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虜に……その言葉が、甘やかな幻聴のように頭に響く。
……今夜は、薬を飲まされたわけでもないのに、まるで、媚薬でも盛られたみたいに、
いたずらに身体が玩れ、抵抗する気力すら奪われていくようだった。
時折り、政宗医師の冷ややかな手が肌を這い、
「もっと、私を感じてみるといい……」
身体のラインをなぞるかのように撫でさすり、
「……求めなさい、思うままに……」
命を下すように言う、その低くひそめられた声音に、
体の芯が熱く高ぶって、もっと求めずにはいられなくなっていく……。
……なぜ、と思う。
どうしてこんな思いを……抱かれたいと思うわけでもないのに、
逆らうことも、逃げ出すこともできないなんて……ただ、苦しいだけなのに……。
……抱かれれば抱かれる程、熱を帯びる肉体に反し、
気持ちは、どうしようもなく冷めていくだけなのに……。
ハァハァと上がる息遣いを奪うように、息つく間もないような口づけがくり返される。
どうして──抗えないことが悔しくてたまらなくて、それはまるで──
彼の手に捕らわれ、ただその手中に堕ちていくのを、ひたすらに感じさせられるようだった……。