心地の良い朝、我ながら優雅に働く下民を眺める。
本来なら最高の気分だ、“本来なら”
そう、今私は最低最悪の気分だ。
何故なら……
「オンドゥルルラギッタンディスカアァァァァァァァ!!!!!!!!」
「うっせぇだまれカス!!!」
そう、この隣の部屋に住んでいる全人類の恥ことトールのせいだ。
「あのさぁ、まじでなんなの?こちとら社会人を見下してたとこなのに」
「ごめんね〜!」
うわ、あいつ絶対反省してないな。
あいつ次会ったら覚悟しとけよマジで容赦しないからな。
「あっ!そういえば隣のカンパさんが呼んでたよ〜」
「うっっっっわ……最悪更新だわ…」
カンパ…この階一の問題児。この前なにやらかしてたっけ、あー確かカミキの事務所にグレネード投げ込んだとかだったっけな。
まぁ間違いなく一番の問題児。なんで追い出されてないのか不思議なくらい。もっと私みたく自宅警備員魂を学びたまえよ…
「…行かなきゃだめかな」
「うーん、来たばかりだからよくわかんないです」
「ああぁぁぁ…そうだった…」
そういやトールのやつまだ来て一週間だった…
それならわからないよなぁ…
「……行くかぁ」
行かなかったらカミキみたくグレネード投げ込まれるかもしれないし…
「来たよー」
ほんとは来たくなかったけど。
「来てくれたんだー、入って」
チビ、何回見てもチビ。もはやチビオブザイヤーレベルのチビ。おまけに絶壁。
勝ったな(確信)
「殺すよー?」
「生贄渡すからやめて?」
「生贄によるねー」
絶体絶命か…うーんとっさに生贄とか言ったけどだれにしよう…やっぱり無難なとこかな〜…
「……田村」
「おっけー!」
勝ったな(二度目)
「それにしても、なんで呼んだの?」
カンパが私だけを呼ぶなんて今までなかったし、そもそも10回くらいしか会ったことないしね。
まぁその10回くらいが中々に濃い内容なんだけど…
「少し手伝ってもらいたくてねー」
呑気に笑ってるけど、後ろ見ればわかる。明らかに解像されつくしたサブマシンガン…うん、死んだ☆
絶対試しうちされるじゃんなにこれ詰み?そもそも日本って銃持つのって犯罪じゃ
「あのサブマシンガン気になるー?」
「銃刀法違反で捕まってない理由のが気になる」
いやだって日本だよ?ジャパン!しかもアパートに銃火器持ち込んでるとか気になるどころか通報案件でしょ
あ、でもこいつ事務所にグレネード投げ込んでるし今更かも
「そんなの理由は単純じゃーん」
「というと…?」
「…」
いやなにその笑顔こわい。今すぐ私のこと殺そうとしてるようにしか思えないって。
「警察が手出しする気すら起きないほどに被害を出せばいいんだよー!」
「え」
「…つまりそれだけの被害を出したってこと?」
「うん!」
ひえっ…こわいこいつ。
どんだけ被害出したら警察が手出しやめるんだよ怖すぎ。
「それで手伝ってほしいことなんだけどねー」
「あ、そんな話だったね」
「ちょっとサンドバッグなって?」
「え?」
「前カミキ襲ったら近接下手って言われたんだもんー」
うん、買えよ!!なんで私がサンドバッグなんだよ!!!買え!!
いやでもただの馬鹿の可能性もあるから言えばやめるかも。
「買えば?」
「いやだよー、ここにサンドバッグいるのに買うなんてー」
だめだこいつ…はやくなんとかしないと…
私遺書書いてたっけな…別にお金ないし書かなくていいか。
「私の自宅警備員人生も今日で最後か…」
「ニートだし大丈夫だよねー?」
「はぁ?」
ニート?私をニートだと?あんな下等種族(?)と一緒にされるとか人生の恥だよ恥。
「私は自宅警備員です、間違えんな」
「いっつもそういうねー、変わんないのに」
「自宅警備員とニートは全くの別物!スイカとメロンくらいは別物!」
「同じ同じー」
「どこが!?」
ムカつくぅ…まぁこの話のおかげでサンドバッグの話流れそうだしいいか…
「もういい!帰る!」
「はーい」
あ、ほんとにサンドバッグの話流れた。やったね。
コメント
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最初のトールで笑いすぎてリモコン落としてスマホ落としてお腹いたくて腹筋壊れたじゃないですかどうしてくれるんですか責任とってください😠😠😠😠😠 カンパ…絶壁…あ、ふーん(察し) いや別に何とは言わないしそもそも何の感情も抱いてないですけど可愛いね☺☺☺☺チビかわいいね☺☺☺ちよっと家来ない??え?グレネード??あやっぱやめておきm