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爆発音と銃撃が、ロスサントスの夜を切り裂いていた
餡ブレラとMOZUの構成員たちが入り乱れ、隠れ家の周囲は戦場と化す
ウェスカーは突入してきた部下たちの先頭に立ち、銃を握ったままヴァン・ダーマーを睨む
「ズズを渡せ!」
ヴァン・ダーマーは背後にズズを庇い、冷ややかに答える
「渡す? いいや、俺が手に入れたんだ。笑顔も、心も」
銃口が互いに向けられ、次の瞬間火花が散った
弾丸が壁を穿ち、床を跳ねる
ズズは耳を塞ぎ、膝をついた
「もう、やめろ……!」
声は銃声にかき消されそうになる
ウェスカーの怒声
「ズズは私のものだ!」
ヴァン・ダーマーの冷笑
「お前には檻しか与えられない!」
その間に立つようにズズは思い切って飛び出した
「ストーーーーップ!!!」
銃声が一瞬止まる
二人の怪物が同時に目を見開いた
ズズは両手を広げ、必死に声を張る
「俺は戦利品ちゃう!景品でも、鎖で繋ぐペットでもない!……俺は芸人や!街で人を笑わせたいだけのアホや!」
その声には、震えながらも確かな芯があった
「……あんたらに愛されてるんは分かる。でもな、その愛のせいで街が血だらけになるとか、笑えんねん! 俺の笑顔は、誰かを傷つけるためにあるんちゃう!」
沈黙
ズズは笑おうとしたが、頬が引きつる
「……せめて、オチは“**誰も死にませんでした”**で終わらせたいんや」
ウェスカーの銃が震える
ヴァン・ダーマーの指が引き金から離れる
二人は互いを睨みながらもその中心で立ち尽くすズズに心を縛られていた