テラーノベル
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部屋へ戻る頃には。
勝利は少しだけ意識がぼんやりしていた。
熱い。
体が重い。
でも。
それより気になるのは――
聡の様子。
静かすぎた。
いつも静かだけど。
今日は違う。
何も言わない。
表情も変わらない。
なのに。
空気が少し重い。
ベッドへそっと下ろされる。
毛布。
冷却シート。
水。
全部。
異常なくらい速かった。
いつもの聡。
完璧。
……なのに。
何か違う。
「聡」
呼ぶ。
聡の手が少し止まる。
「水、飲めますか」
声が低い。
落ち着いてる。
でも。
どこか固い。
勝利が小さく頷く。
少し飲む。
そして。
小さく言った。
「……ごめん」
その瞬間。
聡の動きが止まった。
数秒。
沈黙。
そして。
本当に静かな声。
「謝らないでください」
低い。
でも。
少しだけ掠れていた。
勝利が少し眉を寄せる。
「でも、隠して――」
「俺が気づけなかった」
即答。
強めだった。
珍しく。
勝利が少し止まる。
聡は視線を落としたまま、小さく言う。
「朝から体調が悪かった」
「ずっと隠していた」
「なのに、気づけなかった」
短く。
淡々と。
でも。
全部、自分を責める声。
勝利が慌てる。
「違うって」
熱で少し掠れた声。
「俺が隠しただけだし」
でも。
聡は首を横に振った。
小さく。
静かに。
「それでも、気づくべきでした」
勝利が少し困る。
「いや、無理だって」
「普通にしてたし」
「だからです」
低い声。
聡の手が少しだけ握られる。
珍しい。
感情が出てる。
「隠していても、分かるべきだった」
勝利が少し目を開く。
……重い。
いや。
違う。
本気で心配してる。
そして。
本気で自分を責めてる。
聡は少し俯いた。
声が、いつもより弱い。
「またです」
勝利が止まる。
「……また?」
「守れなかった」
小さい声。
掠れてる。
「大事なものも」
「体調も」
「全部、後から気づく」
勝利の胸が少し痛くなる。
そんな顔。
初めて見る。
聡は少しだけ目を閉じた。
そして。
ほんの少し震える息を吐く。
「倒れるまで気づけないなんて」
「護衛失格です」
「違う!!」
勝利が思わず声を上げる。
喉が痛い。
でも。
止めたかった。
「違うから!」
聡が少し止まる。
勝利は熱でぼんやりしながらも言った。
「俺が隠した」
「心配かけたくなかった」
「聡悪くない」
言い切る。
でも。
聡は少しだけ目を伏せた。
そして。
ほんの少しだけ笑う。
……困ったみたいに。
「優しいですね」
「え」
「でも、違います」
静かな声。
優しい。
なのに。
全然譲らない。
「あなたが倒れた」
「それが結果です」
勝利が言葉に詰まる。
聡は視線を逸らした。
珍しく。
弱い声。
「……怖かった」
その一言で。
勝利が止まる。
聡は続けた。
「支えた時、反応が遅くて」
「熱が高くて」
「もっと悪かったらと思った」
少しだけ声が掠れる。
「本当に、怖かったです」
静かな部屋。
勝利は初めて思う。
……こんなに。
自分のことで。
怖がってたんだ。
聡は少し俯いたまま。
ぽつり。
「次は、気づきたい」
「だから」
数秒止まる。
そして。
本当に弱い声で。
「隠さないでください」
その声が。
少しだけ。
泣きそうに聞こえた。
#会話部屋
周杜.
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コメント
1件
うわあああこの回……心臓ぎゅってなった😭💔 聡くんがあそこまで自分責めるの初めて見たよ……「護衛失格」って言うとこ、マジで胸痛かった。しかも「怖かった」って掠れた声で言うの、ずるすぎる🥺✨ 勝利くんも「違う!!」って熱ある状態で叫ぶとこ、必死さが伝わってきて泣ける……お互い思い合ってるからこそのすれ違いというか、重なり方が尊すぎて感情が追いつかない😢💕 ラストの「隠さないでください」が泣きそうな声だったのも含めて、二人の距離がまた一歩縮まった感じがして鳥肌……次の展開、心の準備してもっと読みたいです🔥🙏