テラーノベル
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俺は、高校二年生。
そろそろ、受験だと先生に言われながら無視をし続けて今では立派な反抗期だ。
莉犬「あー、だるいぃ…」
成績が悪いだとか、ピアスがついているだとか。
そんなことで親を呼ぶ先生はよっぽど暇なのだろうか。
先生「ちゃんとやれば出来るはずなんです」
そんな言葉を親に向けて発する先生。
その言葉は最近よく聞く言葉であった。
そもそも、俺は成績優秀で、才色兼備。
おまけに、文武両道。
先生からは注目の的で、生徒会や部長。
多くの仕事をこなしていた。
そんな、俺はある出来事からおかしくなった。
転校生でやってきた、ピンクの髪したキザなやろう。
成績は良い方で、おまけに芸能活動をしているという。
色んなクラスからこぞって生徒が教室に向かい、拝むようにする生徒もいる。
俳優をしているらしく、彼が出るドラマは学校全体が見ていて、いつの間にかにみんな、俺ではなくてそいつを見るようになった。
学校に来れない人来れない日がある彼。
それなのに、成績はあっという間に俺の隣までやってきた。
さとみ「頭いいんだね、莉犬くん」
莉犬「さとみ君もね」
さとみ「俺は適当にやってるだけだから笑」
まるで、何かの人形を被ったように綺麗事しか話さない彼を見ていると、心の底から怒りを感じるようになった。
莉犬「なにそれ」
さとみ「?」
莉犬「綺麗事ばっかり、俳優だから?」
莉犬「みんなに見られたらマズイわけ?」
莉犬「周りの目に怖がっちゃってんの?」
莉犬「あと莉犬くんとか気持ち悪い」
莉犬「やめてよそれ」
さとみ「…」
さとみ「ごめん」
さとみ「もっと上手にできれば良かったね」
さとみ「俺が悪かった」
莉犬「もういい、帰る」
さとみ「あ、ちょ、」
バッグをとって、早々と教室から出る。
教室にはもう、あいつしかいない。
学校にある自習室によって、参考書を開く。
目の前にはみんなが解く問題より前難しい、背伸びしたような問題が並んでいる。
特別難しいわけでもなくて、簡単なわけでもなくて、俺にはぴったりの参考書だった。
もともと、体が弱くて運動ができなかった。
病院にいる時も、やることがなく、目の前に出されたのは数学の問題だけだった。
だから、なんとなく勉強して、なんとなく受験して、なんとなく高校生になった。
今思えば、なんの才能でもない、ただの暇を潰す道具でしかなかったのだと思う。
自習室の外からは雨音が聞こえて、スマホを取り出す。
雨雲レーダーではあと3時間は降ると予想されていた。
この自習室に入れるのは最大でも8時まで。
つまり、雨の中出ることは確定だということだ。
ニュースでキャスターが台風が来ていると言っていたことを思い出し、1人自分を責めた。
傘なんて都合よく持っているわけもなく、どうしようか考えながら外を見た。
外を走るピンク髪の生徒が見えて、はっとした。
彼は傘を持っていなくて、バッグを頭にして必死に走っていた。
あー、あいつもか。
なんて、どうでもいいこと考えながら参考書に目を戻す。
一向に終わりが見えない数学には、飽き飽きでそろそろ帰ろうかとカバンに突っ込んだ。
さとみ「おい、」
カバンを持つ手を止めて、彼を見る。
その目はまるで俺の心を見透かすような、真の通ったそんな目をしていた。
きまづくなって、目を外し用意する手を早めて足早と出口に向かう。
#青
るな_outouki
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さとみ「お前っ、…!!」
さっと動く彼の姿が横目に見えて、前へと進む足は どんどん早くなっていく。
さとみ「莉犬っ、!!」
パッと腕を掴まれ動きが止まる。
莉犬「なに、離して?」
莉犬「俺、用事あんの」
莉犬「どいて、邪魔」
さとみ「どかないし、、離さない」
莉犬「は?迷惑なんだけど」
さとみ「離したいことあんの」
莉犬「俺がお前と?」
さとみ「そう、このあと暇?」
莉犬「…」
さとみ「行くぞ、傘は?」
莉犬「は、行くなんて言ってないんだけど」
さとみ「無理、拒否権なし」
さとみ 「それにすぐ否定しないって、」
さとみ「そういうことでしょ?」
莉犬「本当に無理、バイトある」
さとみ「じゃあ、バイト終わるまで待つ」
さとみ「どこ?」
莉犬「言うわけなじゃん、どいて?」
さとみ「駅前のレストランだろ?」
さとみ「見たこの前」
莉犬「あっそ、もう行く」
なんとか逃げ出したくて、足早と去る。
さとみ「俺のこと嫌いなの?」
莉犬「嫌い」
さとみ「そう、俺は好きだけどね」
莉犬「そういうとこ」
さとみ「莉犬って呼べばいい?」
莉犬「勝手にすれば?」
さとみ「じゃあ、莉犬ね。よろしく」
適当に会話を流して、下校準備をする。
靴を履き替えて、傘を取り出す…。
そこで、ようやく思い出した。
さとみ「なに、傘ないの?」
莉犬「…忘れた」
さとみ「俺はあるよ?」
さとみ「なんかして欲しいことは?笑」
莉犬「いい、傘借りるから」
さとみ「はいはい、わかったわかった」
さとみ「一緒に行こう、莉犬」
さとみ「莉犬小さいしちょうどいいよ」
莉犬「うっさい」
さとみ「傘には入るんだ笑」
さとみ「ほんと、莉犬小さいね」
莉犬「お前がでかいだけね」
さとみ「かわいい」
莉犬「そんなこと言ってたらファン泣くよ」
さとみ「俺の知ったこっちゃないだろ」
莉犬「…冷たいんだね」
さとみ「まぁ、、かも?」
莉犬「…さっきはごめん」
さとみ「あー、気にしてないから」
莉犬「嘘だ、呼び方変えたじゃん」
さとみ「それは、ちょっと合わせただけ」
莉犬「そう」
さとみ「莉犬手握ってもいい?」
莉犬「なにそれ、きもい」
さとみ「寒くね?」
莉犬「そう?そんなだよ」
さとみ「ふーん、わっ手冷たい」
莉犬「勝手に手握んないでよ馬鹿っ」
さとみ「嫉妬されちゃうね」
莉犬「迷惑なんだけど」
さとみ「あはは、ごめんごめん笑」
さとみ「てか本当に冷たいね」
さとみ「寒くないの?」
莉犬「寒くないし別に」
さとみ「鼻赤いよ?笑笑」
莉犬「うるさい」
さとみ「そんなとこいたら濡れちゃうよ?」
さとみ「もっと寄りな」
莉犬「ひくしゅっ、」
さとみ「大丈夫?」
莉犬「うん、、寒いだけ」
さとみ「バイト何時まであんの?」
莉犬「9時半」
さとみ「夜遅いね、怖くないの?」
莉犬「俺だって男だし」
さとみ「おー、意外と男前」
莉犬「そんなんで関心すんなあほ」
さとみ「はいはい笑」
莉犬「じゃあ、俺バイト行くから」
さとみ「俺この席にいるから、声かけて」
莉犬「気が向いたらね」
なんとなく仕事して、料理を提供する。
俺の仕事は接客で、簡単な仕事が多い。
さとみ君とは何度も目があって、目が合うたびににっこりと笑われる。
一体これに惚れた奴らは何人いるんだろうか。
莉犬「あ、…」
気がつくと手にあったコップを床に落として、割ってしまっていた。
先輩「ちょっとちょっと、何してんの〜!!」
莉犬「すみませんッ…」
先輩「本当気をつけなね」
先輩「お客さんも沢山いらっしゃるから」
先輩「怪我でもしたら危ないでしょう?」
莉犬「はい、気をつけます…」
先輩「疲れてるなら上がってもいいのよ」
先輩「なんだか、顔色も悪いし」
莉犬「いえ、大丈夫です、すみません」
先輩「いいのいいの、じゃあ頑張って!」
優しい先輩がコップを片してくれていた。
さとみ「莉犬」
後ろから名前を呼ばれた。
莉犬「はい、ご注文でございますか?」
つい、店員口調で話しかける。
さとみ「あ、ううん、違うけど」
さとみ「り、…ぬ」
莉犬「ごめんなさい、えっと、…?」
なんとなく目線が合わなくて、上手く言葉が聞こえない。
そして、体制を崩す。
さとみ「ちょ、大丈夫…?」
運良く体を受け止めてくれ、怪我をすることはなかった。
莉犬「ごめん、なんか…変かも」
さとみ「体熱いよ、熱ある」
さとみ「店員呼ぶよ?」
莉犬「いや、いいよ、大丈夫」
さとみ「やめとけ、もうテスト前だし」
さとみ「変に体調崩さない方がいいし」
さとみ「すみませーん」
俺が反抗する暇もなく彼は先輩を呼びつける。
店員「どうされましたか?ー
店員「あれ、莉犬くん…!!」
さとみ「すみません、無理したっぽくて」
店員「そうだったんですね…」
店員「お友達…ですか?」
さとみ「はい」
店員「店長には言っておくので、すみません」
店員「もし良かったら家連れて行けますか?」
さとみ「えー、まぁ」
さとみ「店長にもお願いします」
店員「あの、、もしかして俳優の、…」
さとみ「ばれちゃいましたか笑」
さとみ「さとみです」
店員「テレビ見てます!!」
さとみ「ありがとうございます笑」
さとみ「莉犬悪化させたくないんで帰ります」
店員「はい、お願いします!!」
さとみ「お代…」
店員「あ、大丈夫ですよ!!」
店員「莉犬くんお願いしちゃいますし…」
さとみ「いえいえ、払わせてください」
さとみ「3000で足りますか?」
店員「えぇ、もちろん、でも…」
さとみ「いいんですよ」
さとみ「じゃあ、また」
さとみ「莉犬、おんぶするからね」
莉犬「ごめん…」
うっすらと会話が聞こえてきて、雨の音の合間に聞こえる人の声に安心していた。
さとみ君の背中かから聞こえる心音はすごく、
暖かくて優しい音だった。
そして、その日から少しだけ、さとみ君のことを好きになった。
コメント
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うわあ、莉犬くんのツンツンした態度の裏にある複雑な気持ち、すごく伝わってきた…!最初は嫌いって言い切ってたのに、傘に入ってもらって、バイト先まで心配されて、最後に背中で心音聞いて「好きになった」って気づく流れ、胸がぎゅってなったよ。さとみくんの余裕あるけどちゃんと莉犬くんを見てる感じも好き。相合傘ってタイトルがぴったりだね🌙