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みことはすちの腕の中で、全身の感覚を彼に預けていた。
「……ん、ふ……っ……そんなに、触ったら……」
「なに?もっとしてほしいって、顔してる」
すちの指が泡をまといながら、みことの太ももをゆっくりなぞる。
とろけそうな熱が全身に伝わって、浴室のタイルに背中が押しつけられるたび、かすかな水音が響いた。
「……すちくん、ずるい……目、見ないでよ……」
「見ないと分かんないでしょ、どこが気持ちいいのか」
「や、言わなくても……わかるくせに……っ」
すちの手が腰に回り、そっと引き寄せられる。濡れた体が重なり、滑り合う肌と肌。
湯気に包まれて、視界が滲んでいく中──すちの唇が、そっと耳元に触れた。
「声、我慢しないで。ここには誰もいないよ」
「……っ、でも……」
「だめ。どんな顔で感じてるか、ちゃんと見せて?」
吐息混じりの声と同時に、すちの手がぐっと強くみことの腰を引き寄せた。
ぬるりと濡れた肌が絡み合い、重なった胸元が高鳴る鼓動を伝え合う。
「っ……はぁ……す、すちくん……もう……」
「我慢しないで、俺に委ねて。」
浴室の湿った空気の中で、ふたりはすべてをさらけ出すように抱き合った。
キスは深く、熱く、何度も何度も重ねられ──
指先も、声も、体温も、すべてが混ざり合っていく。
言葉にならない吐息が響くたび、シャワーの音がやさしくそれを包んだ。
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「んっ……はぁ……っ、や、も……う……っ」
みことの声は、湯気にかき消されそうなほどか細く震えていた。
すちの胸に背中を預けながら、首を反らすようにして必死に息を整えている。
「やっぱ……この反応、可愛すぎる」
「ばか……っ、こっちは、もう余裕ないのに……」
すちの腕がぎゅっとみことの腰を抱きしめて、そっと顎を肩に乗せた。
肌と肌がすでにぴったりと重なっていて、まるで境界なんてないみたいだった。
お湯が流れるたび、どこもかしこも敏感に跳ねて、触れ合うたびにまた火がついてしまいそうになる。
「……す、すちくん……ちょっと、落ち着いて……」
「無理。みことがとろとろになってんの見ると、止まんない」
「っ……!」
みことは一瞬、足元が崩れそうになり、浴室の壁に手をついた。
すちがすかさず支える。
「だいじょうぶ、俺がちゃんと支えてるから」
囁く声の低さが、耳の奥を痺れさせる。
「……っ、ほんとに……まだ、終わらせてくれないんだ……」
「……みこちゃんはそれでも、逃げないでくれる?」
「……うん……すちくんのそばなら、どこにも行かない……」
そう答えたとき、すちの手が静かにみことの頬を包んだ。
そして、湯気の中でゆっくりとキスを交わす。今度は深く、けれど優しいキスだった。
火照った体に、心地よくお湯が流れていく。
熱はまだ消えない。でも、それが心地よくて、怖くなかった。
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