愛情と、ワシの技術のお陰じゃな!ホッホッホ!!」
デンテはポテトチップを無理矢理ショウマのポケットに押し込む。
ショウマ「何が愛情だよ…俺たちを……母さんはずっと父さんのこと憎んでたよ……!勝手に人間攫って…勝手に母さん見初めて…俺たちの事、殆ど屋敷に閉じ込めっぱなしで!!!」
デンテ「それは…お前さんたちを守るためじゃ!ランゴたちが良く思っとらんかったし、うっかり幸せにして、スパイスにされちゃいかんと…」
ショウマ「だからわざと不幸にしたってこと!?勝手だよ……全部父さんたちの…お前たちの勝手だ!!!」
そう言ってショウマは出ていってしまった。
杏子「ちょショウマ…おい待てよ!!」
杏子も後を追いかける。
デンテ「おい、ちょっと待て、おい!あの…おい!!あぁ…」
デンテは途方に暮れていた。
(見滝原中にて)
まどかはほむらを連れ、学校の中を案内していた。
ふと、まどかがほむらに話しかける。
まどか「えっと…暁美さん?」
ほむら「ほむらでいいわ。」
まどか「ええと、じゃあ…ほむらちゃん。」
ほむら「何かしら?」
まどか「え、ええと…何か、その……変わった名前、だよね。」
その言葉を聞いた瞬間、ほむらの手が強く握られる。
まどかは慌てて弁解する。
まどか「い、いや、あのね、変な意味じゃなくて……その、格好良いな〜、なんて……なんか、燃え上がれ〜、って、感じで…」
まどかが振り返る。ほむらの顔は、さっきより一段と険しくなっているように見えた。
ほむら「鹿目まどか、貴女は…」
まどか「え?」
ほむら「自分の人生が貴いと思う?家族や友達を大切にしてる??」
まどかは考えるために一瞬俯き、また顔を上げた。
まどか「わ、私は大切だよ。家族も、友達のみんなも。大好きで、とっても大事な人たちだよ。」
ほむら「本当に?」
まどか「本当だよ、嘘なワケないよ!!」
ほむらは数秒間黙りこくってから、再び喋った。
ほむら「もしそれが本当なら、今とは違う自分になろうだなんて絶対に思わないことね。」
まどか「え?」
ほむら「さもなければ、全てを失うことになる。」
ほむらはまどかに意味深な忠告をする。
ほむら「貴女は、鹿目まどかのままでいればいい。今まで通りに……そしてこれからも。」
そう言うと、ほむらは去っていった。最初から、学校探検をする気などなかったようだ。
【ショウマside】
ショウマ「……全部、そっちの勝手だろ。母さんが……母さんがどんだけ…………!」
杏子「……元気出せよ、ショウマ。」
杏子は静かにショウマを元気づける。
ショウマと杏子は見滝原市への道を歩いていた。ショウマの怒りは、まだ収まらないようであった。
ショウマの記憶がフラッシュバックする。
ショウマ『……母さん。外には何があるの?』
みちる『……ごめんねショウマ。お母さんにも分からないんだ。もう寝なさい。』
ショウマがベッドに入り、寝ようとすると。
みちる『……ウウッ(´;ω;`)ウッ…』
みちるは泣いていた。
別の記憶では…
ショウマ『嫌だ……嫌だ!!』
ブーシュ『来い……私が鍛えてやろう!!』
みちる『やめてください、放して!!』
ブーシュ『うるさいッ!!!』
みちる『きゃっ!』
ショウマ『母さんに何するんだ!!』
仕方なくブーシュは出ていく。
みちる『ショウマ……!いつか一緒に、人間の世界へ戻ろうね…!!アッチで幸せになろう……!!!』
子供「……うぅぅ……」
とある子供の声が、ショウマを現実へ引き戻した。
お母さん「ごめんせーくん……お母さん取ってあげられないわ……」
ショウマ「どうしたんですか?」
お母さん「この子がここにオモチャを落としちゃって…」
その言葉を聞き、ショウマは救出に向かおうとする。
ショウマ「ちょっといいですか?」
お母さん「は、はい……」
しかしある言葉がその行為を阻もうとしていた。
デンテ『それは…お前さんたちを守るためじゃ!うっかり幸せにして、スパイスにされちゃいかんと…』
ここでこの子を助けたら、幸福を狙われて闇菓子のスパイスにされてしまうかもしれない…
だがショウマはその考えを振り切り、オモチャを取ってあげた。
ショウマ「はい、どうぞ!」
子供「ありがとう!」
お母さん「ありがとうございます!」
ショウマ「全然!」
お母さん「よかったね!」
子供「うん!」
お母さん「本当に、ありがとうございました!」
子供「バイバイ!」
ショウマ「じゃあね!」
ショウマはその親子と別れると、再び杏子と歩き始める。
ショウマ「杏子……俺分かったよ。」
杏子「何がだ?」
ショウマ「幸せにしちゃいけないんじゃない。人間をスパイスにする方が悪いんだ。」
杏子「確かに、それはそうだよな。」
ショウマと杏子は、2人で微笑む。すると、2人のお腹が鳴る音が。
杏子「それにしても腹減ったな〜。」
ショウマ「うぅ…ん?」
するとショウマは、ポケットから何かを見つけた。さっきデンテから貰ったポテトチップである。
杏子「ポテトチップ……か。」
ショウマ「母さんが好きだったんだ。」
ショウマは袋を開ける。
ショ・杏「「いっただっきまーす!!」」
2人は袋のポテトチップを食べ始める。背後には、「見滝原市」の看板があった。
杏子「ん美味ぇな!!」
ショウマ「んん〜…ん?」
するとショウマは腹を探る。予想通り、腹のガヴからはゴチゾウが出ていた。ポテトチップのゴチゾウ、「ザクザクチップスゴチゾウ」だ。
杏子「お、また出たのか!」
ザクザクチップスゴチゾウ「ザク〜…」
ショウマ「宜しくね!!」
ショウマはゴチゾウをキャッチする。
ショウマ「……守らなきゃな。力があるのなら尚更だ。取り戻すんだよ……俺たちの幸せを!!」
杏子「ああ!!」
(放課後)
さやか「えー何それ、あの後アイツにそんなこと言われたの?」
絆斗「おぉ…急にスケールがデカいな……」
放課後、まどかはさやかたちにほむらから言われたことを話していた。
仁美「やっぱり変わった子ですのね。」
まどか「訳わかんない、よね…」
絆斗「いや、俺はそうでもないと思うぞ。」
まどか「えっ?」
すると絆斗が反論し始める。
絆斗「最近、風見野の方で行方不明事件が相次いでるって…謎の怪物も現れてるみたいだし、ソレを倒す「仮面ライダー」と「魔法少女」っていうのもいるらしいし…全く不可解ではあるけど、受け入れられない話でもないんだよなぁ、俺の方だと。」
まどか「へ、へぇ…」
さやか「文武両道にして才色兼備、かと思いきや実はサイコな電波さん…かーっ!!どこまでキャラ立てすれば済むんだあの転校生は!萌えか!?そこが萌えなのか!!?」
絆斗「さやか、落ち着け。」
絆斗がさやかを諫める。
仁美「まどかさん、本当にあの転校生とは初対面ですの?」
さやか「確かに。自己紹介の時まどかの事ガン見してたもんね。」
まどか「私は、あの子の…ほむらちゃんのこと、全く知らないよ。だけど…」
絆斗「だけど?」
まどか「夢の中で…会ったような……」
一同はまどかのその言葉を聞いて沈黙する。だがその意味が分かった瞬間、大爆笑が巻き起こった。
さやか「ギャハハハハハwww😆」
絆斗「ハハハハハwww🤣」
仁美「クククククwww😂」
まどか「わ、笑うなんて酷いよぉ!」
絆斗「まどかもか!まどかもかぁ!!」
さやか「すげー、遂にまどかにまでキャラが立ち始めたよ!」
大爆笑が止まらない。
さやか「えーとつまり、まどかとアイツは夢の中で会ったってこと?あーもうソレ決まりだわ。ソレ、前世の因果。アンタたち時空を超えて巡り合った運命の仲間なんだわ。」
まどか「私、真面目に悩んでるのに…」
まどかは少し悄気てしまう。
さやか「ゴメンゴメン。まどかがそんな事言うなんて意外だったからさ。」
さやかが弁解する。
仁美「でも、本当は暁美さんと会ったことがあるのかもしれませんわ。」
まどか「えっ?」
絆斗「否定はできねぇが、本当にそうだったら凄いよな。」
仁美「まどかさん自身は覚えていなくても、深層心理には彼女の印象が残っていて、それが夢に出てきたのかもしれません。」
さやか「えーそれ出来すぎてない?どんな偶然よ。」
仁美「前世の因果よりかは筋の通った説明ですわ。」
絆斗「まぁ、少なくともは、な。(^_^;)」
仁美が腕時計を見る。
仁美「おっと、そろそろお茶のお稽古のお時間ですので、お先に失礼させて頂きますわ。」
絆斗「おっ、そうか。」
さやか「そういえば幸果は?」
絆斗「『りっつん探すー』っつってムキになって…先に帰ったらしいぜ。」
まどか「へぇー…(^_^;)」
【ショウマside】
暫く歩いていると、ショウマと杏子は一人でジョギングしている男を見つけた。
ショウマ「妙だな…この辺を一人でジョギングなんて。」
杏子「全くだぜ。」
すると、その男は不意に立ち止まり、「あるモノ」を取り出す。
ショウマたちが凝視すると、それは紛れもなくヒトプレスであった。その中には律のヒトプレスもあった。
ジョギング男「ラッキーだな。見滝原に入ってもう8人も捕まるなんてよぉ。しかもどれも絶妙に幸せそうな顔をしてやがる。」
杏子「このヤロウ…!」
怒った杏子は飛び出そうとするも、ショウマに諌められる。
ショウマ「待って杏子。今は様子を窺おう。」
しかしその気配を男は感じないワケもなく…
ジョギング男「ん?ソコに誰かいるのか??」
杏子「チッ…こうなったらどうにでもなれ!!」
するとジョギング男はコチラに向かってくる。杏子は即座に魔法少女に変身し、反撃をする。
杏子「ソイツらを返せー!!!」
ジョギング男「うわぁっ、こうなりゃ逃げるが勝ちだ!」
ショウマ「あっ、ちょっと待って杏子!」
ショウマも杏子を追いかけて行った。
必死の追いかけっこ。そして遂に、男はCDショップの向かいの、廃工場に逃げ込んだ。
杏子「もうココなら逃げられないだろ。」
ジョギング男「クッ…まさかココまで追って来るとは思わなかったが、まぁいい。どちらにせよテメェらを叩き潰すだけだからなぁ!」
するとジョギング男は腹の口からミミックキーを引き抜き、本性を表した。
ジョギング男→ウイップル「さぁ、いつでもかかってきやがれ!」
ジョギング男の正体は、長い触手を持つグラニュート、ウィップルだった。
ショウマ「なら……全力で行かせて貰う!」
ショウマは服のジッパーを開け、赤いガヴを露わにした。
ウィップル「赤いガヴだぁ…?」
『グミ!』『EATグミ! EATグミ!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)
ショウマ「変身!」
『ポッピングミ! ジューシー!!』
ウィップル「何だか妙な見た目だが、さてはお前も同じグラニュートってワケか!!」
そう言うとウィップルは襲いかかってくる。ショウマ改めガヴはガヴガブレイドを、杏子は槍を構える。ガヴガブレイドと槍の連携は上手く行っているようだ。
ショウマ→ガヴ「ハァッ!」
杏子「オラァっ!!」
ウィップル「グフッ…!」
ガヴと杏子の攻撃にウィップルは狼狽える。
ウィップル「ちょ、ちょっと待て、分かった分かった。そんじゃこのヒトプレスは、俺たち3人の手柄ってことでどうだ!?」
杏子「お断りだなっ!」
ガヴは、人間の幸せについて、あるべき姿を思い出す。
ショウマ『幸せにしちゃいけないんじゃない。人間をスパイスにする方が悪いんだ。』
ガヴ「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…」
ウィップル「…!?」
ガヴ「ふざけんな…」
ウィップル「え?」
ガヴ「ふざけんな!!人間は、お前らに食われるために、幸せになるんじゃない!!!」
ガヴはガヴガブレイドを持つ手を強く握る。
ウィップル「そうか…ならコイツはこうだ!」
するとウィップルはヒトプレスをCDショップの裏路地の方に投げてしまう。
ガヴ「あっ…」
杏子「今は気にすんな、後で取りにいけばいい!」
杏子はガヴに意識を戦闘の方に集中させるよう促す。
すると、さっき生まれたザクザクチップスゴチゾウが、ポッピングミゴチゾウ2体の押すゴチスピーダーに乗る形で到着した。
ザクザクチップスゴチゾウ「イートスナック、イートスナック!」
ガヴ「よし、頼む!」
ガヴはゴチゾウを交換する。
『スナック!』『EATスナック! EATスナック!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)『ザクザクチップス! ザックザク〜!』
するとガヴは、ポテトチップをモチーフにした剣士のような姿に変わる。手には二刀流のザクザクチップスラッシャーが。
ガヴ「二刀流か。」
ガヴはその二刀流で迫りくるウィップルの触手を斬ろうとする…が、刀身が砕けてしまう。
ガヴ「え?うわっ、なんで??」
杏子「…(´Д`)ハァ…どのフォームも弱点はあるみたいだな。」
杏子も呆れてしまう。
しかし刀身はすぐ再生する。またも迫りくる触手。しかし今度は上手く斬れた。
ウィップル「痛ぇ!」
ガヴ「斬れた…!?」
本当に訳が分からないよ。
ガヴは近くの鉄骨を斬ろうとする。刀身が砕けたり、鉄骨が斬れたり。扱いが難しい。
因みに今回のエフェクトは『ザック』だった。
何回か試し斬りをして、ガヴが気づいたことがある。
ガヴ「角度か!」
そう、ザクザクチップスラッシャーは、角度を上手く調整しないと、刀身が砕けてしまう特性があるのだ。しかし、ソレを見極めた今のガヴは違う。
ガヴ「ハァ〜っ、タッ!!」
ウィップル「ウオ〜ッ!!?痛った!!!」
ガヴは迫りくる触手を全て斬り裂いた。
杏子「上手いな…」
するといつの間にかガヴが上の鉄骨に座っていた。
ガヴ「どうする?二度と闇菓子に関わらないか…この場で俺に倒されるか!!」
ウィップル「……へッ、バカが。闇菓子を止められるワケないだろ。」
ガヴ「…………分かった。」
するとガヴは必殺技の準備に入る。
『Charge me! Charge me!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)
周囲にエフェクト『ザック』が現れる。
『ザクザクチップス! フィニッシュ!!』
ガヴがザクザクチップスラッシャーを振り回すと、エフェクトと共にスラッシャーが砕ける。そしてその破片をウィップルに向かわせ攻撃。
ウィップル「グッ、グハァッ、うわぁっ!」
最後にザクザクチップスラッシャーを再生させ、ウィップルを豪快にぶった斬った。
ウィップル「舐めた態度取るんじゃねえよぉ〜!!!!!」
ウィップル、爆発。
杏子「よし、じゃあ行くか!」
ガヴ「うん!」
杏子とガヴは律たちのヒトプレスを取りに行こうとした。
(数十分前)
さやか「あぁ〜2人とも、帰りにCDショップ寄っていい?」
絆斗「いいけど…何すんだ?」
まどか「また上條くんの?」
さやか「えへへ、まぁね。」
さやかは照れ臭そうに言う。
絆斗「あぁ〜、あのバイオリン男?」
上條恭介。彼は…というのはまた別の機会に話すことにしよう。
CDショップに入った3人。
さやか「んじゃ、2人は好きなトコ見てて。」
絆斗「よしっ、じゃあ俺前々から気になってた曲探そ。」
まどかはCDの試聴コーナーに行って曲を試聴。絆斗はお目当ての曲『Got Boost?』のアルバムをまじまじと眺めていた。
外では何やら物音がしているが、誰も気にかけない。
とその時、『ある声』はまどかだけに聞こえた。
???『助けて!』
まどか「えっ?」
絆斗「どうしたまどか。何かあったのか?」
するとその『声』はまた聞こえてきた。
???『助けて、まどか!』
まどか「誰、誰なの!?」
まどかは不気味に思い、『声』のするCDショップの裏路地へと歩を進めていく。
絆斗「今日のまどか何か変だな…」
と言いつつ絆斗もついて行く。
絆斗は向かっている途中で、アクリルスタンドに赤い紐が巻かれているモノを見つける。それも8個も。
絆斗「んだこれ…まぁいいか。」
絆斗はソレをポケットにしまう。
暫く行くと、廃工場らしきトコロへ着いた。
ソコでは、ポテトチップのようなバケモノと、女の子が話していた。
女の子「よし、じゃあ行くか!」
バケモノ「うん!」
絆斗「なんだアイツら…!?」
絆斗の背筋がゾッとした。まるでこの世のモノではない何かを見てしまったかのように。まどかの顔も引きつっている。
まどか「ねぇ、アナタたちなの…?私に助けを求めてきたのは…??」
まどかは恐る恐る訊いた。
バケモノ「えっ…?俺は助けなんか…」
丁度その時、真上から白い何かが降ってきた。その『何か』は、見るも無残な姿に傷つけられていた。
???「うぅ…」
まどか「アナタなの!?大丈夫!!?」
絆斗「こりゃ酷い傷だな…」
絆斗も屈んで容態を見る。
まどか「誰か…誰かいませんか!!?」
バケモノ「えっ大丈夫!?酷い傷…ねぇちょっと見せて。」
バケモノがその白い『モノ』に駆け寄ろうとすると。
絆斗「まどかに近づくなこのバケモノ!!」
バケモノ「うっ…!」
バケモノは、絆斗に「バケモノ」と言われた瞬間、俯いて立ち止まってしまった。
するとそれまで傍観していた女の子が、凄い剣幕で絆斗に近寄って来た。
女の子「テメェ…よくもショウマのこと『バケモノ』なんざ…!」
するとバケモノが女の子を静止させる。
バケモノ「いいよ杏子。一般人に手は出さないで。」
女の子「でもショウマ…」
するとバケモノが女の子に無言の圧をかける。女の子も漸く落ち着いた。
するとバケモノは考え始める。
バケモノ「でも、何か解決策がないと…」
するとその時。暗い空間の中に足音が響き始めた。その足音は、徐々に近づいて来て…主の姿を見せた。
それは、まどかも昼間出会った…暁美ほむらだった。だが衣装が違う。
ほむら「佐倉杏子と…誰?」
まどか「…ほ、ほむらちゃん??」
するとほむらは冷たく言い放つ。
ほむら「取り敢えず、ソイツから離れて。」
まどか「だ、だってこの子、怪我してる!!」
絆斗「まどかを傷つけるなら俺が容赦しないぜ。」
絆斗も臨戦態勢を取る。生身だが。
まどか「だ、ダメだよ、酷い事しないで!」
ほむら「アナタには関係ない。」
その冷徹さに危機感を覚えたのか、バケモノは剣を、女の子は槍を構える。
まどか「だって、この子私を呼んでた!聞こえたんだもん、『助けて』って!」
するとほむらは、その表情を引き攣らせる。今にも敵対しそうである。
すると女の子は、まどかに耳打ちした。
女の子「安心しろ、何かあったらアタシが助けてやる。」
とその時。
さやか「まどか、絆斗!!」
さやかの声がしたと同時に、周囲に白煙が立ちこめる。5人が白煙が出た方向を向くと、さやかが消火器を持っていた。そう、白煙を出したのはさやかだったのだ。
絆斗「今だ、逃げろ!」
さやかがほむらの目を眩ませている間、絆斗はまどかの手を、バケモノは女の子の手を引いて逃げた。
ほむらも追おうとするが、突然辺りの景色が変わる。周りには不気味な色をした蝶が飛び回り、黒い茨が生えている。
ほむら「こんな時に…!」
そしてまどかたちを追った。
さやか「何よアイツ!?今度はコスプレで通り魔かよ!!?」
絆斗「何だか知らねぇが、いつもと違うのは明白だ!」
因みにバケモノと女の子はまどかたち3人の後ろからついて来ていた。
さやか「つーか何それ?ぬいぐるみ…じゃないよね??」
まどか「分かんない…分かんない、けどこの子を助けなきゃ!」
しかしここで5人は漸く異変に気づく。いくら走っても、この廃工場から出られない。もう相当走っているハズである。
まどか「さやかちゃん、絆斗くん、コッチでいいのかな?」
さやか「合ってる…ハズだけど?」
絆斗「……妙だな。」
絆斗が足元を見ると、それはもう「廃工場」の床ではなかった。妙な模様の入った床に、周囲の不気味な蝶と茨。まどかとさやか、そしてバケモノと女の子も気づいているようだ。特にまどかとさやかは怯えている。
絆斗「何だココ…俺たちの世界じゃねぇ…!」
さやか「ひ、非常口は!?アタシたち、悪い夢でも見てるんだよね!!?」
絆斗「あぁ…これが夢だったらどれほど良かっただろうな……」
こんな時でも絆斗は冷静である。父がフリーライターだからなのか。
どちらにせよ、目の前の異変に変わりはない。それどころか、今度は変な怪物に周りを囲まれていた。白い頭に、カイゼル髭。歯を剥き出して笑う姿は、それこそさっき以上の「バケモノ」だった。
すると、このカイゼル髭に敵意がある事を悟ったさっきのバケモノと女の子が前に出て、それぞれ絆斗と、まどか、さやかを守った。ここで初めて彼らの存在に気づく。
絆斗「追いかけて来てたのかよ!?」
バケモノ「こんな事もあろうかと…って言ったらおかしいか。ただの偶然だよ。」
そこで絆斗は感じた。
絆斗(俺にも…俺にも戦う力があればッ……!)
とその時。5人の足元に暖かく光る円陣が現れ、空間ごと照らしたかと思うと、カイゼル髭の動きが止まる。
???「危なかったわね。でも、もう大丈夫。」
ラキア「はぁ〜ッ…だるっ。またかよ。」
目の前には2人の男女がいた。
???「…!佐倉さん!?」
女の子→杏子「ハァ…マミ、余計なお世話だ。」
???→マミ「佐倉さん…そんな冷たいこと言わないの。」
杏子「へぇへぇ。」
ラキア「だるっ。そんなこと言ってる間に襲われるぞ。」
すると今度はその黄髪縦ロールの女の子はまどか、さやか、絆斗に目をやる。
マミ「キュウべぇを助けてくれたのね、ありがとう。この子は私の大切な友達なの。」
まどか「わ、私、呼ばれたんです。頭の中に直接、この子の声が…」
マミ「そう。その制服、アナタたちも見滝原の生徒みたいね。二年生?」
まどか「あ、はい…」
マミは今度はバケモノに目をやる。
マミ「そして佐倉さんと…誰かしら、アナタは。」
するとバケモノは慌てて喋る。
バケモノ→ガヴ「違うんです、俺は敵じゃなくて、味方。杏子と一緒に行動してました。」
マミ「なら良かったわ、ありがとう。じゃあ、ちょっと片付けちゃっていいかしら、この人たちと一緒にね。」
ラキア「構わん、早くやれ。だるいからな。」
すると黄髪縦ロールの女の子は卵型のアイテム…「ソウルジェム」を構える。すると女の子は黄色の光に包まれ、姿を変える。
「変身」したその女の子…マミは大量のマスケット銃を召喚し、カイゼル髭を一掃する。だがカイゼル髭は一向に減る気配がない。むしろ、向こうからどんどんやって来て、あっという間にコチラを囲んでくる。
マミ「そっちは任せられるかしら、佐倉さんたち。」
ガヴ「杏子、行くよ。」
杏子「分かってるよ!」
ガヴと杏子は、二刀流と槍の見事な連携でカイゼル髭たちを一掃していく。
暫くすると、カイゼル髭共の大群は落ち着きを見せた。
すると周囲の異世界のような空間も、元の廃工場に戻る。外はもう夕焼けに包まれていた。
ラキア「あぁ〜だるっ。」
さやか「戻った!」
絆斗「何なんだよ…訳わかんねぇよ……!」
しかしマミの視線は別のトコロへ行っていた。
マミ「魔女は逃げたわ。」
ほむら「……!」
マミ「仕留めたいならすぐに追いかけなさい…今回は貴女に譲ってあげる。」
ほむら「私が用があるのは…」
マミ「呑み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの。」
ガヴも、ほむらの方を向いていた。だが杏子は、まどかたちの安否を確認していた。
マミ「お互い、余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」
ほむらは、まどかの腕の中の白いモノを一瞥してから、去って行った。
ガヴとマミは視線をまどかたちの方へ戻す。まどかは察して、その白いモノをマミの方へ手渡した。マミがソレに両手を翳すと、傷が治っていく。
ガヴ「凄い……まるで魔法みたいだ。」
マミ「本物の魔法よ。」
マミが訂正する。
???→キュウべぇ「ありがとうマミ。助かったよ。」
マミ「お礼はこの子たちに。私が通りがかっただけだからね。」
するとキュウべぇはまどかたちの方へ顔を向けた。
キュウべぇ「どうもありがとう!僕の名前はキュウべぇ。」
まどか「アナタが…私を呼んだの?」
キュウべぇ「そうだよ。鹿目まどか、美樹さやか、そして辛木田絆斗。あ、あと、一応、佐倉杏子、ショウマ・ストマック。」
杏子「え、『ストマック』?」
ガヴ「……詳しい話はまた今度ね。」
さやか「なんでアタシたちの名前を!?」
キュウべぇ「僕は、君たちにお願いがあって来たんだ。」
キュウべぇ「僕と契約して、魔法少女になってよ!!」
絆斗「…!?…ってか、これってどうやって人間に戻すんだ?アクスタを折りゃいいのか??」
絆斗はキュウべぇの言葉を無視し、ポケットからさっき拾ったヒトプレスを取り出す。人間に戻す方法を模索しているようで、試しにアクスタを折ろうとしていた。
絆斗「うぅぅぅ…取れねぇ…!!」
ガヴ「あっ、無理しない!割れると、その人たち死んじゃうから!!」
絆斗「エェェェェェ!?危ねぇ…」
そう、ヒトプレスの状態でアクスタを折る、つまりそれは殺害行為に等しかったのだ。危機一髪。
ガヴ「俺がやる。みんなを並べといて。」
絆斗「うっす…」
ガヴがザクザクチップスラッシャーで紐を切ると、人間の姿に戻る。だがガヴの姿を見た被害者たちは。
被害者「うわっ、バケモノ!」
被害者「バケモノだ!!」
絆斗「バケ、モノ…」
絆斗は「バケモノ」というワードを聞いて、さっき自分が言った言葉を思い出す。
絆斗『まどかに近づくなこのバケモノ!!』
すると絆斗は覚悟を決めた。
絆斗「みんな、落ち着けって!コイツはバケモノじゃない…みんなを助けた、「仮面ライダー」だ!!」
まどか「そ…そうだよ、この人はヒーローなんだよ!?」
さやか「そーだそーだ!!」
まどかとさやかも同調する。
絆斗「…………なっ?」
ガヴ「……うん。ありがとう。」
始めて、ガヴと人間の友情が芽生えた瞬間だった。
マミ「じゃあ、後は私の家で話しましょうか。」
ラキア「え、コイツらお前んちに全員来んの?…………だっっっっっっっっっっる。」
その頃絆斗の家では…
絆斗の父親・辛木田壮士が椅子に腰掛けて、調べ物をしていた。するとグラニュートがやって来て、壮士は驚く。
オタケ「見ぃつけた。」
壮士「えっ…?あの、すいません、私、あのフリーライターやってる者でして。ココの店について、何か知りません?」
オタケ「知らないなぁ…俺はただちょっと、頼まれごとをされてね…」
壮士「えっ?ええっ…うわぁっ!!」
オタケは怪人態になる。
オタケ「んじゃ…さようなら。」
壮士「グワッ…うわぁぁぁぁぁ〜!!!!!」
何処かの研究所にて…
ニエルブが、完成した「ブツ」を眺めていた。
ニエルブ「やっとできた…キュウさんも言ってたもんね、「将を射んと欲すればまず馬を射よ」、ってね…フフフッ…( ̄ー ̄)ニヤリ」
第5話「見滝原☆ザクザク☆パーリナイ」