「真実」。
それは、人が触れてはいけない「禁忌」。
例えば、遊園地に居る着ぐるみの中には人が入っている。
例えば、薬としていた物が毒であった。
例えば、信じていた人が裏切り者である。
そういった物事は、世の中に数え切れない程に存在する。
古来から、神という存在はベールに包まれていた。
(ある者はそれを厄災と呼び、ある者はそれを救いと呼んだ。)
そんな神は、謎というベールに包まれているからこそ、今を保てている。
もしも神が姿を表したとしても、そこに起こる良い事というのは片手で数え切れる程しか無いだろう。
(それは「もしも」の話だが。)
そんな神は、ある時は兵器に利用され、ある時は人々の救いとなり、ある時は憎悪の対象となった。
そこに真実など、存在していない。
…いや、存在してはいけないのだろう。
人が幸せだと云うのなら、現状のままで居るのが最適解なのだろうか。
(或いはそれを観測するのだろうか。)
「ふぁぁ…珍しく早起きしたなぁ…。」
大きく一つ欠伸をすれば、見慣れた室内を軽く見渡す。特にこれといった物もない。相変わらず殺風景だった。
まだ私としての仕事は残っている。
だけれど、何だかやる気になれなかった。
(今日は外をちょっと歩いて…残りの時間は仕事しようかな。)
今日もまた整備されていない扉を開き、一人静かな外に出て周りを眺める。
森の中。緑の自然が辺り一面に広がり、鳥がさえずり、動物たちは自由に動く。そんな中に居る私一人はとても浮いていて、返ってどこか安堵の様なものを感じる。
「もう少しだけここに居て…そしたら仕事しようかな。」
そう呟き、私はその場に座り込んでぼーっとしながら空を眺める。
空は雲一つさえ無い、綺麗な絵に描いた様な晴天だった。
『―けてはいけない。眺めてはいけない。孤独で――てはならない。
私はそれらから―為に――に居る。』
『いつまでも、――と。これまでも、これから先も。貴女は―― ―のね。
けれど、それでも。それが貴女の―へと変化する日が―か――ら。』
『義務的な―。――のリスクである―。
この世界は――ません。この―する根本的な欠点――事は、もう二度と。』
『私は貴女や―とは違うのよ。私という存在には希望も未来も存在しない。
貴女はどうか、こうならないでね。』
『…俺は誰も救えない。お前らとは違う。
お前が本当にそれで良いかなんて疑問だがな。』
コメント
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久しぶりの配信!! 楽しみにしてました!!!