彼と会えなくなって、数週間後
いつもはほとんど1日パジャマで過ごす休日にも関わらず、
今日に限ってカジュアルとはいえスーツを身にまっているのは何故か。
寂しくて仕方なくなった僕はあろうことか、
グクが働くホストクラブの店前に立っていたのだ。
色んな言い訳を考えて、
でも勇気が出なくてぅーと小さく唸って、
1歩踏み出しては、1歩下がるを繰り返し、
人生で1番大きく深い深呼吸をして、
えいっと踏み込んだ店内に、
やはり臆する。
黒を基調とした少し暗めなその場所に、
一気に異世界に迷い込んでしまったような、そんな感覚になったのだ。
🙍♂️「いらっしゃいませ、、、
おひとりですか?」
男一人の来店に、少し戸惑ったような従業員の声。
こちらもきっと同じくらい戸惑っているので、こくこくと頷く。
🙍♂️「年齢確認ができる身分証を、、」
あたふたと免許証を取りだして確認してもらう
🙍♂️「あ、、じゃあ、、どうぞ、、、」
そのまま店内を促されるままに奥に通されたが、
ガチガチに体が強ばって、
辺りを見回す余裕もない。
でも、
たまに出てくる女の人が、ものすごく際どい格好をしているのとか、甘い絡み合うような男女の声が聞こえていて、
高めの仕切りで区切られたボックス席へ座らされる頃には、僕の弱い心臓は緊張で縮み上がっていた
こんなところでどうやってグクを見つけていいか分からない。
それに、会えたとして、どうやって声かければいいかも分からない
🙍♂️「、、の、、、あの!」
🐣「は、はいっっ!!」
ハッと我に返る
料金とかの説明をしてくれてたみたいだけれど、なんにも頭に入ってなかった。
🐣「すみません、、なにか、、?」
🙍♂️「えと、、だから、、、初回なので焼酎と割り物が無料になりますが、お持ちしましょうか?」
もうやけくそだ。
🐣「お、お願いしますっ」
上擦った声で答えると、
最初は警戒していた様子の彼も、
ちょろそうな僕にどこか安心した様子。
とはいえこちらは、いつまでたっても安心などできたものでは無い。
そのまま酒が運ばれてくると同時に、
グクとまではいかないけれど、
顔の整った男が脇に座ってくる。
こんな変わった客なのに、
紳士的なその男の子の様子に、ホストってすごいな、、って変な関心をしながら、
流されるままに相槌をうったり、話をして、、いつもより喉が渇きやすくて何度もグラスを傾ける。
どうやら僕は、
意外とそのホストさんに好かれてしまったようで、まるで前から知り合いのように、
肩を組んでくる話上手な彼。
微かに、こんな子なら毎日楽しいだろうな、なんて、本来の目的を忘れかけていた。
そう、こんなところに来てしまうまで、彼にすがりついていたこの僕が、
グクのことを忘れて楽しんでいたのだ。
飲みっぷりいいね〜なんて褒めてもらえるから、それくらいしか馴染む方法が分からなくて、
酒に強いとはいえ、沢山飲んだら誰でも潰れるような強いお酒にまで手を出して、
ぐいぐい煽った。
でも、慣れない場所と慣れない人との会話、、
どんどん酔ってく自分に限界を感じて、
🐣「ト、トイレ借りられますか?」
少しだけ休憩するつもりで尋ねる。
彼はにっこり笑って快く教えてくれた。
立ち上がった瞬間、ふらつく、へろへろの僕を見て、
「着いていこうか?」と優しくその子に聞かれたけど、丁寧に断ってよろよろ通路に出る
ゆっくり世界が回ってるように視界がおぼつかなくて、さすがにピンチだった。
🐣「うわあっ」
目に入る女性がみんな派手な格好で余計にあわあわしてしまい、前をよく見てなかったら、
誰かにぶつかって、そのままびっくりして力が抜けてしまい、
床に崩れ落ちそうになるところを
抱きとめられた。
1度誰かの腕に包まれてしまうと、酔いが回って、気が抜け、ふわふわしてくる。
倒れるようにその広い胸に顔を突っ伏して、もたれかかってしまった
🐰「だ、大丈夫ですk、、?!
は、、?ジミン、、?」
グクの声だ、、と思ってぼんやり見上げると、目を見開いた彼の強ばった顔があった。
👩🦰「ぐくぅ〜はやく〜」
近くのボックス席の方から、またどこかで聞いたことある声。
🐰「あ、、えと、、ちょっと待って!」
いつも余裕そうだった彼からは聞いた事のない、上擦った、慌てたような声をあげて、
一瞬離れた視線はすぐに戻ってくる。
🐰「なにしてんのお前。」
一気にいつも通り、いや、いつもより冷たくなる声。
色々とパニックで、頭が働かなくなっていた僕には、彼をぼんやり見上げたまま、
聞かれたことがもうよく分からなかった
👩🦰「ねぇグク〜、あいつがさぁ〜、
って、、そいつ、この前のっ、、」
あの怖い女の人が、
呼びに来てしまったらしい。
僕の後ろで声がする。
でも、グクに抱き抱えられるように支えてもらっていないと、立ってるのもやっとな僕は、
振り向いて彼女に邪魔してごめんなさいと謝ることも、
空気を読んでさっさと退散することもできない。
🐰「ソア、、ちょっと今日もうお開きかも、ごめん、」
👩🦰「は?なんで?せっかく沢山お金もってきたんだよぉ?」
一気に尖った声になるソア。
🐣「ぼ、ぼくいかなきゃあ〜」
慌てて呂律の回らない声で、グクに訴えるが、
完全無視。
ちらっと鋭い視線を送るだけで、
しっかり抱え込んで離してくれない
🐰「ごめん、こいつどうにかしないと。
今度埋め合わせするから、な?」
どうにかってなんだろう、、とぼんやり思う
👩🦰「んー超ムカつくけど、グクが言うなら仕方ないなぁ、、絶対だよぉ?」
そう言いながらも、声だけでわかるほど全然納得してないようだ。
きっと今僕は、彼女のツンと尖った目に睨みつけられているのだろう。
🐰「うん、ありがとう、
俺無しでも楽しんでってね」
やんわりそう言ったが、
やっぱり僕に向けられるのは冷たい目。
🐰「こっち来いよ。」
🐣「あ、、あ、、、ぐがぁ?」
ほとんど事務的にそう言ったグクに、引っ張られて、バックヤードみたいなところに連れ込まれる
店内よりも薄暗い廊下の壁に追い詰められて、見下ろされた
そこにいた誰かに、「水」とぶっきらぼうに言った彼。
🐰「とりあえず飲んで。」
程なくして、コップが口に当てられ、
その無理やり流し込まれる冷たい水を
頑張ってこくこくと飲む
🐣「ぷは、、は、、」
結構飲んだつもりだったのに、酒の量が半端じゃなかったみたいで、頭はまだぼんやり霞んでいる
🐰「少しはっきりした?」
でも、水のおかげで案じる彼の声が聞こえる程度には回復しているので、こくんと頷く。
ぽわんと彼の綺麗な顔を見上げていたら、
大きく呆れたようなため息をつく彼。
🐰「なあ、、あのさ、、
ここでなにしてんだよ、、
お前そういう趣味なの?」
怒られてるみたいだ、、ってうっすら思ってはいるものの、
距離がすごく近くて、大好きな香りに包み込まれていた、
このでろでろに酔った気分は、きっとお酒のせいだけではない。
🐣「んぅ〜、ぐがぁ、、あいたかったぁ、、」
🐰「お前さ、」
見てられない、みたいに一旦目をそらす。
すぐに戻ってきた視線は冷たさを通り越し、
怖い狼の色を秘めていて、ふわふわした頭でも、ドキッと胸が跳ねた
🐰「酔い覚ましてやるよ。」
🐣「ふえ?」
彼が急に屈んで、ビクッとした瞬間、
視界が逆さまになった。
吐きそうになって、咄嗟に口を抑えるが、ぐらぐらおぼつかなくて上手くいかない。
グクの腕を腰に感じる。
どうやら彼の肩に担がれてしまったみたいだった
一気に酔いが覚めて、慌てて訴える
🐣「ぐがっ、、ぐが待って、、、下ろしてっ、、、なんで怒ってるの、、泣
嫌だっ、、ねぇどこ行くのっ、、ごめんっ、、、謝るからっ泣」
無視してずんずんと歩き出すグク。
どこに連れてかれるかも分からない。
頭に血が上って、ただでさえ酔いが回った頭はぼうっと霞んでいく。
上半身がぶらぶらおぼつかなくて、
必死で何かを掴もうとしたけど無理で、
でもがっしりと掴まれていて、顔から落ちるなんて事はなさそうで、
されるがままにぶら下がった。
物のように扱われるうちに、
麻痺していく感覚。
“嬉しい”
ふとそんな感情が浮かんだ。
グクが触ってくれている。
グクが僕を見てくれてる。
朦朧する意識の中で、
おかしくなった僕は、
どうやら幸せな表情を浮かべている様だった。
どのくらいぶら下がっていただろうか、
どこかに着いたようで、揺さぶりが止まる。
🐰「降ろすぞ。」
とさっと、思いのほか優しく降ろされたものの、目が回ってふらふらした
掴むものを求めて、
あげた目線に飛び込んできたのは
綺麗に装飾されたシャワーヘッド。
僕の腕を掴んで彼の身体に引き寄せる手と、
そのシャワーヘッドに伸びる手。
へ?と思った瞬間、
🐣「ひゃああああっ」
僕の体はずぶ濡れになっていた
ぺったりとくっついてくるシャツ。
がっしりと腰を掴んで逃がしてくれない腕。
頭からかけられる水に、溺れる気がして一気に意識が覚醒し、訳が分からなくなる。
🐣「やめて、、やめてっ!」
ようやく水が止められ、身体からぽたぽたと雫が滴る時にはもうへろへろの僕。
本当に溺れていた人みたいに息が荒い。
🐣「はぁ、、はぁ、、はぁ、、」
どうにもできないでぐったりしている間に、
グクの手によって、びしょ濡れの衣服はあっという間に剥ぎ取られていた。
疲れ切っている僕は、抵抗はおろか、
声を上げることすらできない。
少しでいいからどこかに座らして欲しかった。
🐣「はぁ、、あ、、、」
そう思った瞬間、後ろから抱き上げられて、
脇の浴槽の中に入れられる。
くるっと身体を回されて、角の縁に座らされた。
少し安堵したが、
顔を上げた瞬間、思わず目を見開いた
目の前にはむき出しになった綺麗な腹筋。
僕のよりずっと立派な男らしいモノ。
グクも裸だった。
恥ずかしいとかの感情の前に、
ぽけっと見とれる僕に、
まだいらいらと怒ってる様子の彼は容赦なかった。
🐣「はぁ、、、ぁう、、、や、、」
思わず漏れた、
吐息混じりの自分の声に動揺する。
疲れ切って隠すことすら出来ていなかったモノを、
きゅっと握られて、恍惚となったのだ。
初めて自分以外の人にソレに触れられた。
それも大好きな人に。
ずっと会いたいと、
触れたいと、触れて欲しいと思っていた人に。
なに、、これ、、
気持ちいい、、、
気持ちよすぎる、、
🐣「あぁ、、、あ、、、、」
自分でもわかる、とろんとした目で彼を
ぼんやり見あげると、
僕の頭の上に、空いている方の手をついて、
余裕の蔑むような目で、
こちらを見下ろしている
その体の隅まですっかり支配されているような感覚や、視線が
また刺激になって、僕の腹の奥を震わす。
🐰「感じてんの?ㅎ」
声が出せないほど気持ちよくて、
こくこくと小さく頷くと、
左眉を余裕そうにくいっと上げる以外、
表情を変えないまま、
彼はゆっくりと僕のを握ったままの手を動かしはじめた
🐣「はぁっ、、ああ、、、ぐがっ、んぅ、、」
1度声を抑えようと口を抑えた手は、
力が抜けてしまっていて、上手くいかなかった
そのまま下ろした手で、
僕に絶え間なくゆるゆると刺激を与えてくる彼の腕を、快感で小刻みに震えてきた両手でそっと握る。
🐣「あぁ、、あ、、、だめ、、、」
🐰「お前の手、すごい熱いㅎ」
🐣「だ、、だって、、、ぁん、、、」
🐰「だって、?」
感じ入ろうした瞬間、ぴたりと動きを止められた
🐣「ふえ、、、、え、、なん、、で、、」
俯いていた顔を上げた瞬間、
彼の顔が近くに来ていて、唇が触れあった。
ちろ、と唇を舐められて、誘われるように口を開くと、すぐに舌が入ってくる。
🐣「ん、、んっ、、クチュ、、」
脳内に響き渡る水音。
モノを強く握って離してくれない手。
おかしくなりそうだった。
🐣「ぷはぁ、、、は、、、あ、、」
🐰「もうとろとろじゃんㅎ
きもちい?」
うんと頷いて、恥ずかしくて俯くと、
また唇を合わしてすくい上げられて、彼の方を向かされる。
うっすら笑っているようなその口元は、とっても妖狐で、艶めいていた。
🐰「言葉で言ってみ?
そしたらイかせてやるよㅎ」
そんな、、と訴えるように彼を見たけれど、
ただ、こちらを試すように、楽しそうに笑うだけ。
戸惑っていたら、
🐣「はぁ、、あ、、あぅ、、ん、、、」
イけないけど、気持ちよくてぼうっとしてしまう、緩い刺激が送られる
🐣「ああ、、あ、、、も、、」
グクの腕をきゅっと掴んだけれど、力が弱すぎて、なんの静止にもならない
快感に酔っていたら、彼の顔が近づいてきて、
🐣「だ、、だめ、、」
キスされたらイっちゃう、、と思ったけど、
そうではなかった。
🐣「ひゃ、、ぁ、、、」
グクは、僕の耳元に口を寄せ、耳たぶにキスをして、そのままそれを唇の間に挟んだ
彼の熱い吐息がかかり、
舌が這う感じたことの無いもどかしい刺激に、身体がぴくんと反応する
🐰「ほら、、言ってみ、、?
言うこと聞けるでしょ?」
🐣「は、、ぁう、、、」
優しい声ではない。
それだけは確かだけれど、
そのグクの囁きは、甘くて、官能的で、頭を一瞬で支配するような力を持っていた。
僕にとって、それがトドメだった。
🐣「きもち、い、、、、、」
口にした言葉は、僕にその快感の確かさを認めさせるような力を持っていて、ぞくりと背筋が震える
促されるままに素直に言ってしまった僕に、
グクが耳元でくすっと小さく笑った。
それもまた、聞いた事のない、魅惑的な笑い方で、身体に熱が籠る
🐰「じゃあ、、どうして欲しいの、、じみな?」
🐣「ん、、ぅ、、、イかせて、、、」
夢見心地でねだる。
🐰「いいけど、ちゃんと頼んで?」
🐣「おねがい、、します、、、泣」
🐰「だいぶ素直になってきたね、いい子。」
頭に直接響いてくる “いい子”の囁き
頭がくらくらする。
🐰「ほら、、何を、から続けて言わなきゃ」
耳元から離れて、
僕と目を合わせてきた彼の、
美しいダークブラウンの瞳に吸い込まれそうになる
きっともう半分くらい吸い込まれていたんだと思う。
🐣「イかせてください、、おねがい、、します、、、」
操られるように、その言葉を口にすると、満足気ににやりと笑った彼。
その瞬間、
🐰「よくできました」
一気に早く扱かれて、
怖い程の快感が走る。
🐣「ひゃああっ、、ああっ、、あっ、、も、、むりっ、、ぐがあっ」
🐰「いいよ、イっちゃえㅎ」
🐣「ん、、んんっ、、くっ、、
はぁっ、、はぁっ、」
グクの低い声を最後に一瞬視界が真っ白になり、勢いよく愛液を弾けさせ、
そのまま意識は
深く沈んで何も分からなくなった
コメント
18件
このお話続きでますかっ
(OoO;) ドキドキ💓しすぎて(* ̄ii ̄)、、この先が色々こわいよぉぉ・・・( 艸д゚*)
🐥ちゃんの初めてなんだよね?