テラーノベル
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みんなが優しくてもみんなは優しくない
自分が見ている彼女はその言葉に反していた
「博愛」
美しく長い髪と、吸い込まれるような翡翠の瞳を持っていた。
彼女は誰にも優しく、慕われ、それでいて嫌われていた。
彼女は嫌われていた
それでも、彼女は自分虐めていた者を恨まなかった。
「博愛」
全ての者を等しく愛すこと
彼女の名前と行動は一致している
恨むを知らないことは幸せな事だと思う
しかし彼女は「恨む」「憎む」「嫌う」という事を覚えたかった
そんな彼女が初めて恨んだものが
「 博愛 」
窓の外でチューリップが萎れているのが見えた
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