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――聖女神セーラ修道院。
しとしとと雨が降り、修道院の石畳をまだらに濡らすなか、わたしたちはラシッドの待つ中庭までやってきていた。
ぴりぴりと肌を刺すような緊張感に包まれて、雨だれの音だけが妙に大きく聞こえる。
ざ、ざ、と足音を立てながら中庭の野草の上を歩き、セーラ様を降霊した魔法陣のある石畳に近づくと、雨に打たれたままその中央に佇んでいたラシッドがゆっくりとこちらに顔を向けた。
「……やっとご登場ですか。待ちくたびれましたよ。風邪をひいてしまいそうだ」
「……ラシッド、いいえ、レイシド様、事情は全部セーラ様からお聞きしました」
わたしは、みんなを背に一歩前に進みでる。
「あなたがわたしたちと同じ現実世界の人間だったこと、あなたの国が他国の侵略によって滅びたこと、そしてあなたの願いを太陽神様が聞き届けてこの異世界を生みだしたこと――ここにいるみんながその事情を知っています。あ***********************
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